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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

最後の晩はハイアットリージェンシー

2017年04月10日 | 日々のこと

曇り,14度、78%

 丸々3日、家を空けました。気になるのは病院にお預けしているモモさんのことです。お客様とご一緒ですから携帯の音は消しています。何かの時は連絡をいただくことになっていました。電話は鳴らないまま福岡に帰る飛行機に乗りました。

 最後の晩は400名弱の大きなお集まりです。場所を移してハイアットリージェンシーでした。立食会ではなく着席してのパーティーです。これほどの人数になるとお料理のサーブの仕方が難しいのを幾度も見てきました。前方席、来賓の方達には初めから小皿でお料理が運ばれてきます。後方席の方達には大皿にのった同じお料理を、お好きにお取りくださいといった二部方式が取られていました。

  手前からお刺身、握り寿し、コールドのオードブル。式の流れがありますからこの小皿で運ばれてきた小品は立食にも通じる気安いものでアイディアだなと感心します。メインも一皿に盛り合わせてあります。 タイのポアレ、牛肉のローストは毎食頂きました。私たち夫婦の円卓にはスイスからのお客様がご一緒でした。前菜の時からナイフが出ていないことに気づいていましたが、出てくる様子がありません。日本人ならお箸で済ませるところですが見兼ねてナイフをお願いしました。次に出てきたのが、 エビのチリソースと焼きそば。なんだか面白いメニューです。もちろん締めは、 ホテルらしいプチケーキの盛り合わせ。

 シャンパンもありません。ワインも前日とは打って変わって名ばかりのフランスワインです。簡単なパーティー料理ですが、食事の間中、たくさんの方達とのご挨拶を交わします。横の主人など椅子を温めている暇もありません。それでも二人とも見事な速さでお料理をお腹に収めました。この晩は、食事を楽しむというより、明らかに頭を下げてご挨拶をしていた時間の方が長かったように思います。

 食事が始まる前の日本ならではの鏡開き、主人も木槌を握りました。頂戴した升はたまります。これもまたわが家の歴史です。非日常の三日間でした。

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パークハイアットの夕べ

2017年04月09日 | 日々のこと

曇、14度 東京

 一昨日の夜は,90名のパーティーに出席しました。見慣れたお顔ですが、アメリカ、スイス、ポルトガル、イギリス、中国、韓国からお見えの方たちとご一緒です。皆さんに初めてお会いしたのは20年前ポルトガルだったと記憶しています。数年に一度お目にかかると歳の流れの速さを感じずにはいられません。前回はやはりポルトガルでした。その前は今回と同じパークハイアットでした。朝からずっとご一緒の一日の締めくくりは、ファドを聴きながらの贅沢なコース料理を楽しみます。

  アントレは、生のホタテと思いきや白身魚のタルタルです。アボガドのソースにカラスミがパラリとかかっています。このタルタルねっとりとしてほのかに甘みを感じます。海外からの方、手を付けられない人もおいでです。

 季節の桜エビをからりと揚げた彩りの良いスープは、 アスパラガスです。アスパラガスのポタージュです。アスパラガスとは思いがけず、桜エビの黒々とした目玉までが面白いコントラストです。

 おめでたい席です。鯛に登場願います。 黒鯛のポワレです。おカブと黄色いズッキーニにクミン風味のソースと真っ赤なトマトの酸味が効いた一皿です。

 お肉のメインは、 ランプ肉のローストです。生姜の香りのソースにジャガイモの柔らかなマッシュ、小さなタラノメの揚げたものが添えられています。

 お料理はこれだけ、一日ご馳走を食べるわけですから程よい量加減が肝心です。シャンパンに始まり白ワイン、赤ワイン全てフランスのものでした。

 デザートはふっくらしたグラスを覗き込むようにしていただきました。デコポンのシャーベットです。このオレンジの香りが、グラスの中に立ち上っています。デコポンのシャーベットの下はいちごのジュレ、その下にはマスカルポーネ、所々にクリスピーなクランブルが口の中で不思議にミックスしていきます。

