夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ビッグ・トラブル』

2012年01月20日 | 映画(は行)
『ビッグ・トラブル』(原題:Big Nothing)
監督:ジャン=バティスト・アンドレア
出演:デヴィッド・シュワイマー,サイモン・ペッグ,アリス・イヴ,
   ナターシャ・マケルホーン,ミミ・ロジャース,ジョン・ポリト他

2006年のイギリス/カナダ作品。日本では未公開。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のコンピュータ係、
ベンジーを演じたサイモン・ペッグの出演作のうち、
観逃している作品を探していたところ、
これはトム・クルーズの最初の妻ミミ・ロジャースも出ているじゃあないかと興味を惹かれ。

アメリカの田舎町。
作家志望のチャーリーは、出版社に持ち込んだ原稿が誰かの目に止まるのを待つ日々。
妻のペネロペは警官で、いつもチャーリーを思い遣ってくれる。
「あなたはいつか作家になる。無理して働かなくてもいいのよ」と。

いつまで経っても芽は出そうになく、妻にも申し訳なくて、
チャーリーはIT関連会社のコールセンターに顧客対応係として勤務することに。

隣席にはすでに仕事に慣れているとおぼしきガスという男。
さっそく電話を取ったチャーリーは、
ガスの悪ふざけに乗せられて応対した結果、顧客を怒らせてしまう。
それを上司に知られて初仕事の日にクビに。

すっかり凹んで会社を後にするチャーリーをガスが追いかけてくる。
「クビになったのは俺のせい。罪滅ぼしに儲け話があるのだが」。

飲み屋で話を聞けば、違法ポルノサイトに頻繁にアクセスしている人物を
顧客の中に発見したと言う。
それがこの町の牧師だったため、職業柄、バレてはさぞかし困るだろう。
ゆすれば金を払うにちがいない。一緒にやろうじゃないかと。

ところが、飲み屋のウェイトレス、ジョージーがこれを盗み聞き。
話が終わると顔を出し、自分にも一枚噛ませろと言う。
まずはジョージーが牧師にゆすりの電話、ガスが金を受け取りに行き、
チャーリーはガスのアリバイ工作と、綿密な計画を立てるのだが……。

ちょっとゆすって儲けるつもりが、どんどん死体が増えてゆきます。
そんなブラックコメディで、特にオチはとびっきりブラック。
ちらりと会話に登場する連続殺人鬼“オレゴンキラー”の存在を最後にピシッと。

サスペンスとしてのおもしろさもさることながら、
ほんとにありそうな話がぽろぽろ出てきておもしろい。
田舎町の飲み屋では、自分の職業を明かせば皆一緒。
コールセンターでは同じフロアの社員が全員“スティーヴン”。
上司曰く、「毎回同じ人が応対してくれていると思えば客が安心する」。なるほど。
ちなみに、サイモン・ペッグはガス役です。

ミミ・ロジャースはと言えば、斧が脳天に突き刺さったままソファに座っていました。
トム・クルーズがミミ・ロジャースと結婚する前に同棲していたレベッカ・デモーネイは、
『“アイデンティティー”』(2003)で最初に殺されて、
ぶった切られた首が乾燥機の中でごろんごろんと回っていましたし。
この2人、トムの活躍をどんな思いで見ていることやら。

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