文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

学園物の乙女ゲームの世界に転生したけど、チート持ちの背景男子生徒だったようです。1

2023-06-30 10:14:03 | 書評:その他

 

 これもなろう系転生もののひとつだ。主人公は、ホームセンターでバイトをしていた健太という青年。あるとき妹の茜と一緒に事故にあい、貴族制のあるこの世界に転生してケントという平民として暮らしている。彼が貰ったチートというのは、ホームセンターの注文端末であるタブレットを神様からもらって、そこで売っているものなら、こちらの世界で買うことができるのだ。この「買う」と言うのがミソで、只で手に入る訳ではない。また、ホームセンターで売っていないものは買えないのだ。

 年齢=彼女のいない歴のケントだが、こちらの世界ではなぜかモテモテ。ケントのバイト先のパン屋の女主人マリーや、男爵令嬢キャロ、果ては悪役令嬢のはずの公爵令嬢ジョゼットまでケントに好意を寄せてくる。

 ところで、このジョゼットさんとっても可愛らしいのだ。見た目は美人だが釣り目ぎみで気が強そう。でも実際は優しくって、ケントに夢中。そう悪役令嬢どころか、可愛らしいツンデレキャラなのである。すぐデレ中心になるようだが。

 実は、妹もこの世界に転生してきているのだ。この第1巻でも出てきているのだが、まだ正体は明かされていない。

 この世界では基本的には1夫1妻制なのだが、貴族になるか、高額納税者になれば複数の妻をもてるらしい。果たしてケントは、取り巻く女性たちと幸せに暮らすのか、それとも後ろから刺されるのか。なお、原作の方はなろうでも18歳以上用のノクターンノベルズに入っているので、そっちの方に興味がある人は、このコミック版ではどうなるんだろう?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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宮廷鍛冶宮廷鍛冶師の幸せな日常

2023-06-28 09:48:39 | 書評:その他

 

 これもなろう系異世界ものの作品。主人公はフェイクという青年。世界一の鍛冶師を目指している。元々は地方で鍛冶屋をやっていたが、宮廷魔術師にスカウトされた。ところが、彼が働くことになった鍛冶課というのが超ブラック職場。そこのトップのモルガン以下がとんでもない無能。そして自分たちの無能ぶりを棚にあげて、フェイクを無能呼ばわりして、殴る蹴る、給料のピンハネ、とんでもない量の仕事を押し付けられて休みなしでで、碌に睡眠時間も取れないフェイクは倒れる寸前。しかし辞めると、鍛冶師資格を剥奪され、この国で鍛冶はできなくなる。

 そんな彼に救いの手を差し伸べたのが、隣国の公爵令嬢アリシア・バーナスト。好きな人と結婚したいので、自分の婚約者を装い沢山の婚約者候補の風除けになって欲しいというのだ。アリシアの家は公爵家とはいえ、元々鍛冶の家系なので、有事の際に、火事ができるように誰かが鍛冶師の血を取り込むらしい。純粋に鍛冶の腕が優秀であれば、身分とかを気にせず誰と結婚してもいいというのだ。実はアリシアの好きな人というのは、フェイクなのだが、にぶちんのフェイクは気が付かない。

 ここから読み取れるのは次の二つ。自分より上の能力を持っている人のことを正しく見ることはできないということと、人を育てるにはやり方があるということ。モルガンたちのやり方では絶対にメンバーは育たない。それにしても隣国の侯爵家が鍛冶の家系というのが面白い。また、モルガンは騎士団長の剣にエンチャントし直す(フェイクの仕事を横取りして)ことになったが、果たしてどうなるのだろう? まあ、流れとして、大失敗するのが目に見えるが。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 180 罠

2023-06-26 14:05:22 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 銭形平次というと、テレビドラマでは毎回投げ銭をしているので、いつも銭を投げているイメージがあるが、原作を読んでみると、たまに投げ銭をすることもあるが、多くの話では、銭は投げていない。この話でも、投げ銭の場面はない。

 さて事件の方だが、六本木の大黒屋清兵衛のせがれ清五郎が殺された。大黒屋清兵衛というのは、香具師(やし)から身を起こし、今では地主や高利貸を営んでおり、土地の顔役になっている男だ。

 この大黒屋清兵衛のところに、恩や義理のある香具師仲間の大親分星野屋駒次郎の忘れ形見のお北、お吉という二人の娘が掛り人として暮らしていた。本来なら、この二人の娘はお客様扱いで大切にされるはずだが、姉のお北が美人だったため、清兵衛の女房のお杉が嫉妬し、今では女中以下の待遇をされているという。

