西日が当たるガラス戸には分厚いカーテンを掛けています。
外には簾も吊るしています。
夕方になると強い西日が
カーテンの繊維の隙間からさしこんで揺れて様々な模様を作るのです。
日が陰るとたちまちその模様は消えます。
夜になって部屋に灯りを点けるとカーテンの模様が浮き立って見えます。
そして、電気も消せばカーテンも消えてしまいます。
カーテンの向こうにはガラス戸が、その向こうには簾が、
でもその向こうにはライラックが枝を伸ばし、夏草が生い茂り、
月明かりの中で、小さな虫がせっせと葉を食べて、蚊が飛び回っているかもしれません。
カーテンの七変化も見えるものも見えないものも、
光りしだい、です。
そこにあって、そこに生きているものが見えなくても、
気配を感じます。
今日は久しぶりに雨、ホッと一息。
喉の痛みも和らぎました。
外は薄暗く、ガラスが曇っています。
ちょっとだけ拭いたらそこに室内の照明が映りました。