 食後は部屋を移して、ポルトガルから持ち込まれたポートワインをいただきながら遠くスカイツリーの夜景を楽しみました。おごちそうさまです。

 寒い二月の初めに本帰国をしました。モモさん、車まで連れての引越しは実際は半年以上の準備が必要でした。帰国後、引越し荷物を入れ家を整えるためにこのふた月脇目を振らずに働きました。新宿の夜景を見ながら、自分が置かれているこの場所が夢のように感じられます。久しぶりの日本語以外の会話まで耳に心地よく残ります。疲れていた身体も気分の高揚感がかえって和らげてくれたようです。日常でない一日でした。

 雨が降り出しそうな模様です。さあ、モモさんの元に戻ります。帰ったら待ちに待った種蒔きです。私の日常がまた始まります。

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牛久の桜 牛久のワイナリー

2017年04月08日 | 日々のこと

曇、15度 東京

 小雨の降る中、茨城県の牛久に行きました。牛久といえばお相撲の稀勢の里の故郷だということぐらいは、お相撲に疎い私でも知っています。実は主人の会社の新規に立ち上げた工場見学に行きました。早朝から久しぶりにお会いする海外の方たちとご一緒です。例年は会社の式典は秋に行われます。ところが今年はちょうど桜のシーズンです。海外から見えたお客様のお喜び様は殊更です。いえ、この私ですら満開の桜を今年見たのはこの牛久でした。

 工場見学の後、お昼が用意されていました。「シャトーカミヤ」シャトーというからワインを作っているところかしらと思います。大型バスが着いた先にはレンガ作りの建物が見えます。 国の重要文化財、日本初のワイナリーだそうです。日本ワインといえば山梨県の勝沼や北海道の十勝が頭に浮かびます。ところが牛久がワイナリーの日本発祥の地でした。広い敷地内には桜がたわわ、生憎のお天気の中を花見の人たちがそぞろ歩きです。

 ワイナリーの中のレストランではお昼が用意されていました。朝早くホテルで朝食をとりましたから、お昼にはお腹がぐーぐーです。昨日は夜がメインの1日みなさんとご一緒の行動です。お昼間といえども、フルコース。 生の甘エビのアントレ。周りの海外からのお客様も生とご存知かどうかすっとお口に運ばれます。生のお魚介でもこういうセッティングなら違和感なく召し上がっていただけると知りました。お肉料理、 この間にサーブされた桜のパンは仄かな桜色が窓から見える桜と重なります。デザートです。 お腹にもたれないちょうどの加減のお昼です。シャンパンに始まった昼食、白ワイン、赤ワインとサーブされましたが、残念なことに全部フランス産のものでした。やや辛口のシャンパンは心地よく喉を潤してくれます。白ワインも赤ワインもお昼間らしく重たくありません。ついつい飲み過ぎてしまいそうです。いけません、夜の部がありますから控えめに。牛久市長からの提案でワイナリーの特別見学が用意されていましたが、みなさんとの桜の花の下での歓談で行きそびれてしまいました。いつか牛久のワインを味わってみたいと思います。

 今日の夜まで美味しいものが続きます。2日前まで福岡の家の庭に這いつくばっていたのが嘘のようなのんびりした1日を過ごしました。

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小さなクグロフを焼きました。

2017年04月07日 | 日々のこと

雨、16度  東京

 帰国して2ヶ月目、東京に向かいました。飛行機に座って思います。このふた月、お昼間1時間半も座っていたことなどなかったなあ、途端に身体中の疲れが出てきて離陸も知らずに寝てしまいました。行き着く先には、孫娘と息子が迎えに来てくれています。それだけが心をほんのりさせてくれています。

