タイトルの、「ふかふかダンジョン」は正式名称を「深き不可知の迷宮」という。主人公のジャンは元日本人の転生者である。そうこの作品は、異世界転生ものに分類されるだろう。
しかし、多くの異世界転生ものと違って、魔法もチートもステータスも神様による説明もない。あるのは、モンスターとダンジョンと危険だけなのである。だから主人公がチートな能力を使って無双できる訳ではない。地道に自分を鍛えて強くならないと、このような異世界ものでは雑魚扱いされるゴブリンでさえにも簡単にやられてしまう。しかし、彼には、剣も槍も弓も才能はないようだ。でも鍛錬好きなので、結構強いようである。
だが彼は冒険者になって、北の暗黒大陸にあるというふかふかダンジョンの攻略を目指す。多くの冒険者にとって、このダンジョンを攻略することが夢になっているのだ。ジャンが冒険者になったとき、A級パーティ「先導者」のガイドで「ふかふかダンジョン」を軽く案内するという「ダンジョン体験会」が実施される。この「先導者」には最強の女性冒険者といわれ、「剣姫」の二つ名をもつカタナがいる。今回のダンジョン体験会を発案したのも彼女だ。
冒険者は通常F級から始まるのだが、女性冒険者にはZ級というのがある。これはパーティ内娼婦兼雑用らしい。これには理由があり、いざというときに仲間を抱えて逃げられるくらいの筋力がないといけないということのようだ。だからよほどのことがないと、女性をメンバーにしようと言うパーティはない。
異世界ものというと魔法あり、チートありであまりリアルなものは少ないのだが、この作品のようにヘンにリアルな設定は珍しいだろう。出てくる女性冒険者もなかなかかわいい。
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