2018年6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3703ページ
ナイス数:995ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
■クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社文庫)
この表紙に口絵ですもの、映画『傷物語』を観ていなかったら、西尾維新を読もうと思わなかったはず。なのにいまやだだハマリ。主人公の「ぼく」は、超お嬢様学校から「姫ちゃん」を脱出させることに。忍び込んでみれば映画『レッド・スパロー』顔負けの殺し屋養成所。カワイイ顔して怖すぎるよ女子高生。ありえない設定ながらちゃんとミステリー。そして、西尾さんは言葉遊びがいつも楽しい。ポンポン飛び交う会話にニヤニヤ。「生き物狂いで」とか「敵に塩を塗り込む」とか、かなり私のツボ。人類最強の請負人カッコよすぎ。あなたについていきます♪
読了日:06月02日 著者:西尾 維新
https://bookmeter.com/books/578543
■ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
ホラーを回避していた頃の自分が懐かしい。来年公開の映画版のキャストも併記。新婚の秀樹(妻夫木聡)と香奈(黒木華)を襲う怪異。オカルトライターの野崎(岡田准一)の紹介で、霊能者姉妹の真琴(小松菜奈)と琴子(松たか子)の力を借りる。3部構成で語り手が替わり、同じ人のことでも視点で印象が異なる。人はいかに善人を装って生きているものなのか。結局のところ、化け物を呼ぶのはどす黒い感情。心が健康であれば、入り込まれる隙も溝もない。こりゃ堂々のイヤミス。最後の寝言は可愛くないぞ。怯えつつ、きっと映画も観に行ってしまう。
読了日:06月04日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/12655058
■星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き (講談社文庫)
天は二物を与えるもの、フレンチの出張料理人が小説を書けば芥川賞候補。顧問と部長しかいなくて廃部寸前の料理部に入部した女子ふたり。目玉焼きに始まり、チャレンジするのはオムレツ、ハンバーグ、焼きそば、カレーライス、ハンバーガー。数日後には忘れてしまいそうな軽さながら、読んでいる間は結構楽しい。目玉焼きをナメちゃいかん。料理の蘊蓄にもなるほど。各章に登場するプチ謎は、流行りのグルメ小説に流行りの日常系ミステリーを盛り込んでみましたという印象でイマイチ乗れない。それよりなぜに偏差値68なのかがいちばん謎だ(笑)。
読了日:06月06日 著者:樋口 直哉
https://bookmeter.com/books/12826211
■羊と鋼の森 (文春文庫 み)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】冒頭のシーン、薄闇の体育館の中、窓から射す雪の光に照らされるピアノを見ただけで引き込まれました。江藤楽器に初出勤した日の外村くんの表情がすごく良い。原作のいいところがぎゅっと凝縮されていて、大好きだったゆで卵についての会話や、原作で印象に残っている台詞がバッチリと。欲をいえば、秋野さんの調律シーンも見たかったなぁ。映画がよかったからなのか、物音を立てる客なし。そうそう余談、吉行和子って、『家族はつらいよ』とこれと、調律師の孫がふたりもいることになりますね(笑)。
読了日:06月10日 著者:宮下 奈都
https://bookmeter.com/books/12552692
■瑕疵借り (講談社文庫)
好奇心のみで見に行くのは不謹慎だろうと思いつつも、事故物件公示サイト「大島てる」をたまに覗いています。そのサイトが推薦する作品だというのですから、読まずにはいられません。訳あり物件に一定期間住まう「瑕疵借り」。一旦瑕疵借りを住まわせることによって、次の借り手への告知義務を失効にできる場合があるそうな。一見冷ややかな瑕疵借りの藤崎の仕事ぶりを知るにつれ、どうしようもなく彼に惹かれます。死者の意を汲んでこその瑕疵借り。彼があきらかにする真実はとてつもなく切ない。シリーズ化してもいいんじゃないかと。惚れました。
