本書はイギリスの伯爵令嬢のクリスティが大活躍する物語である。クリスティは今は伯爵令嬢だが、父親が公爵家の跡取りなので、公爵令嬢にレベルアップするのはほぼ決まっている。
おまけに父親がヴィクトリア女王の最後の子供なので、ヴィクトリア女王の孫と言う訳だ。そして母方の伯父があの名探偵シャーロック・ホームズという設定なのである。だから物語自体も、シャーロック・ホームズの物語をモチーフにしている。でも主はあくまでクリスティで、ホームズはわき役と言った風である。
このクリスティ、とっても可愛らしいのだ。今は美幼女と言った感じだが、美少女から美女へとステップアップするのは目に見えている。でもクリスティは幼いながら、しっかり女性の権利のことを考えている。ただこれからいろいろ勉強しようとするところは歳相応というか、年が若いため幾らでも未来があるというか。とにかくがんばれと応援したくなる。
本作のモチーフになっているのは次の2作。「The Adventure of the Solitary Cyclist」「The Adventure of the Dying Message」である。後者については、ホームズシリーズの中に見当たらなかった。
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