本書は、いわゆる異世界ものだ。しかし、普通の異世界物と違う。異世界ものは、主人公が異世界に転移または転生して、無双しまくるというものだ。この作品もその系譜を継いでいるのだが、主人公が転生してなったのは、なんと魔法少女の杖。だからいくら強くても、自分では動けない。魔法少女をパートナーにして力をふるってもらわなければならないのだ。
主人公は新見黎次。アニメの魔法少女ルルナが大好きな大きなお友達。トラックに轢かれそうになった後輩の娘を助けて命を落とし異世界に転生する。トラックに轢かれて異世界へというのは、異世界もののお決まりパターンになっているのだが、この作品でもそれを踏襲している。
そこで、主人公が出会ったのが、二次元のルルナを三次元にしたようなワルプルガという少女。新見は、この少女を魔法少女にして、敵と戦うというのが基本的なストーリーだ。ワルプルガが魔法少女になるとき、今まで何を着ていても、魔法少女のコスチュームになってしまう。これが露出度が高め。ワルプルガの恥ずかしがること。
ところで新見を異世界に転生させた人物だが、よくある女神さまという設定ではないようだ。果たして彼女の正体は?
新見がワルプルガに洗われたとき、あんなことやこんなことをされて、元の姿に戻ってしまう。果たしてこのあとどう展開するのだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。