蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

笑顔になりたい

2018-10-02 | 老い
刹那しか覚えていない母。
兄のところにも母は度々訪れる。
兄が、ぽつりと言った。

「俺もDNAを受け継いでいるはずやから、ああなるんやな」

そう呟き、すべて忘れてしまう母を責めるでもなし。
わたしも、まったく同じ思いである。

わたしも、ああなる。
いずれ、ああなる。


家のお向かいさん。
50歳をとおに超えた独身息子とお母さん。
今日も息子の怒鳴り声が聞こえる。
かわいそうなお母さん。
認知症が出ているのだろう。
罵声に近い。ガミガミと。
かと思えば、同じ人物なのに、どこからそんな声が出るのかと思うような猫なで声。
彼の愛犬に話しかけている。
マーバラスな見目美しい小型犬である。
いつも愛しみながら散歩に連れ歩いている。
おそらく、メス犬だと想像する。
ああやって感情や愛情を分散しているのか。
愛すべき女性は、母でも妻でも恋人でも妹でもなく、ペット。
まあ、わからないでもないが。

母親の言動に耐えられないのだろう。
もう普通の脳ではない人と、毎日、生活を共にしていると大変だ。
強い意志を持たなければ、自分も壊れてしまう。

で、話を戻す。
わたしも、やがてはそうなる。
1秒1秒、近づいているような気がする。
認知症を発症している人には、人並みはずれた優秀な脳や経歴を持っている人もいる。
なので、過去や現在のIQには関係はないとすると、あんまり気にすることもないのかなあと。
自然にまかせるしかない。

母のように、いつも大きな声で笑っているのも悪くない。
一昨々日は、一心不乱に計算ドリルに取り組んでいた。
国語や算数は好きなのだろう。
その後ろ姿だけ見て、声を掛けずに帰ってきた。(事情があって)

楽しい老後は、なんにも考えずに毎日笑って暮らすことだとしたら、それも悪くないと思う。
ただし、家族に負担をかけないよう、自分の老後費用をプールしておかなければならない。

今も老後みたいなもので、あまり、わたしは、しゃかりきにならない。なれない。
いつもの日常が毎日継続して、穏やかに自然にスローダウンしていけばいいかなあと願う。
死と向かい合う恐怖も、神様からのプレゼントで軽減されることを期待する。
わたしの現在の精神年齢は、85歳、脳年齢は、5歳。
内臓や運動能力を含めた肉体年齢は、たぶん、実年齢ぐらいだろう。
それより、少し上かも?

わたしは、老人と幼児が同居するシニアである。