チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

グリーンカレー

2017年04月20日 | 日々のこと

曇、13度、66%

 お日様を浴びて庭仕事をするとお昼前にはお腹が空きます。庭から上がってすぐにお昼が食べれるように、朝からカレーを作りました。お手軽にペーストを使ったタイのグリーンカレーです。グリーンカレーのペーストもココナッツミルクもコブミカンの葉っぱも引越しの荷物に入れておきました。気温が上がり始めると、ココナッツミルクの香りが恋しくなります。

 材料も簡単に米ナスとチキンだけ。グリーンカレーとココナッツミルクの香りがしたら、火を止めて庭におりました。お昼の用意ができていると思うだけで、仕事がはかどります。もちろんこのグリーンカレーに合わせるのはタイのジャスミンライスです。11時を過ぎると、お腹もモモさんもお昼にしてくださいと言っています。

 温め直して、さあカレー。 勢いよく食べ始めたのはいいのですが、日本の米ナスはとろとろに溶けています。タイの小ナスのように種子ばっかりのジャリジャリしたナスなんて手に入るはずがありません。グリーンカレーはタイカレーの中では一番辛いとされています。いつもと同じ要領で作ったのに、辛さが刺激的に感じません。ジャスミンライスもぱらっと炊いたつもりがほんの少しの水加減で柔らかくなっています。楽しみにしていたカレーです。がっかり。

 同じ食べ物でも土地や気候が違うと同じようには味わえないなあと思います。コブミカンの葉っぱは生を乾燥させて持ち帰りました。これもすっと鼻から抜けるような柑橘の香りが生ほどではありません。パクチーは近くのスーパーでも手に入りますが、このカレーにのっているのはイタリアンパセリです。パクチーの種も蒔かなくてはと思いながら、もっと気温が上がればグリーンカレーを美味しく感じるかなと期待します。モモさんは鶏肉をたんと召し上がりました。

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種蒔き

2017年04月19日 | 日々のこと

晴、13度、45%

 雨が降ったかと思えば気温も高い晴れ間の日もあります。この気温上昇で慌てて種蒔きをしました。日本には勝手に種を持ち込むのは違反だそうですが、封を切った種の袋を大事に持ち帰りました。原産国もいろいろです。それに友人が送ってくれた朝顔の種もあります。朝顔を蒔くのは息子が小学の時以来、30数年振りです。  大きな紫の朝顔の種です。

 種蒔きほど楽しいことはありません。ちょっぴり不安もあります。もしかしたら芽が出ないかもしれない。幾日か過ぎて芽が土に出ていると、ほっと顔がほころびます。数ヶ月後の花を実を思うと手がかかるのはこれからです。種蒔をすると、1日何度もポットや庭の土を見に行きます。

  イギリスのパセリの種です。まだ音沙汰なし。 こちらは先日買った大葉です。ぽつぽつ。 同じシソ科のバジルの種はオーストラリアの種です。こちらもぼちぼち。チャービルやコーンサラダの種も蒔きましたが、芽が出るには時間がかかりそうです。

 種を蒔いて、お水をあげて、用もないのに地面を見ていると背中が暑くなる陽気です。大きなマキの木にトカゲがいます。 香港のトカゲは、この10倍ほどの大きさで、色もカラフル、お腹を見れば青や黄色の縞模様です。日本のトカゲは楚々として、日本らしいと思います。

 庭の草むしりも怠りません。でも所々に抜かないでとってある草たちがあります。タンポポもその一つ、ポツンとタンポポのギザギザの葉っぱが芽吹いたのでそっとしておきました。きれいに花を咲かせました。タンポポなんてと思われるでしょうが、香港にはタンポポが道端に咲いていることがありません。タンポポを見たければ種を買ってくるしかないのです。

 朝顔の種は表の庭に蒔きました。裏庭と違って行き来する人が眺めてくれます。見てくれる人がいるのは励みになります。私もですが、育つ植物にだって人の目は励みです。30年ぶりの日本での種蒔き、この夏が楽しみです。

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藤棚の下のモモさん

2017年04月18日 | もも

雨、14度、97%

 一昨日の日曜日、福岡は朝は雨が降っていたのにお日様が出るとぐんぐん気温が上がります。お天気がいいのでお外に出るとモモさん荒い息です。ちょっと歩くとへばって、例のアジの開きになります。やっと近くの公園まで歩きました。モモさんは公園が好きです。香港では公園は全て犬がはいれません。なぜ公園が好きなのか、ただ公園らしきところに来ると必ず自分から入ります。人がいようがいまいが関係ないようです。

