晴れ、17度、54％
主人は飛行機に乗る前に必ずメッセージを入れてくれます。飛行機は定刻だとか、プロ野球の誰それと同じ便だとか。成田から乗るときは空港内の「千葉マルシェ」でお野菜を買って来てくれるので何の野菜を求めたかを知らせてくれます。
先日、成田からくれたメッセージ「ほうれん草とおカブを買いました。それに香水もお土産に。」時計を見ると、主人の飛行機はすでに飛んだ後です。何の香水を買ったのか聞くことができません。何か悪い予感がします。そうです、もしかしたら私の苦手なシャネルの5番かもしれない。悪い予感は頭の上に垂れ下がっています。
モモさんの熱烈歓迎を受けて主人が戻ってきました。いつものごとくモモさんと二人でトランクの横に座ります。ほうれん草やおカブを台所に持って行きトランクの横に戻ってみるとドーンと置かれています。やっぱり悪い予感は当たりました。シャネルの5番です。主人には私がシャネルの5番が苦手なのは伝えていませんでした。「ありがとう。」と言ったものの溜まる一方のシャネルの5番です。主人、「一番新しいのだよ。」と誇らしげ。確かにひと月ほど前に新しいシャネルの5番が出ていました。でも苦手ですから、試そうとも思いません。
翌日このシャネルの5番の箱と向き合って考えました。どなたかに使ってもらおうかな？よく見ると新しいシャネルの5番の名前は、L’EAU「水」です。夏に私が好きな香水はシャネルの「緑の水」です。「水」という言葉に惹かれますが、封を切ったら人にあげるのも失礼です。そこで、シャネルの化粧品売り場に出向きました。真っ直ぐに香水売り場に行き、お姉さんに「一番新しいシャネルの5番を匂わせて。」と頼みました。かすかに5番のようなにおいですが、やはり「水」です。
ご覧のように透明な「水」です。ところがつけてしばらくするとフッと香ります。本当にフッと。体を動かしたり髪が揺れると、またフッと。「ああ、こりゃあいいわ。」とその晩からおやすみ前にシュッと吹きます。
シャネル、今までの「5番」と「チャンス」はとても苦手です。若い頃と違って、キツイ香りに耐えられなくなっています。「水」という発想の香水、「水」と名前を持つ香水。私自身を楽しませるための香水です。この「水」とっても気に入りました。季節を問わず使えるように思います。