読了日:06月10日 著者:松岡 圭祐
https://bookmeter.com/books/12847030
■なつかしの関西ラブホテル60年 裏のうらのウラ話
私と1ミリも怪しい関係にない職場のオジサマから頂いた本。2006年の発行で、著者は『11PM』で鳴らした昭和一桁生まれ。今読むと言い回しがスベリ気味なのは否めません。そこをスルーすれば、年代を追って書かれたラブホの歴史は面白い。ラブホ急増で興信所も大流行り。コンドームを売るのは薬事法違反だから、私物を分けるという形にしたらチップが貯まったetc.。どこか時代のかぶる人には懐かしさもあるはず。私の場合はたまに桜宮の寂れたラブホ街を車で駆け抜けることがあるため、今後はこの本を思い出して郷愁に浸ってしまいそう。
読了日:06月11日 著者:近藤 利三郎
https://bookmeter.com/books/1297262
■「ラブホ」の経営学―この道40年の第一人者が明かす、驚異の大儲け法
私とは1ミリも怪しい関係にない職場のオジサマから頂いたラブホの本、2冊目。これまた2005年の発行。ごめんなさい、睡魔に襲われました。1,600棟ものラブホの設計に関わった著者は確かに凄い。おそらくカリスマ性も持ち合わせていて、当時は信者のようなファンも多かったのだろうと思います。それゆえかずいぶん上から目線に感じられて、ずっと自慢話を聞かされているような気持ちになってしまいました。それよりも、数カ所に鉛筆で書き入れられた傍線が気になる。この本をくれたオジサマ、密かにラブホの経営を狙っていたのかしらん。
読了日:06月12日 著者:亜美伊 新
https://bookmeter.com/books/1264227
■少し変わった子あります (文春文庫)
とても品が良いのです。毎回ちがう場所で営業している、名前すらない店。食事を共にするのは、女将が寄越す女性。色っぽいことは皆無。ただ、一緒に食事するだけ。なぜか田中啓文の『こなもん屋うま子』やつげ義春を思い出します。それらの上品版かつノーマル版みたいな感じ。しらふの状態で読まないと、時折眠気に誘われたりもするけれど(ほなら飲むな(笑))、くせになる不思議な雰囲気です。食べる所作が美しいということ。それだけでじゅうぶん一緒に食事をしていて心地よくなれるのかもしれません。「具体的な話」と「抽象的な話」が面白い。
読了日:06月14日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/570949
■空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】6年前に読んだときのことは今でも忘れられません。読書中にこれほど頭に血が上り、また、感極まった本は他にちょっとない。DVDをレンタルして観たWOWOWドラマ版に比べると、2時間に収められてしまったせいで物足りない気が。とはいうものの、本木克英監督のこと、豪華キャストでわかりやすく、エンターテインメント性に富んでいるから、原作読まずWOWOW版も観ずの人なら「すげぇ面白かった」と言うはず。ムロツヨシがかつてないほどキャラ薄めで普通に見えます。それでも濃いけど(笑)。
読了日:06月16日 著者:池井戸 潤
https://bookmeter.com/books/552618
■([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫)
若手編集者が自分の惚れ込んだ本を出版するまで。出版社は売れる本を出したいから、落ち目作家の作品にGOを出させるなんて至難の業。大崎梢の作品の中でこれがNo.1。主人公とどの人との関わりにも魅せられました。解説で宮下奈都が書いているように、泣ける小説が良いわけじゃない。でもこれはまちがいなく良い小説。今は売れなくても、一冊がいつかきっと百冊に、千冊になる。数年後の誰かを感動させるために、彼らは本をつくる。人気作家とはいえない人の作品の中に、自分にピタリとくるものを見つけたときの幸せ。だから私たちは本を読む。
読了日:06月19日 著者:大崎 梢
https://bookmeter.com/books/8128978
■にょっ記 (文春文庫)
