夜な夜なシネマ

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『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

2018年07月13日 | 映画(は行)
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(原題:Battle of the Sexes)
監督:ヴァレリー・ファリス,ジョナサン・デイトン
出演:エマ・ストーン,スティーヴ・カレル,アンドレア・ライズボロー,サラ・シルヴァーマン,
   ビル・プルマン,アラン・カミング,エリザベス・シュー他
 
前述の『天命の城』を観たあと、TOHOシネマズ梅田へ移動して。
ちょっとエロの入ったコメディを想像させるタイトルですが、そうではありません。
って、あれ?そんな想像をしたのは私だけか?(笑)
1973年に女子テニスのチャンピオンと元男子チャンピオンが戦った実話が基。
『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)がよかったヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン監督コンビで。
 
全米女子テニス・チャンピオンのビリー・ジーン・キング。
実力人気ともに抜群の彼女は、女子の優勝賞金が男子のそれの1/8であることに反発。
テニス協会会長のジャック・クレイマーに直訴するが、
ジャックが言うには、女子テニスは男子テニスほど人気がない、
客を呼び込めないのだから、優勝賞金が少なくて当たり前だと。
ならば男子は女子の8倍の客を呼べるというのか。理屈がおかしいだろ。
ビリー・ジーンは同志を募り、女子テニス協会を立ち上げる。
 
数々の困難にぶち当たりつつも、なんとか女子だけの大会開催にこぎつける。
そんな折り、ビリー・ジーンの前に現れたのが、
選手たちの行きつけのサロンの美容師マリリン・バーネット。
バイセクシュアルらしいマリリンは、一同のツアーに帯同。
ビリー・ジーンは献身的な夫ラリーを持つ身でありながら、マリリンを部屋へと誘う。
 
一方、男子テニスの元チャンピオンで55歳のボビー・リッグスはギャンブル依存症
しかもめっぽう強くて、負けることがない。
妻のプリシラの目を盗んではギャンブルに手を出し、
ときには戦利品としてロールスロイスを得るほど。
プリシラに愛想を尽かされ、一人暮らしの息子の家に身を寄せていたある日、
女子テニスのニュースを見て思いつく、エキシビションマッチを開催してはどうかと。
 
さっそくボビーはビリー・ジーンに電話し、
女子テニスは資金繰りも難しいだろうと高額ギャラをちらつかせ、試合を申し込む。
頭に来たビリー・ジーンがすぐに断るが、ボビーはめげない。
 
やがてボビーはターゲットをビリー・ジーンのライバル、マーガレット・コートに変える。
というのも、ビリー・ジーンは現在マリリンに首ったけ。
その影響が必ずプレイに出るから、次の試合はマーガレットがビリー・ジーンに勝つはず。
いちばん強い女子選手と対戦しなければ意味がないからと、
ボビーはマーガレットにエキシビションマッチを申し込む。結果、ボビーの圧勝。
 
このままでは終われないと考えたビリー・ジーンは、
ボビーの挑戦を受けることにするのだが……。
 
実際はどうだったのかわかりませんが、
エマ・ストーン演じるビリー・ジーンには同性としてあまり共感できません。
そこまで人望を集められそうな人としては描かれていない。
好奇心でマリリンと寝て、でも世間体がすごく気になるし、夫にバレそうになると取り繕う。
嫌なところも弱いところもあるから人間らしいとも言えますが、どうなんだか。
 
反対に、スティーヴ・カレル演じるボビーは、ちっとも嫌な奴じゃない。
男性至上主義を謳っているけれど、女性蔑視は話題作りのポーズに見える。
そこのところはビリー・ジーンもわかっていて、
本当に厄介なのはテニス協会会長のジャックだということを明言しています。
ボビーが愛嬌のあるいい奴に見えるだけに、ビリー・ジーンどうよと思ってしまうのでした。
 
いちばん心を惹かれたのは、ユニフォームのデザイナー、テッド・ティンリング。
テッド役のアラン・カミングは実生活でカミングアウトしているだけに、
「時代は変わる。いずれ自由に人を愛せるようになる」という言葉が心に響きました。

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