今期は珍しくドラマを2本観ました。
1本はTBSの『とんび』。
重松清の著作は大好きですから、これは外せず。
初回の2時間スペシャルで観る前から挫けそうになりましたが
(だって2時間あったら映画1本観られるやん) 、
観はじめたら毎回号泣させられて、最終回まできっちり。
冬の海辺でお父さんに抱っこしてもらっても背中が寒い。
背中から温めてくれるはずのお母さんはいない。
親が片方しかいないというのはそういうこと。
けれども背中から温めてくれる人はほかにいっぱいいる。
おまえは寂しい奴なんかじゃない。
そう旭に話す和尚には、原作でもドラマでも泣かされました。
そしてもう1本は同じくTBSの深夜枠で放送中の『終電バイバイ』。
濱田岳演じる主人公が終電を逃し、始発までどうやって時間をつぶすのか。
1話完結型で、毎回役柄と駅が異なります。
第1夜は立川駅で終電を逃した物流会社に勤める主人公が、
駅前の彫像に戦いを挑んでいた男と知り合い、その男と一緒に、
何人もの若者が参加していたケイドロ(鬼ごっこ)に乱入する話でした。
これがビミョーで、録画するのは止めようかと思ったのですが、
まぁ次も観てみるかと思ったら、かなり面白い回もあり。
私的に気に入ったのは 第4夜。
PC修理会社社員で潔癖症の主人公が蒲田駅で終電を逃します。
商店街の定食屋の前で泥酔しているアイドルを見かけ、
なりゆきで彼女のマンションまで送ることに。
部屋に入ると、彼には耐えがたいほど片づいていない部屋。
相手は一応アイドル、あわよくば寝たい、でも潔癖症。さぁ、どうする。
第6夜も笑いました。
商社に勤める主人公は、モテモテの先輩社員と六本木へ飲みに。
ところが先輩は一向に帰る気配なく、終電を逃します。
先輩に連れて行かれたのはマンションの一室で、
「セクリ森本のセックス教室」なる怪しげな看板が。
なんと先輩は童貞で、つきあい始めた彼女に迫られて困っているらしい。
一人でそんな教室に行くのは恥ずかしくて後輩を道連れに。
そのほか、フランス人旅行者に朝までつきあったり、
ホームレスとダンサーを目指す若者たちの縄張り争いをとりなしたり。
深夜2時もまわってからの放送なので、ちょっとエロネタも入っていますが、
何しろ主役が濱田岳ですからね、ネタふりだけで、
“特命係長・只野仁”シリーズのようなハダカすら出てきません。
ある夜には元カノにメールを送ったけれど、
返信には冷たく「どちらさまですか」とあって凹んだり、
別の夜には元カノと再会して彼女の気持ちを推し量ってドキドキしたり、
そんなときの濱田岳演じる主人公の心の声が可笑しいです。
「大事なものは何なのか、ちゃんと考えよう」だとか、
「くだらないと言って手を出さないのは簡単、やってみなきゃ」だとか、
「自分のことをわかってもらえないと嘆いている人は、
相手のことをわかろうと努力していなかったりする」だとか、
そんなメッセージが感じられるのもよかったです。
こちらは今日が最終夜。さて如何に。