 帰国の新生活、細々と物が必要でした。気がつくといろんなところでポイントが溜まっています。それを利用して求めたのが、アルザツ地方のスフレンハイムの陶器のクグロフ型です。18センチの大きさのはすでに持っています。手のひらに乗る14センチを送ってもらいました。 絵付けが手描きでちょっと雑な感じがかえって好もしく思います。こうして並べては見て楽しんでいました。

 今回の東京行きはお話があったものの、ぎりぎりまで決めかねていた旅行でした。飛ぶ前日どうにか時間を作って、小さなクグロフを焼きました。もちろん、手渡す相手は小さな孫娘です。思ったよりも小ぶりな14センチのクグロフ型です。いつもならラムレーズンを入れるところですが、孫娘のために赤い実のドライフルーツを入れてみました。 手のひらに乗るクグロフです。

 息子一家と夕飯後、ホテルまで眠たいのに送ってくれた孫娘に「おみやげ。」と言って渡しました。ピンクが好きな3歳の女の子、ピンクののスカートにピンクのウサギを連れていました。もうすぐイースターです。包んだナプキンにピンクのウサギがプリントされているのに気付いてくれたかな。疲れはピークだったのにこうして家族といる時間はかけがいのないものと実感します。今度会えるのはいつかな。

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久しぶりにスーツ3着持って旅に出ます。

2017年04月06日 | 日々のこと

雨、17度、65%

 数年に一度、主人の仕事関係の式典出席のためにスーツを持って旅に出ることがあります。物見遊山の旅ではありません。そういえばしばらく家族旅行、純粋に旅を楽しむ旅に出たことがありません。あちこちに旅出来るのでいいですねと言われますが、私にはお仕事です。まして今回は、モモさんがまだ回復期にあるのにもかかわらず行かねばなりません。

 海外ではありません。東京です。たった飛行機で1時間半、それでも行きたくない、モモさんを置いて家を空けたくないと悩みました。モモさんは獣医さんが預かってくださいます。この獣医さんを信頼しているので、やっと思い切りました。

 昨日から東京の気温天気を見ながら服を出してきます。一日中、夜の式典まで人とご一緒です。昼と夜では着替えも必要、手持ちの服は少ないので簡単に決まります。靴はどうしようかな、バックはどうしようかな、やはり一つではと荷物が増えて行きました。朝はまだ寒さが残っているようです。薄手のコートも入れました。最小限の装身具も揃えて入れました。そこで、困ったことが起きました。出してきた数少ない指輪です。ちょっと指を入れてみたところどれも第二関節からはいりません。このふた月ほどの庭仕事、家の釘打ちなどの力仕事で関節が太くなってしまっています。確かに両手はよく働いてくれました。手が指がここまでしっかり仕事をしてくれなかったら家は片付かなかったと思います。サイズを大きくしてもらうには時間がありません。仕方ない、今回指輪無し、人様の前では出来るだけ手も節くれていますから出さないようにしようと決めます。

 引越しの準備を始めてこの半年、私の日々のユニフォームはGパンとセーターやシャツでした。この4日スカートだけで過ごすかと思うと心もとなく感じます。お行儀だってよくしなくてはいけません。一時も早く家に帰ってきたい、行く前からそんなことを思います。

 よく働いてくれた両手を見ながら誇らしく思います。朝ごはんを食べて寝てるモモさんの寝息も穏やかです。4日間の辛抱ですよ、モモさんもお家も待ってくれてますよ、真奈さん。

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梁を磨く 柱を磨く

2017年04月05日 | 日々のこと

曇、14度、60%

 お天気がいい日は庭の地面に這いつくばって、地道な土木作業に勤しみます。地面に幾重にも這っているツタの根を切って石垣を数年ぶりに日の目に当ててやります。ツタは恐ろしいとつくづく実感する毎日です。雨が降り出すと家の中のことを始めます。

 みずめ桜の家具たちは長年の手入れができてない上に、改築中預けた倉庫でカビをつけて帰ってきました。カビがついた家具のカビを取る、その匂いも取る、やっと見られるような艶を持ち始めています。家具の隅っこにかすかに匂っていたカビの匂いも薄らぎました。手を休めてふと天井を見ると大きな梁が渡っています。ああ、あれも拭いてやらなくては。