地震に遭いました。生まれて初めての震度6は、恐怖で立ちすくんでしまうほどの揺れでした。翌日は大雨の予報で避難指示まで出て、少しでも明るい気持ちにしてくれそうな穂村さんにしました。先に読んだ『にょにょっ記』のほうが笑えたけれど、これもいっぱい笑わせてもらいました。下ネタに走っても、ハイジのパンツを覗いても、なぜか上品なお方。同じことをリリー・フランキーとかみうらじゅんが言ったなら、たぶん私はゲゲ〜っと言ったでしょう。あ、おふたりとも好きですからね(笑)。沈んだ気持ちも本に救われる。ありがとうと言いたいです。
読了日:06月20日 著者:穂村 弘
https://bookmeter.com/books/571620
■スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)
昭和一桁生まれ、戦争を知っている人たちは、本人が意識しようがしまいが心の持ち様がちがう。それを強く感じた大阪北部地震です。本作に登場する爺ちゃんもそう。「死にたか」が口癖の祖父。その願いを叶えてやりたいと思う孫。しかし祖父の尊厳を守ろうとする孫の「良い話」というわけではありません。死ぬつもりもなさそうな祖父の様子を見て、孫が体を鍛え始める辺り、いつもながらに羽田さんはブラック。今回の地震後、そういう皮肉めいた見方ではなく、命があればそれで良しという両親の姿に驚き、意外にデカかったな我が両親と思うのでした。
読了日:06月23日 著者:羽田 圭介
https://bookmeter.com/books/12757853
■こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)
2カ月半前に観た映画『ボス・ベイビー』を思い出させる表紙です。ベテラン刑事の羽田が殉職、後輩刑事の鈴木の息子に生まれ変わる。中盤、羽田と衝撃の事実を知った鈴木がこっそり会話する辺りはめちゃくちゃ可笑しい。からだは赤ちゃんだから上手く喋れず、「ひょの通りだ」とか(笑)。終盤、「アンタは木下半太か」な展開にちょい引くも、もし映像化されたらまず泣くでしょう。いないいないばあは止めどきがわからんと思っている人。赤ちゃんから「もう飽きてるのに喜んでるふりするの面倒くさいねん。ええかげん止めて」と思われているかも!?
読了日:06月27日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/10770984
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3703ページ
ナイス数:995ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
■クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社文庫)
この表紙に口絵ですもの、映画『傷物語』を観ていなかったら、西尾維新を読もうと思わなかったはず。なのにいまやだだハマリ。主人公の「ぼく」は、超お嬢様学校から「姫ちゃん」を脱出させることに。忍び込んでみれば映画『レッド・スパロー』顔負けの殺し屋養成所。カワイイ顔して怖すぎるよ女子高生。ありえない設定ながらちゃんとミステリー。そして、西尾さんは言葉遊びがいつも楽しい。ポンポン飛び交う会話にニヤニヤ。「生き物狂いで」とか「敵に塩を塗り込む」とか、かなり私のツボ。人類最強の請負人カッコよすぎ。あなたについていきます♪
読了日:06月02日 著者:西尾 維新
https://bookmeter.com/books/578543
■ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
ホラーを回避していた頃の自分が懐かしい。来年公開の映画版のキャストも併記。新婚の秀樹(妻夫木聡)と香奈(黒木華)を襲う怪異。オカルトライターの野崎(岡田准一)の紹介で、霊能者姉妹の真琴(小松菜奈)と琴子(松たか子)の力を借りる。3部構成で語り手が替わり、同じ人のことでも視点で印象が異なる。人はいかに善人を装って生きているものなのか。結局のところ、化け物を呼ぶのはどす黒い感情。心が健康であれば、入り込まれる隙も溝もない。こりゃ堂々のイヤミス。最後の寝言は可愛くないぞ。怯えつつ、きっと映画も観に行ってしまう。
読了日:06月04日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/12655058
■星ヶ丘高校料理部 偏差値68の目玉焼き (講談社文庫)
