9月14日(月)→
Saint Moritz
サン・モリッツ
お二人と別れた後、私達はホテルで薦められた
Muottas Muragl(ムオッタス・ムラーユ)という山に向かった。
標高2448メートル。
ベルニーナアルプスとエンガディンの谷を一望出来るという。
先程のケーブルカーの駅のすぐ傍からバスに乗ったが、
気が付いたら降りる駅の名が表示されておらず、
いつの間にか乗り越した模様。
近くの人に聞くと、次の駅で降りて、反対方向のバスに乗ると良い、
と若い男の子が英語で教えてくれた。
しかし、次のバス停で降りてから、そこにいた人に聞くと、
「このバスが正しい。」と言われ、あわてて又乗り、
バスの運転手さんに聞くと何を言っているのか全く通じない。
右往左往していると、先程の男の子が手招きをしてくれて、
その子の言う通り、反対方向のバスに乗ったら、目的地に着いた。
後で分かったことだが、「プント・ムラーユ駅」は2つあったのだ。
2つのラインの電車の、それぞれに同じ駅名があり、
ケーブルカー乗り場に近い駅と、
川を挟んでもう一つ、300m先にもあったのだ。
知らない所で言葉の通じない人に物を聞くのは恐ろしい・・・
さて、ケーブルカーの待合室の壁に、興味深い写真があった。
いつ頃の物か分からないが、このような厳しい時を経て、
今は立派な美しいケーブルカーに乗ることが出来る。
大昔の、苦労をされた方達に感謝、感謝。
ふと、窓の外を見るとこんな山道を走っている男性が・・・
黒い人影、見えますか。
終点駅が山頂レストランになっており、
なかなかおしゃれな建物で、
入口にはシュタインボックの剥製が飾ってあった。
何組かの人達がゆったりとおしゃべりをしている間を縫って
案内された席の隣に、老夫婦が座り、ワインを飲まれていた。
目が合ったので、会釈すると、すてきな笑顔で微笑みを返して下さった。
すぐにおしゃべりが始まり、
彼等はクールの近くにお住いのスイス人で、ドイツ語だけ。
お互いに片言の英語で通じ合うことが出来、
夫が以前彼等の近くのザンクトガレンに行ったと話すと、
私も、古い図書館で靴の上から大きなスリッパを履いて
歩いたことを思い出し、
その話で、お互いに頷きながら大笑いをした。
(ザンクトガレンの上をクリックしてみて下さい。)
帰り際、お二人が私を抱き締めて下さって、
アドレスを交換し、写真を撮っていたら、
私達の後ろの席の男性が声をかけてきて、
彼はドイツの大企業「ジーメンス」の方で、
つい最近、個人旅行で日本に出かけたばかりだ、と言われた。
(写真右側の後ろ向きの方です。)
ほんの束の間の出会いだったが、交渉事をする場合以外は、
言葉はさほど重要ではなく、笑顔があれば、
心が通じるものだと、とてもうれしくなった。
ここで、サラダとパンとポルチーニのスープ、
伝統的なスイスの野菜のごった煮スープを
いただいたが、これだけでもう満腹。
夜は何も食べられなかった。