『ロブスター』(原題:The Lobster)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:コリン・ファレル,レイチェル・ワイズ,ジェシカ・バーデン,オリヴィア・コールマン,
ジョン・C・ライリー,レア・セドゥ,マイケル・スマイリー,ベン・ウィショー他
前述の『リリーのすべて』とハシゴ。
TOHOシネマズ梅田別館アネックスからテアトル梅田へ移動して。
アイルランド/イギリス/ギリシャ/フランス/オランダ/アメリカ作品。
監督はギリシャの奇才、ヨルゴス・ランティモス。
前作の『籠の中の乙女』(2009)の衝撃は今も忘れられません。
ドえらい監督が出てきたもんやなぁとビックリしました。
知らない俳優ばかりだった前作でしたが、評判を呼んだからか、
本作は世界各国の有名俳優だらけ。
コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、ジョン・C・ライリー、
ベン・ウィショー、レア・セドゥ。凄いです。
さて、しかし。本作もやはり衝撃度高し。なぜこんな物語を思いつくのか。
始終ニタニタしながら観ましたが、人には絶対に薦めません。
独身者は人とみなされない世界。
妻から突然別れを告げられたデヴィッドは、予期せず独身となる。
独身者が集められるホテルでは、45日の猶予が与えられ、
期限内にパートナーを見つけなければならない。
もしもそれができなければ、事前に希望した動物へと姿を変えられてしまうのだ。
デヴィッドがホテルに連れてきた犬も、もとはデヴィッドの兄。
こうしてデヴィッドはパートナー探しをはじめるが、なかなか思うようにはいかない。
45日の期限を延長するには、狩りの時間に脱走した独身者を捕らえること。
1人捕獲すれば1日期限を延ばしてもらえるのだ。
デヴィッドがパートナーとして良さそうだと感じたのは、血も涙もない女。
彼女は狩りで怒濤の成果を挙げ、150日以上もの期限延長を受けていたが、
デヴィッドとは相性がいいと思ってくれたらしく、見事カップルに。
カップルになっても、「えせ」でないことを証明せねばならず、
シングルルームからダブルルームへ移ってしばらく生活しなければならない。
その間に彼女に兄(=犬)を殺されたデヴィッドはたまりかねて彼女を殺害、ホテルから脱走する。
森へ逃げ込んだデヴィッドは、隠れ住む独身者の集団と遭遇。
そこでは女性リーダーを中心に強固なコミュニティが築かれていた。
ホテルとは対照的にカップルになることを禁じられているのだが、
皮肉にもデヴィッドは近視の女性と恋に落ちてしまい……。
結婚できなければ生物に変えられてしまうという発想が可笑しい。
登場人物は、主人公にはかろうじてデヴィッドという名前が与えられているものの、
ほかは「滑舌の悪い男」やら「足の悪い男」やら「鼻血を出す女」やら。
こうしたセンスが普通ではなく、私はニタニタ笑いが止まらず。
デヴィッド役のコリン・ファレルはデビュー当時は悪童と呼ばれ、
『タイガーランド』(2000)のときなど凄い肉体を見せてくれていたのに、
こんな腹の出たイケてないオッサン役なのが悲しすぎる。
だけど妙にそれが似合っていて、逆に演技に幅はできたような。
『籠の中の乙女』のラストが強烈だったので、本作もハッピーエンドはありえない。
覚悟して観たけれど、やっぱりブラックでシニカルきわまりないラスト。
でも、見せない部分を上手く使っているので、下品ではないんです。
この監督の作品は次も観てしまうでしょうね。
ちなみにタイトルの「ロブスター」はデヴィッドがなりたいと希望したものですが、
最後まで一度たりともロブスターは登場しません。
人にはお薦めできませんが、快作、いや怪作です。
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:コリン・ファレル,レイチェル・ワイズ,ジェシカ・バーデン,オリヴィア・コールマン,
ジョン・C・ライリー,レア・セドゥ,マイケル・スマイリー,ベン・ウィショー他
前述の『リリーのすべて』とハシゴ。
TOHOシネマズ梅田別館アネックスからテアトル梅田へ移動して。
アイルランド/イギリス/ギリシャ/フランス/オランダ/アメリカ作品。
監督はギリシャの奇才、ヨルゴス・ランティモス。
前作の『籠の中の乙女』(2009)の衝撃は今も忘れられません。
ドえらい監督が出てきたもんやなぁとビックリしました。
知らない俳優ばかりだった前作でしたが、評判を呼んだからか、
本作は世界各国の有名俳優だらけ。
コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、ジョン・C・ライリー、
ベン・ウィショー、レア・セドゥ。凄いです。
さて、しかし。本作もやはり衝撃度高し。なぜこんな物語を思いつくのか。
始終ニタニタしながら観ましたが、人には絶対に薦めません。
独身者は人とみなされない世界。
妻から突然別れを告げられたデヴィッドは、予期せず独身となる。
独身者が集められるホテルでは、45日の猶予が与えられ、
期限内にパートナーを見つけなければならない。
もしもそれができなければ、事前に希望した動物へと姿を変えられてしまうのだ。
デヴィッドがホテルに連れてきた犬も、もとはデヴィッドの兄。
こうしてデヴィッドはパートナー探しをはじめるが、なかなか思うようにはいかない。
45日の期限を延長するには、狩りの時間に脱走した独身者を捕らえること。
1人捕獲すれば1日期限を延ばしてもらえるのだ。
デヴィッドがパートナーとして良さそうだと感じたのは、血も涙もない女。
彼女は狩りで怒濤の成果を挙げ、150日以上もの期限延長を受けていたが、
デヴィッドとは相性がいいと思ってくれたらしく、見事カップルに。
カップルになっても、「えせ」でないことを証明せねばならず、
シングルルームからダブルルームへ移ってしばらく生活しなければならない。
その間に彼女に兄(=犬)を殺されたデヴィッドはたまりかねて彼女を殺害、ホテルから脱走する。
森へ逃げ込んだデヴィッドは、隠れ住む独身者の集団と遭遇。
そこでは女性リーダーを中心に強固なコミュニティが築かれていた。
ホテルとは対照的にカップルになることを禁じられているのだが、
皮肉にもデヴィッドは近視の女性と恋に落ちてしまい……。
結婚できなければ生物に変えられてしまうという発想が可笑しい。
登場人物は、主人公にはかろうじてデヴィッドという名前が与えられているものの、
ほかは「滑舌の悪い男」やら「足の悪い男」やら「鼻血を出す女」やら。
こうしたセンスが普通ではなく、私はニタニタ笑いが止まらず。
デヴィッド役のコリン・ファレルはデビュー当時は悪童と呼ばれ、
『タイガーランド』(2000)のときなど凄い肉体を見せてくれていたのに、
こんな腹の出たイケてないオッサン役なのが悲しすぎる。
だけど妙にそれが似合っていて、逆に演技に幅はできたような。
『籠の中の乙女』のラストが強烈だったので、本作もハッピーエンドはありえない。
覚悟して観たけれど、やっぱりブラックでシニカルきわまりないラスト。
でも、見せない部分を上手く使っているので、下品ではないんです。
この監督の作品は次も観てしまうでしょうね。
ちなみにタイトルの「ロブスター」はデヴィッドがなりたいと希望したものですが、
最後まで一度たりともロブスターは登場しません。
人にはお薦めできませんが、快作、いや怪作です。