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「人を見たら泥棒と思え」という格言は、
たぶん、他人を信用するな、という意味だと思います。
人を信用できない人間は、
泥棒には出合わないかもしれませんが、
寂しい人生を送ることになるでしょう。
今、小学生たちは
他人から声を掛けられても、
不審者か、変態か、誘拐犯かもしれないから、
知らんふりりをして通り過ぎなくてはいけないそうです。
また、傘や自転車やカバン等の見える所に名前を書いてはいけないそうです。
随分前から学級名簿などもなくなり、
父兄の横のつながりも希薄になりました。
子どもたち同士で、宿題を聞きに行きたくても、
年賀状を送ろうと思っても住所が分かりません。
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不信と心配ばかりが膨れ上がっていけば、
親は自分の子供だけ、
子は自分の親だけしか見えなくなるでしょう。
精神は委縮し、
穏かで、和やかな広い世界はどんどん遠ざかります。
通学路でのおじさん、おばさんらとの出会いによるプラスと、
それらを全て遠ざけることによるプラスと
どちらが大きいか比べて欲しいと思います。
小さな子どもが独りでバスや電車に乗って
遠くの学校や塾に通う方が色々な意味でよっぽど危険、
と私は思うのですが。
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子どもを温かく見守る社会であってほしい。