新聞報道によれば、中央教育審議会(中教審)が、教員免許を将来的に大学院修了レベルの資格にするよう、文部科学相に答申したらしい。さすがは、文部科学省の審議会だ。故意か偶然か、みごとに、問題を履き違えている。
いじめ、不登校や学力低下などに対処するためだといる理屈のようだが、これらと大学院で教育を行うことについて、なんらの因果関係も見いだせない。教員が大学院を出たからと言って、いじめを減らせるのか。そもそも、いじめとは犯罪であり、警察に任せるべき仕事である。不登校にしても、多くはいじめの問題とも関連があるだろう。犯罪を犯す生徒には、きちんと罰を与えることができない限り、いじめはなくならない。
学力の問題にしても、高校レベル程度なら、教師が別に大学院に行かなくても十分教えられるはずだ。教師の学力レベルが高いことにこしたことはないが、果たして、大学院で学ぶことが、そのまま学校現場で役立つのか。
結局は、お役所が予算をぶんどり、権限を強化したいだけという下心が覗いているような気がするのは私だけだろうか。でも、金の使いどころはそんなところではないだろう。
今行うべきは、子供たちの科学離れを防止し、日本が再び技術大国として世界に羽ばたけるようにすることだ。そのために、教育として何ができるのかをまずかんがえるべきではないか。
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