 とことで清五郎の殺され方だが、二人の寝ている二階の窓の下で、修復用の足場の真下で、胴から首へ長脇差で貫かれていたという。

 平次は、このままでは、姉のお北が大黒屋の家のあたりを縄張りにしている中ノ橋の金太という岡っ引きに縛られてしまうという妹のお吉の訴えで事件を調べ始めるのだが、いつも通り腰が重い。平次は岡っ引きのくせにかなりの出不精で、なかなか腰を上げないのだ。しかし、可愛らしい娘の訴えに思い腰を上げたという訳である。

 ところで銭形平次で迷探偵役というのは、テレビドラマではもっぱら、三ノ輪の万七の役割だが、この話では、中ノ橋の金太というわけである。

 そうこうしているうちに、大黒屋清兵衛も殺されるのだが、平次は、見事に事件の謎を解き明かす。平次の特徴は、「真犯人はおまえだ」とか「真犯人を捕まえるのが俺の仕事だ」とかいうような、いかにも今の刑事ものの登場人物が言いそうなセリフを言わないことだろう。どこまでやるかは彼なりの美意識があるようで、この作品でも、ほどほどのところで事件から手を引いている。刑事ものやミステリーの多くでは、たとえどんな訳があろうと真犯人を捕まえるのだが、平次は事件の真相は解き明かすものの、事情次第では見逃したりする。これも平次の魅力だろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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2人だけのオフ会に大人なおねえさんがきた 3

2023-06-24 09:04:52 | 書評:その他

 

 このシリーズも多分これが最終巻。ゲームのオフ会を二人でやることにしたのだが、やってきたのは、綺麗で、大人のおねえさん。ゲームでのハンドルネームは、「師匠くん」と「アルルンさん」。ちなみに、「アルルンさん」の本名は白石さん。年齢は不明だが、仕事での後輩がいるようなので、新卒という訳ではないようだ。でも師匠くんは大学受験生なので、アルルンさんの方が確実に年上。つまり年上きれいなおねえさんに恋する高校生のラブストーリーというわけだ。

 おねえさんのしゃべっている九州弁(著者が福岡県出身なので、多分博多弁)もポイントが高い。元はツイッターに連載していた漫画らしいが、師匠くんはセリフのみで、ほとんどアルルンさんだけが画像として登場している。

 師匠くん、アルルンさんのことを「大好きな人」と母親に話しており、「合格したら付き合ってください」と告白。アルルンさんも師匠君のことを好きなようだ。告白の返事はっちょっと曖昧だが、師匠くんの合格発表後や2年後も二人はあっているので、たぶん二人の仲はうまくいっているんだろう。

 アルルンさんの表情がなんとも可愛らしい。こんなおねえさん彼女ならいいという人も多いのでは?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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勇者パーティから追放されたけど、EXスキル【固定ダメージ】で無敵の存在になった(1)

2023-06-22 09:39:38 | 書評:その他

 

 この作品を一言で言えば、なろう系異世界復讐ものとでも言うのだろうか。勇者パーティに所属していたクロムは、聖女イリーナと結婚する約束をした。ところが、仲間だと思っていたパーティメンバーから手ひどい裏切りを受けてしまう。魔力が使えなくなった変わりにEXスキル「固定ダメージ」に目覚め、裏切りものたちに復讐を果たしていく。

 この手の作品には、勇者パーティというものはクズの集まりに描かれることが多い。この作品に出てくる勇者パーティも例に漏れずクズの集まりだ。

 主人公は、元パーティの連中に復讐をしていくのだが、この1巻では、戦士ライオットと聖女イリーナに復讐を果たす。しかし、勇者は神が選ぶという設定だ。なぜ神様なのに、こんなクズを選ぶのだろう。もっとちゃんとしたやつを選べよと思ってしまう。

 ライオットもイリーナもクズ中のクズと言った連中だ。そして、イリーナはそれに加えてビッチ中のビッチ。自分が成りあがるためなら平気で股を開く。クロム君、惚れた弱みでビッチということに気が付かなかったんだろうな。もっと人の心の奥底を読めるようにならなくっちゃ。でもイリーナへの復讐が彼女を魔獣に変えること。でもどこか愛嬌があるのではないだろうか。ビッチはビッチらしくもっとおぞましく描いてもいいのではないかと思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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里村さんの欲望ダダ漏れごはん

2023-06-20 11:44:30 | 書評:その他

 

