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晴、12度、86%
「漆」と言うと漆器を思い浮かべます。漆器に塗られている「漆」を日常的に使っています。器が欠けたり割れると「金継ぎ」をします。「欠け」に詰め物をして「漆」で固めて金粉をかけます。その「金色」が器に表情を加えて割れる前よりもいいと思うのは日本人独特な感情のようです。その「金継ぎ」のために「漆」を持っています。
私は「金継ぎ」が苦手です。継いではいるのですが「金」がハゲることがあります。考えてみれば割ったり欠けたりするから「金継ぎ」をするので、割らなければいい、欠けさせなければいいと思うのですが、アッと手が滑ったり、そそっかしい性格なので「割れ」「欠け」とは縁が切れずにいます。
生地の柔らかな「土物」はちょっとした「欠け」をこしらえます。脆いのです。「欠け」をそのままにしていると「水」が染みます。黒ずんで雲のように広がります。それをまた「シミ」と呼んで愛でるのは日本人です。土色がチラチラ目につく「欠け」の補修に「漆」を使っています。赤黒く染まりますが、傷口を塞ぎ大きな「欠け」の時は接着剤の役目もしてくれます。「漆」は湿度の高い中で乾燥させます。 「欠け」に漆を塗り乾燥中。
日本ばかりではなく中国やタイにも「漆器」があります。でも、日本の「漆器」を見慣れた目にはよその国の「漆器」が拙く見えるのは、日本の「漆」の上質さだそうです。「粘着力」「艶」の違いだと聞きました。
このところ「漆」の使用頻度が多くなりました。「いけない、手元が危うくなっている。」と年齢のせいにしています。「漆」はかぶれを起こす場合があります。肌の弱い方には不向きな「接着剤」です。透明な「アロンアルファー」は手頃だし、とは思うのですがつい「漆」に手が伸びています。
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