 この公園、藤棚があります。新芽がこの数日で膨らみ始めました。そう思って眺めていると、早速モモさん、藤棚の下でアジの開きになりました。ちっともこれから動きません。公園の花壇の管理をしているおじさんに「可愛いね。」と触られても、「ハーハー。」相変わらず不愛想です。ボトルのお水も飲みあげました。さあ、帰りましょう。結局私が抱いて帰ります。

 家に帰っても行き着く先で、行き倒れ状況です。 身の置き場がない様子、家中の窓は開いています。風も抜けているのになあ。夜になってもベットに登ったり降りたり、仕方なくクーラーをつけました。冷えて来るとすぐさまいびきです。

 考えてみると、香港ではすでにクーラーを入れています。3月の終わりには例年毛のカットも済んでいます。この日は異常な暖かさだったそうですが、私のモモさんへの暑さ対策に疎くなっています。そういう私も午後には半袖、Gパンの裾を上げてサンダル履きになりました。

 昨日は打って変わって大雨、雷。気温も低めです。モモさん、一日中よく寝ました。藤棚の下のモモさんを見ながら、こんなのんびりした時間が持てるとは思っていなかったと気づきます。香港と福岡、時間の流れる速さが違います。人の数も違います。モモさんもこのゆっくりした時間を感じてくれているはずです。藤棚が見事な花をつけるまであとどのくらいでしょう。藤の季節すら忘れかけている私です。今降っている雨も上がるそうです。今日はどこまでお散歩に出かけましょうか、モモさん。

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コーヒーミル

2017年04月17日 | 日々のこと

雨、20度、86%

 主人はコーヒーが好きで結婚する前からコーヒーミルを持っていました。40年前のことです。鋳物でできたそのコーヒーミルは壁に取り付けて使います。ゴリゴリと回すとコーヒーのいい香りが匂い始めます。他の台所道具と共に我が家の行く先々に一緒でした。もちろん香港にも持って行きました。香港の家はどれもがコンクリートの箱です。コーヒーミルを設置できる場所がないまま、何度目かの引っ越しの時捨ててしまいました。

 雑誌の「PEN」が「コーヒーと暮らす家」と特集を組んでいます。「PEN」は好きな雑誌の一つです。コーヒーが好きで、自分なりの工夫をしてコーヒーを楽しんでいる男性が数人登場します。そのコーヒーを淹れる場面、コーヒーカップを持つそれぞれの家の風景が見られます。なぜかコーヒーを入れるのは皆男性です。「PEN」は男性向けの雑誌なのかもしれません。コーヒーの入れ方も様々、一人で楽しむ人、家族と共に楽しむ人、これまた様々です。ただ自分が美味しいと思うコーヒーを入れるという一つのことに集中しています。珈琲店ではありません。万人受けのコーヒーでなくとも家庭で淹れるコーヒーは自分のまたは家族の嗜好に合うことを考えます。

 私も私が飲みたいコーヒーを求めて試行錯誤しています。これと思うコーヒーがはいった時のその一杯は宝物です。そして素人ゆえに同じコーヒーを2度と淹れることができません。主人が「電気ミルでは熱で香りが飛ぶからダメだよ。」と教えてくれていたにもかかわらず、朝の一杯など手軽に挽けるので電気ミルを使っています。仕事に行く、用事が山積みの時ならいざ知らず時間が許せば手で挽くミルがいいと思います。普通のミルを買いました。私一人分の豆ならば100回も回せば出来上がります。あの騒々しい電気ミルの音は朝の静かな空気を邪魔します。朝最初の一杯、 身体も気持ちも目覚めます。

 主人が持っていたコーヒーミルが懐かしい。いつか同じようなミルに出会えそうな気がします。

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桜色のApple Watch

2017年04月16日 | 身の回りのもの

雨、17度、96%

 初代のApple Watchが出たのは3年ほど前でした。身につける端末というので嬉しくて、予約をして発売日の翌日には手に入れました。ところが親のiphoneがなければ何もできない役立たずだと思いました。それでも身につけていれば、手首でメッセージやメールや様々なお知らせを見ることができます。もちろん電話だって手首で応対できるわけです。

 昨年の夏の終わりにApple Watchの二世代目が出ました。発売されていろんな方の評価を読んで、それでも迷ってやはり買ってみることにしました。ピングゴールドのケースにスモーキーなピンクの普通のApple Watchです。アップルのお店に行っても売り切れ、Apple sutore  に頼みました。待つこと約2ヶ月、このピンクのApple Watchはその時香港でいちばんの売れ筋だったそうです。

