夜な夜なシネマ

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『ジャックとジル』

2012年01月28日 | 映画(さ行)
『ジャックとジル』(原題:Jack and Jill)
監督:デニス・デューガン
出演:アダム・サンドラー,ケイティ・ホームズ,アル・パチーノ,
   エウヘニオ・デルベス,ニック・スウォードソン他

ハリウッドでは大人気のコメディ俳優なのに、
日本ではいつまで経っても知名度イマイチのアダム・サンドラー。
同じタイプのベン・スティラーには、
『ナイトミュージアム』(2006)以来、水をあけられた印象です。

だもんで、最近のアダム・サンドラー主演作は軒並みDVDスルー。
本作はやはり未公開だった『エージェント・ゾーハン』(2008)と同監督の作品で、
DVDスルー必至かと思いきや、
アル・パチーノとジョニー・デップが本人役で出演しているゆえか、各地のシネコンで公開に。
レイトショーで観てきました。客は私を含めてたったの3人。

さて、本作はアダム・サンドラーが双子の兄妹、一人二役。
女装の彼は見るもおぞましいけれど、見ているうちに慣れるのが恐ろしい。

ロサンゼルスの広告会社で重役を務めるジャックは40代の中年男。
可愛い妻と2人の子どもに囲まれ、幸せな日々を送っている。

彼の長年の悩みは、双子の妹ジル。
ジャックとは対照的に自由奔放な彼女は、昔からトラブルメーカー。
独身の彼女は、ジャックの家族とともに感謝祭を祝うため、ニューヨークからやって来る。
案の定、初日からジルに振り回されるジャック。

彼が現在抱えるもうひとつの悩みは、大口顧客のダンキンドーナツのCM契約。
ダンキンドーナツは、新商品“ダンカチーノ”のイメージキャラクターとして
アル・パチーノを起用できなければ契約を解除するというのだ。

アル・パチーノのような大物が、ドーナツのCMを承諾するわけがない。
あきらめつつも、ジルを連れてNBAのレイカーズ戦を観に行くと、
アル・パチーノとジョニー・デップがプライベートで観戦中。
挨拶に出向くと、アル・パチーノがジルを食い入るように見つめる。
あり得ないことだが、ジルに一目惚れした様子。
このチャンスを逃してなるものかと、ジャックは一計をめぐらすのだが……。

91分の作品で、俄然おもしろくなるのは約45分経過後から。
ちょうどここでジョニー・デップとアル・パチーノが登場します。
ジョニー・デップはこの1シーンのみでサヨナラですが、
その後のアル・パチーノのはじけっぷりに唖然。最高です。
よくもこんな役を引き受けてくれたものだと感謝したいぐらい。
オスカー像を壊してしまったジルが謝りながら「でもたくさんお持ちでしょ」と言うと、
「いや、あいにくひとつだけ」とアル・パチーノ。可笑しすぎる自虐ギャグ。

いがみ合っていたふたりが和解するという話はサンドラーの出演作の定番で、
本作も例外ではありません。
はじけながらも、アル・パチーノが和解のきっかけである大事な何かに気づかせてくれます。
こんなおぞましい女装のサンドラーを見せられているのに、
最後はホロリとしてしまった自分にも唖然。(^^;

レイカーズのスター選手だったシャキール・オニールや、
テニス界の悪童、ジョン・マッケンローも本人役で出演。
いろいろ見どころ盛り沢山。

アル・パチーノが裏勝り(=裏地が派手なもので、これはドーナツ柄)の三つ揃えで挑む、
“ダンカチーノ”のCMは必見です。悶絶したど。

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