夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『野蛮なやつら/SAVAGES』

2013年03月18日 | 映画(や行)
『野蛮なやつら/SAVAGES』(原題:Savages)
監督:オリヴァー・ストーン
出演:テイラー・キッチュ,アーロン・ジョンソン,ブレイク・ライヴリー,
   ジョン・トラヴォルタ,ベニチオ・デル・トロ,サルマ・ハエック他

今月もTOHOシネマズデーに有休を取りました。
しかし、今回のメインは映画ではなく、30年来の友人2人とのランチで、
待ち合わせは心斎橋に11時半すぎ。
それまでに観られそうなのは『ドラえもん』ぐらいだろうと思っていたら、
公開を楽しみにしていた本作が、TOHOシネマズなんばで8:30から。
余裕で間に合うやんと喜び、仕事に行くときより1時間も早く家を出ました。

原作は大好きなドン・ウィンズロウ。
全作読破には至っていませんが、お気に入りは“探偵ニール・ケアリー”シリーズ。
ちょっと弱気なニールがぼやきながら巻き込まれていく事件がおもしろい。
シリーズ物以外では『カリフォルニアの炎』や『犬の力』、
特に後者は分厚い上下巻にぐいぐい引き込まれ、一気に読みました。
本作も『犬の力』と同じく、麻薬ビジネス絡みのお話です。

元海兵隊員のチョンと植物学者のベンは十代の頃から大親友。
ベンの専門知識を生かして大麻を栽培、ベンチャー企業を立ち上げる。
他とは比べものにならない高品質の大麻ゆえ、ビジネスは大成功。

カリフォルニアのリゾート地に豪邸を構えた2人は、何でも共有。
恋人のオフィーリア(通称O(オー))をも共有するという、
一見尋常ではない共同生活を送っているが、
彼女をめぐって喧嘩することも嫉妬することもなく、穏やかで幸せな日々。
彼らを取り巻く友人知人たちもその状況を当然のように受け入れている。

99%は暴力を排除したビジネスを心がけ、収益はアフリカの慈善事業へ。
トラブルとは無縁だったところへ、メキシコの巨大麻薬組織が提携を持ちかけてくる。
2人がそれを拒否すると、彼らの技術と顧客をどうしても手に入れたい組織は、
女ボスのエレナの指示のもと、Oを誘拐して服従を迫り……。

『バトルシップ』(2012)と『アルバート氏の人生』(2011)の兄ちゃんがチョンとベン。
後者の奥様は23歳年上の女性監督ですが、夫がこんな色男では気が気じゃないでしょうね。
超売れっ子になったブレイク・ライヴリー演じるOとの三角関係は、
いびつではあるものの、こんなのもありかなと思ってしまいます。
だって、タイプのちがう男前が2人、どちらか1人は必ずそばにいてくれるんでしょ。(^o^;

バブリーなカリフォルニアの景色の中に不穏な空気をもたらすのが、
組織の何でも屋ベニチオ・デル・トロ。ネットリ感が気色悪くて絶妙。
サルマ・ハエック演じる冷酷なエレナの肝っ玉かあちゃんと、
捜査官役のジョン・トラボルタの弾けっぷりも愉快です。

後味も悪くなく、小気味よい。
とってもユニークな麻薬ビジネスもの、優しさが見えるハードボイルドです。

ところで、胸を見せることは観る人の集中力をそぐものだからという理由で、
ブレイク・ライヴリーはヌードには絶対にならないと公言しています。
脱がなくても十分に集中力をそぎそうですけど、彼女のラブシーン。
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの後継者となれるかどうか。

平日の8:30、真ん中に通路のある小さめの劇場で、
通路両側すぐの席にズラリと並ぶ客(私以外は男性)の座り方も可笑しく。

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