 買おうと思った決め手はGPSが付いたことです。つまり、Apple Watchが一人歩きできるようになりました。親のiphoneと離れていても私の行動はApple Watchが記憶します。Wi-Fiの環境下でiphoneと同期します。メッセージを受けたり電話が鳴ることはありませんが、考えてみればこれが一番欲しかった機能です。つまりジョギングの時にiphoneを携帯する必要がなくなりました。Apple Watchだけで走りに出ます。帰って来ると、私の走った行程、距離、タイムなどがiphoneのアプリに同期されます。iphoneをアームバンドにしている人も多いのですが、どのアームバンドも私には大きすぎました。手に持って走るのは落としたりと不便です。10月の末に手に入れた二世代目のAppleWatch、秋でしたのでベルトは初代の紺色をつけました。ピンクゴールドのケースと紺はいい組み合わせです。 よほどの外出でも無い限りこの時計を1日身につけています。当初は抵抗があった時計に向かって電話を取るのも今や当たり前になってしまいました。

 福岡に帰って来て走り始めて気付きます。こうした身につける端末や携帯すら持って走っている人が少ないことです。たまにアームバンドをしている人がいます。ところが先日の東京では、ジョギングをする人たちはアームバンドはもちろんfitbitやApple Watchをしている人が多くいました。走る服装も福岡は東京に比べて派手ではありません。私が走る大濠公園は福岡でも有名なジョギングコースです。こののんびり感はいいと感じます。

 2日前、桜が風に舞っているのをモモさんとボーッと眺めていました。その時主人から電話が入りました。もちろんApple Watchに向かって応対します。電話を切って、目の前の桜を見て思い出しました。「そうだわ、ベルトをピンクのオリジナルに替えなくては。」家に帰ってあちこち引き出しを開けて見つけました。このスモーキーなピンクの色は桜色そのものです。時間の文字の色ももちろんピンクです。身につける端末はまだ進歩するはずです。20年前走り始めた頃は、自己記録を残すアプリなんてものもありませんでした。これからどんな風に変わっていくのか、あと10年は走りたいと思います。

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新しい障子とモモさんの爪痕

2017年04月15日 | もも

曇、17度、68%

 玄関を入ると座敷との間に障子がありました。その建具が気に入らない主人、ガラスの障子に替えてもらうことになりました。障子は家を扱ってくれた建築会社が入れたものでした。ガラス障子は玄関なども頼んだ建具屋さんにお願いします。三代目の建具屋さんはいいものを作ってくれます。玄関のヒノキの引き違い戸、2階の杉の障子、どれも丁寧なつくりです。建具屋さんと主人と二人でガラス障子のデザインを決めていました。

 昨日、そのガラス障子が入りました。上と下は透明ガラス、中は和紙模様のすりガラスです。透明のガラスが入っただけで明るい感じに変わります。漆喰の壁、和紙の障子では抜ける軽さがありませんでした。 今回も建具屋さんいい仕事をしてくれました。古い障子を持ち帰ってもらう時、忘れずに写真に撮っておきたいものがありました。障子にモモさんが作った爪痕です。

 モモさんが日本に来たのは二月の初め、寒かったのでどの部屋もドアを閉めきっていました。モモさんは日本に来て初めて引き違い戸を経験します。今までならどちらから突けば開く普通のドアでした。開けて欲しい時はガリガリと爪を立てます。香港の家のドアはモモさんの爪痕が残っていました。引き違い度が勝手が違うことに気づいたのか、ガリガリせずにいつもは戸の後ろに座っていました。お客様がみえて玄関で立ち話、ガリ、と後ろを見ると障子の向こうからモモさんが爪を立てています。 木でできた戸でないからか軽い優しい爪痕です。少しづつこの家の作りに慣れてきたモモさんです。

 5日前には、台所の引き違い戸を自分で開けました。隙間に無い鼻を突っ込んで開けたようです。庭に出る出口が2つあるのも覚えました。片方が閉まっているともう片方に回っています。あまり長風呂をしていると、お風呂場のドアもガリガリするようになりました。見出し写真は、台所の入り口に座るモモさんです。13歳というお歳で環境の変化に付いて来てくれています。

