曇、18度、85%
道で近所のクリーニング店のお兄さんに会いました。このお兄さん、普段は店の奥で仕事をしています。店頭で受付のおばさんに「この素材、クリーニングで大丈夫ですか?」などと尋ねていると奥から出て来ます。最後に会ったのは昨年の夏の終わり、スカートに得体不明なシミを作ってしまった時でした。「この染み抜きできますか?」と尋ねていると奥からお兄さんが出て来ました。「やってみますが、取れないかもしれません。」
道で会ったお兄さん「こんにちは。」だけで行き過ぎようとすると「髪を切られましたか?」と話しかけられました。「はい。」「短くされましたね、似合ってますよ。」「ありがとうございます。」染み抜きで店で話した時も髪は短かったはずですが、以前に比べれば確かに私の髪は短くなりました。
お兄さん別れて歩くうち、沸々と顔が笑顔になりました。「似合ってますよ。」なんて言われたのは久しぶりです。ご近所のおばさんも、犬の散歩で会う方にも、先月会った主人にも髪の長さのことなど言われたことがありません。しかも30代のお兄さんです。
この私、レジで並んでいる方や乗り物で乗り合わせた知らない方に、バックやコートが似合っていると「お似合いですね。」とか「素敵なコートですね。」と声をかけます。話好きな方など「友人がリホームしてくれました。」とか「この年齢だから明るいものがいいのよねぇ。」などと話してくださいます。お兄さんの言葉でとても幸せな気分になった私は、今まで私が声をかけた方達が同じように喜んでくれただろうかと想像しました。小さな言葉が気持ちを明るくしてくれます。顔も笑みが生まれます。幸せになります。
小さな喜びを連れて来てくれたクリーニング屋のお兄さん、半年前は「染み抜きはできません。」との返事で、スカートは大きなシミがついたまま洗われただけで戻って来ました。あの時はがっかりだったなぁ。
こんなに幸せな気持ちになるなら、これからも似合っている服を着ている人、素敵な帽子を被っている人を見かけたら、「お似合いですね。」声をかけようと思いました。小さな言葉が幸せにしてくれた小さな話です。
見出し写真は小さな「錨草」の花が開きかけている様子です。あといく日待てば開いてくれるのかしら、待ち遠しい。