夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『レッドタートル ある島の物語』

2016年09月28日 | 映画(ら行)
『レッドタートル ある島の物語』(原題:La Tortue Rouge)
監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

天満橋でタイ人夫妻と晩ごはんの前に映画を2本ハシゴ。
前述の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』に続いて、
同じくTOHOシネマズなんばにて。

日本/フランス/ベルギー作品。
オランダ出身のアニメーション作家マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが監督。
フランスの映画監督・脚本家であるパスカル・フェランが脚本を担当。
数々の宮崎駿作品でプロデューサーや脚本を務めたほか、
『火垂るの墓』(1988)や『かぐや姫の物語』(2013)ではメガホンを取った高畑勲が本作の製作に関わった、
スタジオジブリ思いきり絡みまくりの作品です。

無人島にたったひとりで漂着した男。
なんとか島を脱出しようと木を切って筏を完成させること3回。
いずれも海底から何者かに突き上げられて大破。
そいつの正体が大きな亀だと判明するが、対抗するすべはない。
筏がぶっ潰れるたびに沖から泳いで島に戻り、心身共にへとへと。

あるとき、目の前にあの亀が現れる。
自分をあざけるかのような亀に憎悪を募らせ、男は亀に殴りかかる。
砂浜に甲羅ごとひっくり返すと、もがく亀を何日も放置する。

やがて亀が力尽きたかに見えたとき、
なんとか亀を生き返らせようとするが、時すでに遅し。
後悔の念に駆られる男。

数日後、甲羅だけを残して亀の姿が消える。
代わりに男の前に美しい女が現れ……。

台詞は唸り声や叫び声以外にはひと言もなし。
詩的で非常に美しい映像ではありますが、
殺された亀が美女に生まれ変わって男と生涯を共にするという展開を
どう受け止めればいいのかわかりません。
鶴の恩返しではないし、赦しがテーマになっているのか。

眠くなっても不思議ではない作品なのに
ちっとも睡魔に襲われなかったのは、
やはり映像が美しくて退屈はしなかったからでしょう。
海、砂浜、森、空、すべてがこのうえなく美しい。
このなかにあっては台詞など無用のものだと思えます。
素人的意見ですが、目とか口とかがほとんど「・」のアニメーションなのに、
男と女と息子、それぞれの感情がきちんと伝わってくるのは凄い。
亀の気持ちだけがわからんかったということで。(^^;

大きなスクリーンで観たい作品です。

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