蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

離婚してもいいですか?

2014-11-01 | 暮らし

これは、最近、人気を呼んでいる漫画のタイトルだ。
ゆるゆるっとした、脱力へたうま画風のコミックエッセイ。

結婚9年め 2児の母。夫は中小企業のサラリーマン。
一見、いたって平和な普通の家庭。
でも、「離婚」という二文字が、毎日頭をよぎる。

専業主婦の主人公を、なにげない言葉で、ぐさっと傷つける夫。
仕事もして、おカネも入れている、世間的には非難されることのない夫だが、
日々、もやもや感に悩まされ、離婚を考えている主人公。
しかし、子供二人を抱え、経済力も無く、離婚に踏み切れない。

この、もやもや感に、とても共感を覚える主婦には、涙ものらしい。

読者は、主人公と自分を重ね合わせ、わかるわかる、その気持ち・・・
と、いつかこの主人公が離婚できる日を主人公と同時に夢見ているとか。

決定打がないから、こんなもやもや程度では、離婚には至らない。
が、もの哀しい・・・。それが、どんどん積み重なってくる。

じゃ、離婚したら?
となるが、経済力がない・・・というよりは、今の生活レベルを落としてまでリスクを負う勇気がない。
母子家庭になって、シングルマザーで、髪振り乱して、がむしゃらに頑張る決意がない。
じゃあ、我慢したら?
それで、毎日、もやもやと、夫に傷つけられながらの生活を送っている主人公。

これは、誰にでもできる仕事しかさせてもらえない、OL生活から抜け出して、
ほんの短期間、海外逃亡を図るOLと共通するものがある。
これがいやだから、あれ。
煮詰まった現状を改善せず、別のところに逃げる。
努力の仕方が間違っている。

誰にでもできる仕事で、給料がもらえたら結構なことだ。
じゃあ、責任ある仕事をさせられたら、果たして出来るか?
仕事の責務の苦しみで、自殺したりするのは、ほとんど男性だ。
女性は、そこまで思い詰めない。

漫画のなかで、夫が、「いいよな、おまえは。一日じゅう、ごろごろしていて」
と、外の仕事の辛さなどわからない妻に、ぽろっとホンネをもらす。
それで、妻は深く傷つくわけだが、そんなに傷つくのであれば、妻が代わりに社会に出て働き、
夫に主夫をしてもらえば?
それもできないで、傷ついているのは、弱すぎる。
夫が、なぜそういう発言をするのか、感情論ではなく、その底の部分、社会の現実の部分を知るべきだ。

夫のことを、「ATM」と、どこぞの巷では言われているそうだ。
いつもにこにこ、自動現金出金機。
割り切ると、痛みは少ない。

「一日中、家にいて、こんなこともできないのか?」
と夫に言われたら、「あら、ごめんなさい・・・」って、泣いてみる?
隠れて包丁を研ぐ?
毒でも盛ってみる?

夫がいなくなったら、どうやって家計を支える?
現実問題には、目を向けず、グサグサや、もやもやばかりに感傷的になっていても、ちっとも建設的ではない。

稼げない自分が悪い・・・。
子供が、いるから。家庭を守らなければ。

そうはいっても、世の中、兼業主婦も、とても多い。

が、専業主婦は、ひとくくりにはできない。
好きで専業主婦なのと、もやもやしつつ、夫の精神的虐待に耐えながらの専業主婦と、・・・いろいろある。

夫の稼ぎが悪くて、収入を足さなければ生活できないパート主婦と、
家に閉じこもるのが嫌で外で働きたいパート主婦がいる。

ごく普通に、普通の感覚で、共稼ぎ夫婦もいる。

自分を責める夫に泣くのではなく、そんな現状を招いた自分自身を見直すべきだろう。
いきなり寒空のもと、子供二人とともに外に放り出されるわけではない。
もやもや期間に、もやもやしているそのパワーで、爪を研ぎ、力を蓄えるとよい。

パチンコに嵌ったり、不倫に溺れたりする、不満時間のつぶし方では、前向きではない。
自分の再生に賭け、それに向けてエネルギーを発し、打ち込むべきだろう。

すると、夫の何気ないトゲのある言葉も気にならなくなってくる。
むしろ、爪を研いでいることを知られないように、わざと平然と振舞ったりするかも知れない。

離婚に向けて、頑張るのではなく、自分の再生に向けて頑張る、
夫の言葉に傷つけられる、弱い自分を返上して、強い自分になるために、
具体的に努力をする。
その努力の結果が、兼業主婦になることであったり、専業主婦になることであったり、離婚することであったり、
実践の後に、次の段階で見えてくる展開である。

漫画の夫は、浮気するわけでもなく、暴力を振るうわけでもなく、いいヒトである。
だが、超優等生のように、専業主婦のもやもやを理解し、労わってくれて・・・と、そこまで求めるのは、ど厚かましい。
そこまで労わられるだけの値打ちが、自分にあるかどうか。
値打ちなど、自分でつけるものだ。
自分で、値段をつける。
値を吊り上げる付加価値をつける。

高くて嫌なら、買うな。

それぐらいのタカビーな気持ちがないと、ぼこぼこに、やられるだけだ。
自己防御は、自分でしなければ、だれも守ってくれない。

一生、もやもやしている人もいる。
どんな人生を送りたいかは、その人のやる気次第だ。

 

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追記

後に漫画を読んでみて、ストーリーの早とちり間違いを発見。
主人公は、専業主婦ではなく、パート主婦でした。
離婚できないのは、経済的にパート収入だけで生活レベルを下げたくないからというのは、下位の理由で、
上位の理由は、子供がかわいそうだから。
幼い子供を巻き込みたくない、というものでした。