夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ルームロンダリング』

2018年07月24日 | 映画(ら行)
『ルームロンダリング』
監督:片桐健滋
出演:池田エライザ,渋川清彦,健太郎,光宗薫,木下隆行,奥野瑛太,
   つみきみほ,田口トモロヲ,渡辺えり,オダギリジョー他

三連休の最終日、某試験を受けるダンナを会場へ送り届けました。
そういえば去年もそうだったなぁ。毎年受け続けているこの試験。
落ちても勉強は無駄にならないから良しとして、早く受からないかしらん。

試験の終わる夕方にまた会場まで迎えに行く予定。
それまでに梅田で映画を2本観ることにしました。
あまりに暑いから、梅田までそのまま車で行きたいところだけれど、
もしも帰りに道路が混んでいて、迎えが間に合わなくなると困る。
最寄りの駅のコインパーキングに駐車して、電車で梅田へ向かいました。

シネ・リーブル梅田で2本ハシゴの1本目に選んだのは本作。
前月の試写会に応募したのに外れたヤツです。
絶対当たると思っていたから外れたのが悔しくてスルーするつもりが、
先日読んだ『瑕疵借り』という本が面白く、それとかぶる内容にスルーできず。

八雲御子(みこ)(池田エライザ)、20歳。
幼い頃に父親を亡くし、母親(つみきみほ)も失踪、祖母(渡辺えり)に引き取られる。
しかしその祖母も御子が18歳のときに他界し、
葬儀にやってきた母親の弟、悟郎(オダギリジョー)が御子の面倒をみるという。

怪しげな不動産屋を営む悟郎が御子に紹介した仕事は、
事故物件に一定期間住んで報酬を得るというもの。
自殺等の事件があった部屋は、その旨を不動産屋が借り主に告知する義務があるのだが、
告知しなければいけない期間は特に定められていないため、
御子に一定期間住まわせておけば、その後の借り主には告知しなくて良いからだ。

実は御子には死んだ人間が見えるという特技がある。
幽霊たちから何か悪さをされるわけでもないから、別に怖くもない。
この仕事を始めてからすでに3人の幽霊と遭遇。
4人目となったのが、自殺したパンク野郎、公比古(渋川清彦)。

この世に未練ありありの公比古の愚痴を聞くはめになった御子だったが、
諸般の事情から短期間でその部屋を出ることに。
5人目として遭遇したのは、刺殺された悠希(光宗薫)。

気がつけば、公比古も悠希の部屋へ出入りするようになって御子は唖然。
さらには、ご近所さんとのおつきあいは御法度なのに、
隣の部屋に住む亜樹人(健太郎)が何かと御子に声をかけてきて……。

曰く付きの部屋というのはなんだか怖いもの。
『残穢 住んではいけない部屋』(2015)なんて怖すぎるけど、『瑕疵借り』は切なく温かかった。
そして本作はとてもユーモラスで楽しく可笑しく切なくもあり。

どこからどう見ても怪しい悟郎役のオダギリジョーがめちゃくちゃイイ。
御子たち生きている人間と幽霊が一致団結して刺殺犯逮捕に当たるシーン、痛快です。

“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015”の準グランプリ受賞作。
ちなみにこのときのグランプリ受賞作は『嘘を愛する女』でした。
原作が別にある映画が多いなか、オリジナル脚本はなんだか嬉しい。
これがデビュー作の片桐健滋監督、今後注目&応援します。

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