 座敷だったところは回縁、2面がガラス張りでしたがその一面を壁にして閉めました。その回縁の天井と壁の間に大きな木が一本、つまり2面ですから計二本渡っています。2面がぶつかり合うところの天井です。 窓を閉めた方から見ると、 こんな具合です。この二本の横に渡っている木は床柱と同じ種類ですが太さがあります。本来は艶のある木なのに白く煤けて見えます。脚立を出してきて力を込めて拭きあげました。1度きりでは物足りず後日また脚立に登って拭きます。長く誰も拭いたことがなかったほどの埃でした。ついでに、 床柱もさほど高くないところの梁も拭きます。拭いては下から見上げます。人が見ても拭いても拭かなくてもさして変わらぬはずですが、家の汚れが落ちて行くと胸がスッとします。2面にある欄窓の細かい桟も拭きました。

 マンション住まいと違って手のかかることばかりです。そんなこと重々承知のことです。手をかけると家も庭もそれに応えてくれます。今まで怠った分の穴埋めです。見出し写真の天井は4メートル以上あります。流石にそこに渡っている梁を私は拭くことができません。サーカス並みの技です。

 私の気力と体力が続く限り庭も家も手をかけてやりたいと思います。帰国してふた月になりました。ツタの根っこを切りながら、梁をゴシゴシ拭きながらいつになったら本が読めるかなあと思います。あと一踏ん張りすれば、お昼間ベットにゴロンとなって本を読める日がくるはずです。長くご無沙汰していたこの家がだんだんと私の手のひらに収まって来ています。

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チキンとロマネスコのカレー

2017年04月04日 | 料理

晴、9度、71%

 夕方散歩の途中でよそのお宅の台所からにおってくるカレーの匂いは、なんとも食欲をそそります。「早くお家に帰ってご飯を作ろう。」と頭の中はカレーの準備を始めます。

 固形カレーの素を作ったのは日本人、独特のとろみと香りです。固形カレーも嫌いではないのですが私が作るのはほとんどインドカレー。東南アジアはカレーの種類が豊富です。ココナッツミルクがベースのものも要するにスパイスのミックスされたものがカレーでしょうか。ベトナム、マレーシア、タイ、カンボジア、似ているようでその土地の気候や好みを反映したカレーです。

 インドも北と南ではカレーが違うように思います。ココナッツミルクを使わない北のカレーが私の基本です。玉ネギ、トマト、クミン、生姜、ニンニクのカレーのベースを作ってあとは合わせるものによってスパイスを足していきます。そのスパイスの分量も種類も私のその時の気分。要するにいい加減なカレーです。このいい加減なカレーが無性に食べたくなるから不思議です。

 チキンは冷蔵庫にあるけどお野菜はなんにしようかな、見つけたのは甘みの少なくなったロマネスコです。甘みが少ないから強烈なカレーにはもってこい。玉ねぎは赤タマネギが売っていないので新玉ねぎを使います。赤玉ねぎは普通の玉ねぎのように辛味が強くありません。新玉ねぎの優しさに似ています。

 お家の中の匂いが急に変わります。様々なスパイスが広がるように香ってきます。その匂いに誘われてモモさんも台所の番にやって来ました。あとはプラオライスを炊くだけです。大事に引越しの荷物に隠して持って帰ってきたバスマティライスをサフランで色と香りをつけて炊き上げました。 日本はお米を個人が持ち帰ることが認められていません。私は自分が食べるためのお米です。ほんの少し荷物に入れました。バスマティライスの持つ香りとサフランの香りがカレーを引き立ててくれます。

  私のいい加減カレー、ひとくち口に含んで思います。いつもの私のカレーです。いつもの私の味です。なんでいい加減に作ってもおんなじ味になるのかな。お待ちかねのモモさんには玉ねぎを拭ってチキンを少し。「おいしいね。」