 里村優子さんは富山県出身の、丸の内で働くOLである。丸の内でOLというオシャレな暮らしにあこがれていたのだが、オシャレな同僚とオシャレな街でオシャレなランチを食べるといういかにも丸の内のOLらしい暮らしが実は不満。オシャレなランチは、とにかく量が少ないのだ。実は里村さんはがっつり食べたい派。とてもそんな量の少ないオシャレなランチではがまんできないのである。

 給料日前も金欠なので、とてもお店で食べるような余裕はない。そこで、里村さんがやったのは自炊すること。自炊なら、安いお金でがっつり食べられるのだ。それも同僚の目がないところで。

 本書は里村さんの作る14の料理とゆいとめいという双子の姉妹のつくる昼ご飯を描いた2つのおまけ漫画。里村さんの飼い猫の太郎丸を描いた書き下ろし漫画から構成されている。

 里村さんの作る料理で興味が湧いたのは「コロッケ丼」。コロッケを使った丼であり、どこか市川さんの別作品「どんぶり委員長」を連想させる。実は里村さんには千葉に嫁いだ姉がおり、甥っ子を預かることになったのだが、その時つくったのがコロッケ丼である。姉はコロッケ大好きなのだが、料理は大の苦手。妹の方は中高と未来の花嫁修業ということで料理クラブに入っており、料理は得意。彼女たちの母親が、コロッケ大好きな姉と、コロッケに飽きた妹のために考えた料理らしい。これなら手軽に食べられるので機会があれば作ってみようか。

 最近主流の美少女が出てくるような漫画ではないが、里村さん、なんか好感度が高いキャラなんだよなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

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Sランクパーティーを無能だと追放されたけど、【鑑定】と【治癒魔法】で成り上がり無双 1

2023-06-18 08:31:16 | 書評:その他

 

 これもなろう系異世界もののひとつだ、追放もの、ざまあものでもある。追放ものの場合は、ほぼ追放した方はクズだと決まっているのだが、この作品もその例に漏れない。

 ニグリスは、突然、属していたSランクパーティ「銀の翼」を追放される。リーダーはアゼルというクズ。もちろん、二グリス以外の連中も、もれなくクズである。成り上がり志向の「銀の翼」の連中の眼には、二グリスは無能と映っていたのだ。銀の翼の連中は二グリスの持つ「鑑定」の能力を利用する気が満々だったのだが、彼の能力の神髄は「鑑定」の力だけでなく、それに裏打ちされた「治癒」の力にあったのだが、「銀の翼」の連中には分からない。なにしろ一瞬でダメージを治療することができるのである。

 もちろん、二グリスを追放して以降の銀の翼は、落ち目街道まっしぐら。一方、二グリスの周りにはどんどん有能な人間が集まってくる。元奴隷だったエルフのフェリス、才能がないとして差別されているニーノ人の天才魔導士アリサ、貧民街の女帝フローレンスなど。

 本当の無能は「銀の翼」の面々であり、有能な人に助けてもらって成果を上げていたのに、それを自分たちの力だと勘違いする。そして真に有能な人を迫害しだす。無能な人間ほど、その人個人を見ずに、出自などで決めつけてしまう。現実でもよく聞く話だ。正確に自分や人の力を把握できる人間になりたいものである。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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追放された悪役令嬢は断罪を満喫する(1)

2023-06-16 08:10:48 | 書評:その他

 

 これもなろう系異世界悪役令嬢婚約破棄&追放もののひとつである。ヒロインは侯爵令嬢のディアナ=アメティス。転生者で、元日本の公務員。気が付けば自分が嵌っていた乙ゲーの世界に転生していた。だからストーリーがどう展開していくかも知っている。卒業パーティの席で、学園での所業が目に余るということで王太子から断罪され、平民落ちのうえ娼館送りを申し渡される。もちろん、愛人の男爵令嬢の嘘とイチャイチャしたい王太子によっての冤罪である。その男爵令嬢は王太子の側近たちも攻略して、なぜか逆ハーレム状態になっている。

 追放した元婚約者を娼館送りにするというのは他には知らない。大体が国外へ送るというものが多いが。もっともこの娼館、オーナーは自分なので、大した被害はなかったのだが。ディアナは先の展開がどうなるかを知っていたので、あらかじめその娼館を買っていたのである。

 一連のことは、王や王妃、侯爵家当主などのいないときを見計らって王太子が独断でやったことなので、手続き上大きな問題がある。この手の作品に出てくる王太子というのは、大体がアホなのだが、この作品も例に漏れずアホだ。

 王も王妃もまともな人なので、大体アホ王太子の運命は想像できるのだが、それならなんでこんなアホを王太子に選ぶのかという問題がある。やはり実力主義でないと、国が亡びると思うのだが。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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一杯の魂 1―ラーメン人物伝

