蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

リフォーム

2021-03-19 | 日々のこと
三寒四温とはよく言ったものだ。
しかし、服装選びに困る。

今、わたしが履いている靴。
玄関に脱いでいるのを見て、長女が言った。
「おばあちゃん(わたしの姑=夫の母)の靴みたい」

わたし「よくわかったね、おばあちゃんの靴よ」
夫の実家から持ち帰って履いてる。

長女が言った言葉、次女が先週帰ってきて、全く同じことを言った。
二人ともよく見ているものだ。
「おばあちゃんは、こんな靴を履いていた」と。
といっても、晩年の姑ではあるが。
(姑にとっての)孫たちは、見ていないようで見ている。

もう一足、ウォーキングシューズに適した姑の靴が夫の実家にある。
他の靴、何足かを、ひょいと持ち上げようとすると、ウレタン?ゴム?のソール部分が劣化したため靴箱の下板に引っ付いて、ボロボロとソールだけ残った。
こりゃいかん、と、そっと手を離した。
映画で見たことのある、魔物が灰になって風で散る映像が脳内でリンクした。
姑を決して魔物扱いしているわけではない。
が、わたしの脳内ストック映像が勝手に紐付けられた。
もうちょっとマシな映像が浮かぶべきなのに、わたしったら、、、ほんとに、自由脳である。

それはそれとして、、、
一足は持ち帰り、第一線で履き、もう一足は、夫の実家の下駄箱内に魔物映像靴と一緒にキープしている。


今、夫の実家をリフォームしようという動きが出始めている。
音頭取りは、長女。
あの魔物映像靴たちは、気前よく気持ちよく、捨てられる。

ちなみに、夫の実家の玄関に、全くテイストの合わない白い大理石の置物が置かれている。
あれは、わたしの実家から夫の両親(舅&姑)への贈り物の少女像であるが、、、。
これがまた重い。ずしり。
チープなミステリードラマの室内殺人シーンではよく見かけそうな、手に持ちやすい、手頃な重さ、大きさ、かたちである。
そんなことを言ったら、わたしの親に怒られそうだが。
何しろ、家にも室内にも玄関にも全くマッチしていない。
ほかに置くところがないのか、手頃なスペースだからか、そこに置かれているが、これを書いていて、まるで「わたし」のようだと思った。

わたしの実家と、夫の実家の関係性もなんとなく暗示している。
ちぐはぐなセンスで、やりとりが行われているが、大勢に影響はない。
わたしは、片方の親の手元からはなれ、もう片方の親元に渡った。
とりあえず、接ぎ木されたような状態で、子供も3人もうけた。
母親の自覚がないまま、父親の自覚がない夫と、夫の親の手厚い手助けを受けながら、子供を育てた。
ではあるが、精神的に自立していないものの、一番まだマシだったのは、夫は経済的に自立していたため、親の経済力をあてにすることなくいけた。
これが、経済までお世話になっていたら話にならないところだ。
やはり、経済力は要だと強く思う。

そういう流れで、子供が産まれ親にはなったものの、夫はまだ自分の親のマインドコントロールの支配下にあった。
わたしは?
自分自身は精神的には頼りにならないが、精神的に頼りになる親に助けてもらい子供を大きくしたわけだが、子供が巣立った後は、我々お子ちゃま老夫婦が残った。
精神的に頼りにしていた親はこの世を去り、夫はさぞや寂しいことだろう。
わたしは?
ただただ、ひたすら開放感。
精神的に頼りにしているというのは、表向きであり、支配されていたといってもよい。
夫は親亡き後も、引き続きわたしを親がしていたように支配しようとするが、もはや効力期限切れである。
夫の意のままにはならない。
それまでは、夫の親の力で従わせていたようなものだが、代わりに夫自身自分がねじ伏せようとしても無理である。
元々仲が悪い我々夫婦は、接着剤役割の親が亡くなり、子供が独立し、もう、くっ付けるものはない。
あるとすると、これまでの過保護ではあったが共に歩んだ歴史、過去。
未来は共有しようと思えば出来るが、今までとは同じ路線では無理。
それまで親がやっていたように親の代わりを夫がするのも無理。
男尊女卑で家父長制のイエをそのまま引き続き存続させようなどと、今時、だれが従う?
何も言わなくても何の説明も説得も懇願もしないで、全て思いを汲み取る妻の役など、したくない。
令和流にアレンジしなければ無理だ。
桂春団治(初代)をテーマにした岡千秋の「浪花恋しぐれ」、芸のためなら女房も泣かす〜、というあの歌、先日、NHKの歌番組で聴いて、歌詞に吐き気がした。
本気でむかむか、吐きそうになった。
真っ黒な、腹立たしさが込み上げた。


夫のお願いは、説得でも何でもなく、強制、たんなるパワハラである。
人を説き伏せる経験ゼロの、親の敷いた平たい安全な道しか歩いたことがない夫には、道を外れるコースがあることすら知らない。

わたしも良いとこ取りをして、楽をしていた、しっぺ返しを受けるのは当然だ。
どちらも悪い。
ただただ一方が一方的に悪いということはない。
五分五分。
喧嘩両成敗。
だから、今後は、これまでのことはリセットを「視野に入れて」取り掛かる。
なぜ、今直ぐリセットではないか?
まだ夫はリタイアしていないので、稼ぎ手として優遇する。
大目に見る。
もし、リタイアしたなら、全く五分五分の関係を強く訴えるのだが、とりあえず、まだ収入を伴う勤労をするようなので。
まだ我が家は、超時代遅れの昭和パターンで、夫は稼ぐ人、妻は家事。
稼ぐ役と家事役を交代すると、我が家は立ち行かない。
たちまちに生活は破綻する。
(破綻を回避する方法もあるが)

だから、とりあえずは、今の現状のままで、そ〜っと行く。
いつまで行くのか、未定であるが、なにはともあれ、家をリフォームする。