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アロマディフューザーを買いました。

2017年04月14日 | 日々のこと

晴、12度、67%

 寒い時期に日本に本帰国しました。自分なりには一大仕事でした。モモさんの手続き、車の手続きもちろん引越しの荷物もあります。よくここまで元気でいられたと自分でも不思議です。毎晩、ゆっくりとお風呂に浸かります。疲れていますから、すぐに眠りに落ちてしまいます。これがいちばんの元気の源ですが、寝る時枕元でアロマを焚きました。アロマの勉強などはしていませんので、好きなもの、その時の気持ちに寄り添ってくれる匂いを選びます。

 アロマを家で焚くようになって,20年近く経つでしょうか。オイルをポトポトと落としてローソクの火で香りを立たせるアロマポットを使っていました。「ボディーショップ」のアロマポットです。ちょうどイギリス映画の「ブリジットジョーンズの日記」が公開された頃に買いました。映画の中では出てきたかどうか忘れましたが、ブリジットがクリスマスプレゼントに欲しかったという「ボディーショップ」のアロマポットです。水を張らずに使うタイプです。小ぶりで使い込んでいますので油がこびりついています。枕元で火を焚くのは、ローソクのチロチロした火がみえて心が落ち着きますが、やはり火の心配がありました。

 日本に帰ってきて、「無印良品」に行くとその日のアロマとか書かれて、細かいミストが香りを運ぶディフューザーが売られています。シュルシュルと出るその霧を見ていると肩から力が抜けるのを感じます。電気で超音波を起こしてミストにするのだそうです。「無印良品」らしくスッキリしたデザインです。でもなんだかスッキリしすぎてつまらないなあと、幾度もそのコーナーの前に立ちました。買おうか買うまいか迷っていました。そんな時ニーズルヤードの店先でシュルシュルとミストを吐いていたのが見出し写真のディフューザーです。

 ぽってりとした形に惹かれました。店内には明かりもつくもうひとタイプがありましたが、おおらかな形でこちらを求めました。それから毎晩、ベットに入るまでシュルシュルやってもらっています。細かいミストは部屋全体に香りを運びます。お風呂で温めた体をベットに横にして部屋中の空気を吸い込みます。このすぐ後にはコトンと寝ているはずです。

 火の心配もなくなりました。やっぱり好きなのはラベンダーのアロマです。こんなものに助けられて、元気にしています。

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モモさんの初めての桜

2017年04月13日 | もも

晴、10度、78%

 昨日の福岡は、八日ぶりのいいお天気になりました。桜の開花宣言が出てどれくらい経つでしょうか。我が家の近くの桜はちっとも開きません。ぽつぽつと薄桜色が見えるばかりでした。

 朝早くから人がみえたりで、やっとモモさんとお散歩に出ることができたのは10時過ぎです。お日様は燦々と春の日差しです。我が家の近くには公立の小学校、中学校、高校が固まっています。学校を囲むように桜が植えられています。この桜が植えられたのはおそらく私が小学校の頃だと思います。それまでは一面の菜の花、レンゲの畑でした。桜並木の見える角を曲がると満開です。風も強いので時折花吹雪も見られます。

 「モモさん、桜よ。」モモさんが日本に来た二月の初め、初めてこの道を通った時は冷たい北風が吹いていました。固い固い蕾を持った桜も寒そうに見えたのを思いだします。それから幾度もこの道を散歩しました。車が通らない道です。やっと桜が咲きました。

 道に舞い散った花びらをひとすくい、モモさん、桜の花をにおいます。 「どうですか?これが日本の桜よ。」

 道脇のロータリーに二人で座ってお花見です。背中にはポコポコとお日様が当たります。お昼には配達が届くことになっています。それがなかったら、ここでお昼を広げられるのにね。大丈夫、まだお天気も続きそう、桜の花もまだ咲いていてくれるはずです。

 午後には、福岡城のお堀の桜も見ることができました。 モモさんが見てるのは桜よりお堀の大きな鯉かもしれません。暖かな日差しは、心が緩みます。身体も緩みます。モモさんと二人のお花見はとても幸せな気持ちにしてくれました。

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オルセーのナビ派展

2017年04月12日 | 日々のこと

晴、11度、91%

 今回の上京でちょっとだけ自分の時間がありました。雨降りでしたが、丸の内を目指して急ぎます。三菱1号館、三菱が自社の古い1号館を再建してできたレンガ造りの美術館です。丸ビルなどの現代的なビルが立ち並ぶ中、ふと顔を出すレンガ造りの建物は街角に丸いポストを見つけたような感覚です。

