夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

最近、涙で目が潤んだ本(その1)

2012年01月12日 | 映画(番外編:映画と読み物)
前述の『僕たちの戦争』にも泣きましたが、
お正月休み中に読んだ本には、ほかにも泣かされたものがいろいろ。

まぁ、私の「泣きのハードル」は非常に低く、
泣いた本を挙げるとキリがありませんから、
「最近、声を上げて笑った本」ほど珍しくはないのですけれど。

まずは、池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』。
走行中のトレーラーから外れたタイヤが親子を直撃、母親が死亡。
トレーラーの製造元であるホープ自動車会社が出した結論は、運送会社の「整備不良」。
それに納得できない赤松運送会社の社長が真相を追う……というもの。

フィクションではありますが、2002年の三菱自動車によるリコール隠しが下敷き。
誠実を信条とする中小企業の社長が、整備不良が原因ではないといくら主張しようとも、
財閥企業が悪いことをするわけはない、責任転嫁もいいところだと非難されるばかり。
その非難は社長の家族や子どもたちにも及びます。
PTAの難儀なおばちゃんの理不尽な言いようには、はらわたが煮え返る思い。

自動車会社に逆らうことで、系列の銀行から融資ストップ。
それだけにはとどまらず、これまで貸した金もすぐに返せと言われます。
得意先からも契約を打ち切られて呆然とする社長。
サラリーマンの世界、正義や信義だけではやっていけないんだよぉと思いつつ、
読書中にここまで頭に血がのぼったのは初めてかも。

やがて、自社の従業員の中にすら離れてゆく者が出てきます。
けれど、社長と運命をともにすると決めた数名、
特に、見た目はチャラ男、実は社長を心から慕う整備士には泣かされました。

終盤、刑事からかかってきた電話に感極まってまた涙。
社長と、社長を信じて残った従業員たちと一緒に、心の中でガッツポーズ。
これで一件落着とは行かず、まだその後に山場が控えているのですけれど。

2009年にはWOWOWで連続ドラマW枠として放送、DVD化されています。
3巻セットゆえに観るのを先延ばしにしてきたけれど、
原作を読んだら早く観たくてたまらなくなりました。
赤松社長に仲村トオル、ホープ自動車会社の常務に國村隼、整備士には柄本佑
そのほか大杉漣、田辺誠一、本上まなみ、袴田吉彦、相島一之、
萩原聖人水野美紀遠藤憲一、斎藤洋介、甲本雅裕などなど、
キャストを見ているだけでウキウキわくわく。

もう1冊はまた明日にでも。

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