天は二物を与えるもの、フレンチの出張料理人が小説を書けば芥川賞候補。顧問と部長しかいなくて廃部寸前の料理部に入部した女子ふたり。目玉焼きに始まり、チャレンジするのはオムレツ、ハンバーグ、焼きそば、カレーライス、ハンバーガー。数日後には忘れてしまいそうな軽さながら、読んでいる間は結構楽しい。目玉焼きをナメちゃいかん。料理の蘊蓄にもなるほど。各章に登場するプチ謎は、流行りのグルメ小説に流行りの日常系ミステリーを盛り込んでみましたという印象でイマイチ乗れない。それよりなぜに偏差値68なのかがいちばん謎だ(笑)。
読了日:06月06日 著者:樋口 直哉
https://bookmeter.com/books/12826211
■羊と鋼の森 (文春文庫 み)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】冒頭のシーン、薄闇の体育館の中、窓から射す雪の光に照らされるピアノを見ただけで引き込まれました。江藤楽器に初出勤した日の外村くんの表情がすごく良い。原作のいいところがぎゅっと凝縮されていて、大好きだったゆで卵についての会話や、原作で印象に残っている台詞がバッチリと。欲をいえば、秋野さんの調律シーンも見たかったなぁ。映画がよかったからなのか、物音を立てる客なし。そうそう余談、吉行和子って、『家族はつらいよ』とこれと、調律師の孫がふたりもいることになりますね(笑)。
読了日:06月10日 著者:宮下 奈都
https://bookmeter.com/books/12552692
■瑕疵借り (講談社文庫)
好奇心のみで見に行くのは不謹慎だろうと思いつつも、事故物件公示サイト「大島てる」をたまに覗いています。そのサイトが推薦する作品だというのですから、読まずにはいられません。訳あり物件に一定期間住まう「瑕疵借り」。一旦瑕疵借りを住まわせることによって、次の借り手への告知義務を失効にできる場合があるそうな。一見冷ややかな瑕疵借りの藤崎の仕事ぶりを知るにつれ、どうしようもなく彼に惹かれます。死者の意を汲んでこその瑕疵借り。彼があきらかにする真実はとてつもなく切ない。シリーズ化してもいいんじゃないかと。惚れました。
読了日:06月10日 著者:松岡 圭祐
https://bookmeter.com/books/12847030
■なつかしの関西ラブホテル60年 裏のうらのウラ話
私と1ミリも怪しい関係にない職場のオジサマから頂いた本。2006年の発行で、著者は『11PM』で鳴らした昭和一桁生まれ。今読むと言い回しがスベリ気味なのは否めません。そこをスルーすれば、年代を追って書かれたラブホの歴史は面白い。ラブホ急増で興信所も大流行り。コンドームを売るのは薬事法違反だから、私物を分けるという形にしたらチップが貯まったetc.。どこか時代のかぶる人には懐かしさもあるはず。私の場合はたまに桜宮の寂れたラブホ街を車で駆け抜けることがあるため、今後はこの本を思い出して郷愁に浸ってしまいそう。
読了日:06月11日 著者:近藤 利三郎
https://bookmeter.com/books/1297262
■「ラブホ」の経営学―この道40年の第一人者が明かす、驚異の大儲け法
私とは1ミリも怪しい関係にない職場のオジサマから頂いたラブホの本、2冊目。これまた2005年の発行。ごめんなさい、睡魔に襲われました。1,600棟ものラブホの設計に関わった著者は確かに凄い。おそらくカリスマ性も持ち合わせていて、当時は信者のようなファンも多かったのだろうと思います。それゆえかずいぶん上から目線に感じられて、ずっと自慢話を聞かされているような気持ちになってしまいました。それよりも、数カ所に鉛筆で書き入れられた傍線が気になる。この本をくれたオジサマ、密かにラブホの経営を狙っていたのかしらん。
読了日:06月12日 著者:亜美伊 新
https://bookmeter.com/books/1264227
■少し変わった子あります (文春文庫)
とても品が良いのです。毎回ちがう場所で営業している、名前すらない店。食事を共にするのは、女将が寄越す女性。色っぽいことは皆無。ただ、一緒に食事するだけ。なぜか田中啓文の『こなもん屋うま子』やつげ義春を思い出します。それらの上品版かつノーマル版みたいな感じ。しらふの状態で読まないと、時折眠気に誘われたりもするけれど(ほなら飲むな(笑))、くせになる不思議な雰囲気です。食べる所作が美しいということ。それだけでじゅうぶん一緒に食事をしていて心地よくなれるのかもしれません。「具体的な話」と「抽象的な話」が面白い。