 「オルセーのナビ派展」フランスのオルセー美術館が持つナビ派と呼ばれる画家たちの作品を集めた展覧会です。ナビ派?美の預言者であると自称したゴーギャン後の画家を指すそうです。一人一人の名前は知っていてもナビ派なるものがあるとは知りませんでした。この展覧会で見たかったのは、彫刻家とばかり思っていたマイヨールの絵画が出ていると知ってからでした。

 マイヨールの絵は「女性の横顔」と題されています。黄色いバックに帽子をかぶる女性の横顔です。右片隅に横顔があり左半分は黄色で塗られた油絵は、素直な作品としか言いようがありません。でもその絵の前にじっと立っていると、マイヨールの彫刻「地中海」などに見られる嫋やかさが伝わってきます。嬉しいことに別のナビ派の画家が描いたマイヨールの肖像画もありました。肖像画から伝わってくるその人となりはマイヨールの彫刻や絵から滲み出ているものに共通しています。

 全部で80点ほどの展示を中庭をめぐる回廊を通りながら部屋を移動します。この空間が貴重に思えます。 コブシの花が楚々と咲いていました。

 ボナール、ドニの作品が多く、観て行くうちにナビ派と呼ばれる人たちの色遣いが分かるような気がします。力強くない平塗りの色彩です。その中、小さい黒ばかりに見えた絵がボナールの「ティーポットを持った女性、右向き、ひざの上からの肖像」と題された絵でした。手のひらほどの絵です。紙に水墨と黒鉛で描かれていました。一瞬エッティングかと思ったほどです。今にでも絵の中から飛び出してきそうなその女性の姿に惹かれました。

 パンフレットにもなっている「格子柄のブラウス」もボナールの作品です。この女性の格子柄こそがナビ派の色遣いでしょうか。日常の一コマを描き出した画家たちの作品は、圧倒的な重みではなく、構図や色遣いの軽妙さが目に優しく飛び込んできました。

 美術展を出て中庭の空気を一息、胸に吸いました。ここから一跨ぎすれば外堀に出ます。お堀の桜を見たいと思いますが生憎の雨です。お堀の周りには観光バスがいく台も停まっています。桜も雨で煙って見えています。いつもながらに駆け足の美術館、それでも私の中にホッとしたポケットができました。

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桜かおる粕漬けチーズ

2017年04月11日 | 日々のこと

雨、13度、95%

 羽田空港も改築が進んでいます。東京オリンピックに向けて、地方の福岡空港ですら改築中です。空港や駅は乗り降りの分かりやすいことが一番ですが、お土産物を選ぶ楽しみもあります。空港や駅で売っているお土産、デパートの地下で売っているお菓子などのチェックは欠かしません。できるだけその土地でしか買えないものをお土産にと思います。

 羽田空港の国内線乗り場のお土産物屋さん、さすがにいい品が揃っています。全国規模のお菓子もですが、関東に根ざしたお店のものは乾物などに至るまで、「あら、こんなものも。」と手に取ってしまいます。主人と私が自分たちへのお土産に選んだのが、銀座のお漬物屋さんのチーズです。味噌漬けと粕漬けがありました。発酵食品同士、相性が悪いはずがありません。桜の花びらがついた粕漬けを選びました。 

 昨日は雨の一日、庭仕事に励んでいたので買い物に行く時間がありません。冷蔵庫を見渡してお夕飯はスモークサーモンとチーズに決めました。チーズの封を切っていると、足元にはモモさん、主人まで香りに釣られてつまみ食いをねだられます。ちょこっと食べては、日本酒がいいとかワインがいいとか、クラッカーに合わせる方がいいとか、パスタもいいねとか、台所談義が始まりました。

 桜がかおると書かれていますが、実際は粕の香りばかりです。クリームチーズを粕床で漬けたものだそうです。クリームチーズに粕の甘みがプラスされて、チーズが苦手な方でも美味しく食べれると思います。桜は季節感、見た目を楽しませてくれます。

 結局、戻しておいたポルチーニはパスタでなくクリーム煮にして、粕漬けチーズにはクラッカーを合わせました。大皿に盛ったスコティッシュサーモンは、主人が香港から帰る度に運んできてくれます。乾燥のポルチーニも食材に困っているだろうと、香港経由です。うーんと考えて、フランスワインを選びました。

 クリームチーズを粕漬けや味噌漬けにとの発想は奇想天外ではありませんが、海外の方には馴染めないかもしれません。「あら珍しい。」とお客様の目を引くチーズです。「銀座 若菜」の粕漬けチーズは、ネットでもお求めになれます。

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