2023-06-14 08:46:30 | 書評:その他

 

 この作品を一言で表せば、ラーメンにかける男たちの物語というところか。そう男たちなのだ。女性が出てくるものもあるが、どちらかと言えば主人公のサポート役である。だから一言で感想を表せばとにかくアツ苦しいのだ。「いやアツくなければ冷麺やん」と突っ込んではいけない(笑)。本書は全7話で構成されているが、最後の支那そばやの佐野実さんだけは2話に渡っているので、実際に登場するのは店舗と6軒と店主6人だ。

 出てくるのは、いかにして彼らがラーメン屋を始めたかという物語。そこには、色々な人生ドラマがある。ちょっと興味を引かれたのは、板倉洋考さんのぜんや。板倉さんの前職はなんと通産省(当時)の役人だそうだ。ここに東大法学部卒のエリートというバカ上司が出てくる。有給をとって母親と結婚する人といっしょに父親の墓参りをしようとしているとき、そのバカ上司から電話がかかってくる。「どうして出勤時間に出てこないのか」という。「今日は有給をとって墓参り」と答えると、「言い訳はいいからすぐに出てこい」とのこと。このバカ、有給の位置づけも知らないらしい。どこがエリートやねん。お前は自分を神様とでも思っているのか。ともあれ、この事件がきっかけで、板倉さんは役所を止める決心をする。やめるなら訴訟を起こしてもいいと思うが、さすがにそこまではしなかったらしい。婚約者は役所を辞めてラーメン屋をやることに、直ぐ賛成したとのことだが、母親は大反対。なんと1か月も口をきかなかったらしい。

 支那そばやの佐野実さんはテレビで視ることもあるので知っている人も多いと思うが、結構な強面である。でもラーメンに対するこだわりはすごい。室温が上がると麺が変化するからエアコンの温度設定は変えられないとか、カレーやビールはラーメンに合わないとか、騒ぐなら帰れとか言うのだ。

 「たかがラーメン」という気もしないではないが、そのラーメンにかける人たちがいるのだ。「されどラーメン」というところだろうか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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学校や塾へ行かずに、いかにして4人の子どもたちは独学力を身につけたのか?

2023-06-12 09:40:57 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 

 本書は、京都大学文学部卒で大阪生まれで高校卒まで大阪で育った著者が京都府内唯一の村である南山城村の童仙房集落に移住し、4人の子育てを行った記録である。年齢や子供たちの性別は良く分からないが、たぶん学部は違えど大学では私の後輩になるのだろう。小中高は地元の公立(有名進学校ではない)に通ったというから、この辺りも私と同じだ。もっとも私の場合は田舎育ちなので殆ど選択肢がなかったのだが。だから少し親近感が湧く。

 子育ての一番の特徴は、ホームスクーリングということだろう。ホームスクーリングとは学校に通わず家で勉強することである。4人の子供の誰一人、小中高に通ったことがないという。現在まで第一子は三重大学に通っているとのことで第二子は、京大目指して勉強中のようだ。

 ここで一つ疑問がある。どうして子供さんは通信制大学に行かなかったのだろう。大学を通信制で済まして大学院に入る道もあったのだ。柳川範之さんのように高校は独学で大検を取り、大学は通信制、それでも東大教授になっている人もいるのだ。そうすれば浪人などと言う回り道はしなくても済んだと思う。そして残念なことに日本では同じ大学でも、大学院へ行く方が学部へ入るより楽なのだ。多分そういった考えが頭に浮かばなかったんだろう。

 著者が勧めているのは漢文の素読。昔の教養人は漢文の素読で鍛えられたというのだ。わが国のノーベル賞第一号の湯川秀樹さんが漢文素読をしていたのは有名な話だ。だが、元々優秀な人が漢文素読をしていた可能性もある。素読で学力が上がったかどうかは良く分からないのだ。多分素読をしていても、教養が身につかなかった人が圧倒的に多いのではないだろうか。もう一つ著者が勧めるのは小さいころの昔話の読み聞かせ。現代的にアレンジされて毒を抜いてあるのはだめだそうだ。実は昔話の毒は毒ではなく深遠な知であるというのだ。だから毒を抜くと、弊害の方が多くなるのである。

 独学力をつけるという考えには賛成だ。結局学問は独学力なのだ。人から何かを教えてもらうことが当然と思っているようなら、まず大成はしない。私自身、誰かに何かを教えてもらったという記憶がほとんどない。今は小さなころから塾に通って、なんでも教えてもらうという態度の子が増えている。日本の将来は大丈夫かと、ものすごく心配になってくる。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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