読了日:06月14日 著者:森 博嗣
https://bookmeter.com/books/570949
■空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】6年前に読んだときのことは今でも忘れられません。読書中にこれほど頭に血が上り、また、感極まった本は他にちょっとない。DVDをレンタルして観たWOWOWドラマ版に比べると、2時間に収められてしまったせいで物足りない気が。とはいうものの、本木克英監督のこと、豪華キャストでわかりやすく、エンターテインメント性に富んでいるから、原作読まずWOWOW版も観ずの人なら「すげぇ面白かった」と言うはず。ムロツヨシがかつてないほどキャラ薄めで普通に見えます。それでも濃いけど(笑)。
読了日:06月16日 著者:池井戸 潤
https://bookmeter.com/books/552618
■([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫)
若手編集者が自分の惚れ込んだ本を出版するまで。出版社は売れる本を出したいから、落ち目作家の作品にGOを出させるなんて至難の業。大崎梢の作品の中でこれがNo.1。主人公とどの人との関わりにも魅せられました。解説で宮下奈都が書いているように、泣ける小説が良いわけじゃない。でもこれはまちがいなく良い小説。今は売れなくても、一冊がいつかきっと百冊に、千冊になる。数年後の誰かを感動させるために、彼らは本をつくる。人気作家とはいえない人の作品の中に、自分にピタリとくるものを見つけたときの幸せ。だから私たちは本を読む。
読了日:06月19日 著者:大崎 梢
https://bookmeter.com/books/8128978
■にょっ記 (文春文庫)
地震に遭いました。生まれて初めての震度6は、恐怖で立ちすくんでしまうほどの揺れでした。翌日は大雨の予報で避難指示まで出て、少しでも明るい気持ちにしてくれそうな穂村さんにしました。先に読んだ『にょにょっ記』のほうが笑えたけれど、これもいっぱい笑わせてもらいました。下ネタに走っても、ハイジのパンツを覗いても、なぜか上品なお方。同じことをリリー・フランキーとかみうらじゅんが言ったなら、たぶん私はゲゲ〜っと言ったでしょう。あ、おふたりとも好きですからね(笑)。沈んだ気持ちも本に救われる。ありがとうと言いたいです。
読了日:06月20日 著者:穂村 弘
https://bookmeter.com/books/571620
■スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)
昭和一桁生まれ、戦争を知っている人たちは、本人が意識しようがしまいが心の持ち様がちがう。それを強く感じた大阪北部地震です。本作に登場する爺ちゃんもそう。「死にたか」が口癖の祖父。その願いを叶えてやりたいと思う孫。しかし祖父の尊厳を守ろうとする孫の「良い話」というわけではありません。死ぬつもりもなさそうな祖父の様子を見て、孫が体を鍛え始める辺り、いつもながらに羽田さんはブラック。今回の地震後、そういう皮肉めいた見方ではなく、命があればそれで良しという両親の姿に驚き、意外にデカかったな我が両親と思うのでした。
読了日:06月23日 著者:羽田 圭介
https://bookmeter.com/books/12757853
■こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)
2カ月半前に観た映画『ボス・ベイビー』を思い出させる表紙です。ベテラン刑事の羽田が殉職、後輩刑事の鈴木の息子に生まれ変わる。中盤、羽田と衝撃の事実を知った鈴木がこっそり会話する辺りはめちゃくちゃ可笑しい。からだは赤ちゃんだから上手く喋れず、「ひょの通りだ」とか(笑)。終盤、「アンタは木下半太か」な展開にちょい引くも、もし映像化されたらまず泣くでしょう。いないいないばあは止めどきがわからんと思っている人。赤ちゃんから「もう飽きてるのに喜んでるふりするの面倒くさいねん。ええかげん止めて」と思われているかも!?
読了日:06月27日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/10770984