「椋鳩十」が奥深い山里を訪ねて、そこに住む人々から聞いた話の中から、
イノシシとのかかわりあいの物語を集めたものです。
古本市で見つけた本ですが、私の大切な一冊になりました。
(こんな本が見つかるから古本市は楽しい!)
山の中の苦労して開墾したわずかな田畑を荒らしまわる憎いイノシシは、
一方で山に住む人々の大事な栄養源であり、
町へ持っていけば高く売れるお宝でもありました。
そんな複雑な気持ちでイノシシに接してきて、
生きとし生けるのものの不思議を深く感じている気持ちが
短い10編の物語に凝縮されています。
ノンフィクションですが、
それぞれ極上のファンタジーです。
『山の民とイノシシ』 文/椋鳩十 画/北島新平 童心社 1974年