夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ATM』

2013年03月06日 | 映画(あ行)
『ATM』(原題:ATM)
監督:デヴィッド・ブルックス
出演:ブライアン・ジェラティ,ジョシュ・ペック,アリス・イヴ他

先月DVD化されたレンタル新作です。

キャッチコピーがめちゃそそる、「現金引き出し、命がけ」。
『[リミット]』(2010)と同じ脚本家による作品で、
どうやら私はこのシチュエーションスリラーなるジャンルは好きみたい。
『フローズン』(2010)もそうでしたが、あまりに悲惨すぎて爆笑。
劇場で観たいとは思いませんが、家で観るにはもってこい。

投資会社に勤務する青年デイヴィッドは、クリスマス間近のある日、
倒産の危機に陥らせてしまった顧客から電話を叩き切られて意気消沈。
その日は終業後にクリスマスパーティーが開催される予定だったが、
とても参加する気分にはなれずに帰宅しようとする。

ところが、同僚のコーリーがしつこく誘ってくる。
デイヴィッドが密かに想いを寄せるエミリーの転職が決まったらしく、
今日はエミリーの最後の出社日だというのだ。
エミリーに声をかけるチャンスはもうなくなるんだぞと言われ、
んじゃ少しだけと、パーティーに顔を出す。

勇気を振り絞ってエミリーに話しかけるが、緊張して会話が進まない。
お別れの挨拶も終わってから再び一大決心をすると、
エミリーを追いかけて、車で送って行く話を取りつける。

そこへまだパーティー会場にいると思っていたコーリーの姿が。
コーリーは自分も乗せて行ってくれと言い、
仕方なく了承したデイヴィッドは、2人を乗せて車を発進させる。

しかし、気を利かせてくれてもいいはずのコーリーが大迷惑な存在。
腹が減った、ピザを食いに行こう、そのためには現金が要る、
でも手持ちが少ない、そうだ、ATMに寄ってくれ。
幸いにしてエミリーはデイヴィッドとコーリーのやりとりに笑顔。

こうして深夜2時近い郊外の駐車場にぽつんと建つATMコーナーへ。
エミリーとふたりになりたくて、ATMからは少し離れた場所に駐車。
コーリーだけをATMに向かわせるが、やっとふたりきりになれたと思ったのも束の間、
コーリーがガラス窓を叩いて、こっちへ来てくれと叫んでいる。
カードの磁気不良で出金できないからデイヴィッドのカードで出金してほしいと。

呆れたデイヴィッドはATMへ。
ひとり取り残されるのも嫌で、エミリーもATMへ。

さて、お読みの方、誰もわざわざ観ないんじゃないかと思うので、
この先ネタバレ全開です。

出金してとっととピザ屋へ向かうはずが、ATMの建物の外に見える不気味な人影。
機械が空くのを待っているのかと思いきや、
犬の散歩に通りかかった別の男性がその人影にいきなり惨殺されます。
恐ろしい光景を目の当たりにして、建物の外へ出られなくなった3人。

あちらのATMコーナーって、深夜はカードで扉を開けるんですね。
犯人はカードを持っていないらしく、入ってくることができないから、
とりあえずは建物内にいなければ襲われずに済むんです。

けれども気温は氷点下21℃。なんぼ建物内でも寒すぎる。
携帯電話は車に置いたままで、外部と連絡を取るすべもなし。
通りすがりの車を運転していた警備員が異変に気づいてくれますが、
車を降りた瞬間に犯人にぶった切られます。

挙げ句の果てに、3人がちょっと油断した隙に入ってきた人物を犯人と勘違い。
犯人が入ることができるなら、もっと早くから入ってきてるっちゅうの。
そうしてデイヴィッドとコーリー、2人がかりで無関係なその人を絞め殺してしまうのです。
気づいたときにはすでに遅し、2人で罪をなすりつけ合い。

もう我慢できないとドアを開けて車まで走ろうとしたコーリーは
途中ですってんころりん、漫画のように転びます。そこを犯人に狙われてグサリ。
死んだかと思っていたコーリーがまだ絶命していないことに気づき、
デイヴィッドとエミリーはコーリーを救出。
なんとか建物内に連れ戻しますが、今度は犯人が建物内に水を流し込む作戦。

デイヴィッドは火災報知器を反応させて警備会社を呼ぼうと考えますが、
天井の火災報知器まではライターの火がなかなか届きません。
最終的にはデイヴィッドがエミリーを肩車(最初に気づけよ)、
みごと火災報知器を鳴らすことに成功しますが、
水に足を取られてよろめいた瞬間にエミリーが肩から落っこち、頭を打って絶命。

犯人に車でドアを塞がれていたものの、やっとの思いで外へ出たデイヴィッドは
悠長にキャンプ用の椅子に座って見物中らしき犯人に火を付けます。
しかしそれはダミーで周囲に爆発音。
駆けつけたパトカーに事情を説明しようとするも、
駐車場にはガードマンの死体、ATMコーナーにはコーリーとエミリーと知らない男の死体。
証言してくれるはずの防犯カメラには、建物外にいる犯人の姿は映りません。

10分もあるエンドロール中に、犯人があちこちのATMで犯行を計画するシーンが。
けれども犯人は明かされず、動機もまったく不明。単にATMでの殺人マニアか!?
も~、突っ込みどころ満載で、でも嫌いになれないんです、こういうのも。

後日、『映画秘宝』の3月号に掲載されていた広告を見てさらに笑いました。
「舞台は完全封鎖されたATM!マイナス21℃の極限 壮絶な脱出ゲームが、始まる」。
誰も脱出できませ~ん。(^^;

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