雨、19度、77%
日本の家にオーブンが入ってからもう2年が経ちます。ふた月に一度帰るたびに簡単なパンを焼いていました。そういっても、パン型もお菓子の型もありません。一番厄介なのは計りがないことです。まあ、主婦歴だけは長いので適当に目分量です。この家でパンやお菓子を焼くのはかなり夜遅く、日があるうちはフル回転しています。ですからワイン片手に目分量、いい加減なものです。
今回、帰る前から新しいシフォン型を注文しておきました。手持ちのシフォン型は24センチ径、もう20年以上使っています。大きなシフォン型ですがあっとう間に食べあげます。でも、人様にシフォンケーキをプレゼントするには大きすぎます。そこで求めたのは17センチのシフォン型です。
卵と粉とお砂糖、お水にオリーブオイルだけのシンプルなシフォンケーキ、決して膨張剤は入れません。日本の卵は卵の匂いがします。きめ細かい泡がプクプクと盛り上がってきました。目の細かいザルなどないのでボールより高いところから粉を振り入れます。 オーブンの中の様子が手に取るように見えます。型一杯に膨らんだ頃からお菓子の焼ける匂いです。シフォンケーキは潰れないようにオーブンから出すとすぐに逆さにして完全に冷まします。香港の家のシフォン型はそれ用に足が3本付いてます。この日本製の型は足無しなので、空いたワインの瓶に穴を突っ込んでそのまま休みました。
翌朝、型から外します。 なかなかいい色に焼けています。型から外す時に出たクズを味見に食べてみます。うーん、あまり甘くない。ふかふかのきめ細かいケーキパンみたいです。これを薄紙に包んで、おそらくシフォンケーキは食べたことがないだろう義母に届けました。
オーブンを使う度、家の匂いが私の家の匂いに変わり始めています。夜中のお菓子作りは朝一番の手土産に最適です。