夜な夜なシネマ

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『ハナ 奇跡の46日間』

2016年03月03日 | 映画(は行)
『ハナ 奇跡の46日間』(英題:Korea)
監督:ムン・ヒョンソン
出演:ハ・ジウォン,ペ・ドゥナ,ハン・イェリ,チェ・ユニョン,
   イ・ジョンソク,パク・チョルミン,キム・ウンス他

前述の『クラシコ』に続き、“神戸スポーツ映画祭!”の2本目。
2012年の韓国作品。実話に基づく。

1990年代、韓国は空前の卓球ブームに沸く。
ブームの立役者と言われている女子選手ヒョン・ジョンファは、北朝鮮のリ・プニとライバル。
世界選手権ではプニにはなんとか勝つものの、中国の選手にはどうしても勝てない。
いつも中国に金メダルを持っていかれ、ジョンファは銀、プニは銅。

1991(平成3)年4月、世界選手権が日本の幕張でおこなわれる。
もちろんジョンファもプニもそれぞれ代表に選ばれるが、
政府の思惑で韓国と北朝鮮の統一チームとして参加することが決定。
そんな話は到底受け入れられないが、嫌なら代表から外すと言われる。

北朝鮮側は国家の決定に意義を唱えるつもりなど毛頭なく、ただ指示に従うのみ。
韓国側も渋々受け入れるが、規律正しい北朝鮮メンバーを茶化す韓国選手も。
練習方法、生活習慣、思想に至るまで何もかもが違いすぎる彼らは衝突ばかり。
しかし、毎日を過ごすうち、少しずつ選手間に変化が見られ始める。

プニとダブルスを組んでいたユ・スンボクは北朝鮮を出ること自体初めて。
極度の緊張から本領を発揮できず、瀬戸際に立たされる。
統一チームに勝利をもたらしたいと、スンボクは自分を外してほしいと監督に直訴。
どうかプニとジョンファにダブルスを組んでほしいと言い募り、
いまだ打ち解けていなかったジョンファとプニが組むことになるのだが……。

ユーモアをたっぷり交えた描写が楽しく、かつ泣かせどころはバッチリ。
せっかく共に闘って仲良くなっても、再会することはできない彼ら。
「電話するね、手紙書くよ」、普通ならそう言えるのに、
北朝鮮に帰ってしまう選手たちに対しては言えません。絶対に叶わないから。
めちゃめちゃ泣きました。

しかし、統一チームが中国を倒して金メダルを取ったことすら知らなかった私。
凄いニュースだったでしょうに。過去の映像を観てみたいです。

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