 

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庭の鳥

2017年04月03日 | 

晴、6度、84%

 日本に戻ってきた2月の初旬、我が家の庭の梅の花が咲き始めていました。古い梅の木は伸び放題、その木に何羽いたでしょうか、ウグイスが群れていました。綺麗な声で鳴いていました。程なく引越しの荷物が着きました。荷解き、家の整理とゆっくりウグイスと梅を愛でる間も無く、梅は散りウグイスは庭から去って行きました。

 幹線道路も近い住宅街の一軒です。以前は木が鬱蒼と伸び放題の庭でした。今では残した木の数は少なくさっぱりと日差しが入ります。家の片付けがひと段落した頃のこと、座敷の雨戸を繰ると目の前の蹲に仲良く水を飲んでいるつがいの鳥を見つけます。鳩より小さく、スズメよりははるかに大きな鳥です。主人に尋ねると。「ムクドリだよ。」と教えてくれました。

 家の中から庭を見るのが楽しくなりました。ムクドリは座敷の方の庭にしか姿を見せません。スズメたちは居間の方の庭にもやって来て実が膨み始めたビワの木に留まっています。ムクドリと同じくらいの大きさの別のつがいもやってきます。長いこと人が住んでいなかったこの家です。鳥たちは好き勝手に庭で遊んでいたのかもしれません。人影には敏感に飛び去ります。ムクドリを見て以来、座敷の庭にパンをちぎって投げておきました。次に見るとすっかり無くなっています。かれこれひと月、庭の鳥たちは、朝雨戸が開いてしばらくすると、パンが撒かれていることを勉強したようです。パンを持ってガラス窓から外を見ると、高いマキの木の枝にムクドリのつがいが留まっています。私を待っているようです。

 蹲に面した縁側の椅子に座っているときは決して寄ってきません。私がいなくなると、蹲の水を飲み、撒いてあるパンを食べているようです。蹲に一羽しかムクドリがいないので探して見ると、マキの梢にもう一羽が留まっています。 葉陰の隠れています。昨日はたくさんのスズメとムクドリのつがい、別の鳥のつがいがパンをつついている姿を見ました。この庭の鳥たちも私に少しずつ慣れてくれると思います。緑と鳥と花と私の庭を作ります。

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コーヒーに目覚める3月

2017年04月02日 | 日々のこと

雨、7度、90% 雷

 昨年の3月、ちょうどお雛様の頃でした。まだ雪の残る軽井沢に出かけました。軽井沢は、3月初旬はまだ冬眠中です。駅から続くメインの通りのお店もほとんど閉まったままでした。はるばる香港まで私に会いに来てくださった方、当時大事な犬を思いがけず亡くされた方、このお二人に会いに行きました。朝早く東京を出て、その日のうちに東京に戻ります。そんな私は開いている数少ないお店でお昼をご馳走になりました。

 そのお店はハワイアン料理のお店です。お客さんなんて私たち3人だけ、いえ、犬も3匹。おじさん一人が働くお店です。最後に運ばれて来たのがコーヒーです。おじさんは気取りのない慣れた様子で自分が淹れたコーヒーをテーブルに持って来てくれました。ぽってりと厚いカップに入ったコーヒーでした。その何気ないコーヒーを飲んだ途端、なんて美味しいのかしらと思いました。ハワイアンのお店ですがコナコーヒーではなく、軽井沢で有名なミカドコーヒーでした。

 香港に戻った私は、早速自分用のコーヒーを入れる準備を始めました。ケメックスのドリッパーを買ったり、おいしいコーヒー豆のお店を探してみたり、軽井沢の友人はミカドコーヒーまで送ってくださいました。そのうち、引越しの準備が始まりました。私にとっては大きな仕事でした。ゆっくりコーヒーなんて思っていられない半年でした。

