『あの女はやめとけ』
監督:市井昌秀
出演:牧野琢也,広木健太,内堀太郎,木乃江祐希,太田正一他
前述の『カミハテ商店』を観て友だちとはお別れ。
酔いもほぼさめて、ナナゲイであと2本観ることに。
ちょうどこの日は“DROP CINEMA SPECIAL”というイベント開催中。
東京都中野区にENBU(エンブ)ゼミナールなるものがあり、
これは俳優や映画監督を目指す人のための養成スクールなのだそうです。
山下敦弘、吉田恵輔、熊澤尚人、瀬々敬久といった映画監督が講師を務め、
卒業生は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007)や『乱暴と待機』(2010)の原作者、本谷有希子など。
彼女は役者になるべく入学したら、講師だった松尾スズキの下、劇作家として開花したそうな。
そんなENBUゼミナールの“ENBUシネマプロジェクト”が製作したのが本作。
『無防備』(2007)の市井昌秀監督がメガホンを取り、研究生らが出演しています。
某会社のクレーム対応係で32歳の土居は、
消費期限切れの商品を売りつけられたと怒り狂う兄ちゃんを前にひたすら頭を下げる。
その謝りっぷりに後輩は感心するが、土居にとっては謝るなんて簡単なこと。
こちらに非があると思っていない場合でも、誠心誠意わびるふりはできる。
土居は愛してやまない同棲中の婚約者、夕子ともうじき結婚予定。
ゆえに土下座でも何でもへっちゃらなんだと思っていたら、
なんと夕子は数週間前から行方不明。しかも結婚資金をすべて携えて。
その事実を知らされた小学校時代からの友人、田村と手島は、
土居を元気づけようと温泉旅行に誘うのだが……。
聞いただけで観たくなるような巧いタイトルだと思いましたが、
想像していた「あの女はやめとけって言ったのにぃ」というのとはちょっとちがいます。
飲み過ぎた席でノリで決まった温泉旅行。
当日の朝に爆睡中の土居を起こしにやってきた田村と手島は、
劇場で「え、マジでそんなことしちゃうの?」と笑いが出るほどの暴挙に出ます。
温泉でコンパニオンを呼べばあり得ない下ネタに走るし、
この辺りはやり過ぎの感ありで引きましたが、まぁいいか。
謝罪なんて、こっちがどう思っているかどうかではなく、
こっちが本気で謝っていると相手に感じさせることが大事だと言っていた土居。
土下座しつつも、左右のポケットに3千円と5千円、胸ポケットには1万円をしのばせて、
どの金額でうなずく客なのかをきっちり値踏みしています。
そんな彼がある人に、見せかけの謝罪ではなく心から謝る姿は胸に響くもので、
『神様からひと言』(2006)を思い出しました。
綺麗にいい話に落ち着いたと見せかけておいて、シュールなラスト。笑えます。
終映後はENBUゼミナールの代表と田村役の俳優さんの舞台挨拶。
なかなかにおもしろかったです。
監督:市井昌秀
出演:牧野琢也,広木健太,内堀太郎,木乃江祐希,太田正一他
前述の『カミハテ商店』を観て友だちとはお別れ。
酔いもほぼさめて、ナナゲイであと2本観ることに。
ちょうどこの日は“DROP CINEMA SPECIAL”というイベント開催中。
東京都中野区にENBU(エンブ)ゼミナールなるものがあり、
これは俳優や映画監督を目指す人のための養成スクールなのだそうです。
山下敦弘、吉田恵輔、熊澤尚人、瀬々敬久といった映画監督が講師を務め、
卒業生は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007)や『乱暴と待機』(2010)の原作者、本谷有希子など。
彼女は役者になるべく入学したら、講師だった松尾スズキの下、劇作家として開花したそうな。
そんなENBUゼミナールの“ENBUシネマプロジェクト”が製作したのが本作。
『無防備』(2007)の市井昌秀監督がメガホンを取り、研究生らが出演しています。
某会社のクレーム対応係で32歳の土居は、
消費期限切れの商品を売りつけられたと怒り狂う兄ちゃんを前にひたすら頭を下げる。
その謝りっぷりに後輩は感心するが、土居にとっては謝るなんて簡単なこと。
こちらに非があると思っていない場合でも、誠心誠意わびるふりはできる。
土居は愛してやまない同棲中の婚約者、夕子ともうじき結婚予定。
ゆえに土下座でも何でもへっちゃらなんだと思っていたら、
なんと夕子は数週間前から行方不明。しかも結婚資金をすべて携えて。
その事実を知らされた小学校時代からの友人、田村と手島は、
土居を元気づけようと温泉旅行に誘うのだが……。
聞いただけで観たくなるような巧いタイトルだと思いましたが、
想像していた「あの女はやめとけって言ったのにぃ」というのとはちょっとちがいます。
飲み過ぎた席でノリで決まった温泉旅行。
当日の朝に爆睡中の土居を起こしにやってきた田村と手島は、
劇場で「え、マジでそんなことしちゃうの?」と笑いが出るほどの暴挙に出ます。
温泉でコンパニオンを呼べばあり得ない下ネタに走るし、
この辺りはやり過ぎの感ありで引きましたが、まぁいいか。
謝罪なんて、こっちがどう思っているかどうかではなく、
こっちが本気で謝っていると相手に感じさせることが大事だと言っていた土居。
土下座しつつも、左右のポケットに3千円と5千円、胸ポケットには1万円をしのばせて、
どの金額でうなずく客なのかをきっちり値踏みしています。
そんな彼がある人に、見せかけの謝罪ではなく心から謝る姿は胸に響くもので、
『神様からひと言』(2006)を思い出しました。
綺麗にいい話に落ち着いたと見せかけておいて、シュールなラスト。笑えます。
終映後はENBUゼミナールの代表と田村役の俳優さんの舞台挨拶。
なかなかにおもしろかったです。