 日本に帰って来てこの3月、60歳の誕生日を迎えました。香港から主人がわざわざ戻って来てくれました。お夕飯は福岡でも老舗のフランス料理です。なんだか気取ったお店よりビストロの方がお腹いっぱいになるのになあ、と品良くいちいち注釈のつく料理をパクパク食べました。向かえで見ていた主人が言ったことです。「一口でパク。よほどお腹が空いていたんだね。」確かにおいしいし見た目も綺麗です。何か物足りない、そんな思いの最後の最後に出て来たのがコーヒーでした。普通サイズの薄いカップに入っていました。一口飲んだだけで、今まで食べたもの飲んだものがすっと身体に落ち着くのを感じます。頭の隅っこがすっきりとするのを感じます。

 翌朝起きても記憶に残るのはあのコーヒーばかりです。主人が自分のコーヒーを豆を挽いて淹れていますが、その香りとは違います。以来この半月、あちこちのお店で豆を買ってはあの時の味に近いコーヒーを求めて淹れてみます。深い香りとあとをひくまろやかさ、酸味は少なめが好きなようです。豆を挽く時間、落とす水の量、飲むのは私ですから自分の好みで淹れます。少しずつ、思うようなコーヒーが淹れれるようになりました。ミルクを差しますが、主人が冷たいミルクは嫌だと言っていたのも頷けます。ほんのりミルクが香るくらいに温めて。

 自分の生まれた3月にコーヒーをと思う気持ちが2年も続いて起こります。コーヒーが私のどこかの感覚を呼び起こしてくれているようです。一杯のコーヒーを味わう余裕も出来始めました。

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カーナビをつけてもらいました。

2017年04月01日 | 日々のこと

曇、7度、84%

 香港から持ち帰った車にはカーナビがついていませんでした。香港でカーナビのソフトが開発されたのは最近のことです。輸入されてくる車にはカーネビ本体はついています。狭い香港、私の走る道など決まっていますからカーナビは付けないままでした。ところが主人や息子が日本ではカーネビを付けなさいとおっしゃいます。この福岡を離れて40年以上、街は大きく広がって、高速道路も縦横に走っています。さっぱり知らない地名や道なりです。

 カーネビをつけることなど至極簡単だと思っていました。我が家から西に車を走らせると、車の部品を売っている店がずらりと並んでいます。そんな店で「カーネビつけてください。」といえばおしまいと思っていましたが、どの店でも断られました。ある店のお兄さんが「外車はやってもらえないよ。」と教えてくれました。そこで正規ディーラーのヤナセに車を持ち込みました。車が我が家に着いて翌日のことですから、2月の20日過ぎのことです。さすがヤナセです。「直ぐにお付けします。」と言ってカーナビを発注してくれたようです。ところが今や後付けするカーナビはほとんど生産中止ということで、ひと月待ちました。カーナビは初めから車に搭載されているのが当たり前の時代になったのです。ちなみに私の車は2003年型です。

 お昼前に車を持って行きました。夕方には我が家までカーナビ付きで届けられました。福岡の西に住む私はやっと近所の道はわかるようになったのですが、東、南はさっぱりです。タッチパネル式のカーナビですが、音声入力できるといいなあと思いながら使ってみました。目障りにならない大きさです。 目をパネルに落とす時ちょっと緊張しますが、道を間違えてもまた修正してくれるカーナビです。

 日本に帰ってきて初めて使う電気製品がたくさんありました。喋る空調、自動で氷を作る冷蔵庫、お風呂の水を吸い上げてくれる洗濯機、知らないうちに消えているガスの火。まだまだあります。少し慣れました。初めてのことは面白いと感じます。使いこなすとなると覚えることがいっぱいです。一遍に生活のほとんどの電化製品が新調されたのですから。でも、皆んなが普通に使っているものですから私だってできるでしょうと思います。

 カーネビもつきました。ETCも付けてもらいました。春の風に誘われて遠出してみたいと思います。

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