夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『トスカーナの幸せレシピ』

2019年11月08日 | 映画(た行)
『トスカーナの幸せレシピ』(原題:Quanto Basta)
監督:フランチェスコ・ファラスキ
出演:ヴィニーチョ・マルキオーニ,ヴァレリア・ソラリーノ,ルイジ・フェデーレ,ニコラ・シリ,
   ミルコ・フレッツァ,ベネデッタ・ポルカローリ,ジャンフランコ・ガッロ,アレッサンドロ・アベル他
 
へろっへろの日々が続くけど、観逃したくなかった作品がこれ。
土日祝は工事で新御が混むから、平日の仕事帰りにシネ・リーブル梅田へ。
 
中年男のアルトゥーロは、自他共に認める一流の料理の腕を持ち、
三ツ星レストランのシェフを務めていたのに、
短気な性格ゆえ怒りを抑えられず、職場で暴力を働いて刑務所入り。
出所の条件として社会奉仕活動を命じられ、
自立支援施設でアスペルガー症候群の若者たちに料理を教えることに。
 
さまざまな若者たちのなかに、絶対的な味覚と嗅覚の持ち主グイドがいた。
施設の指導者アンナは、祖父母と一緒に暮らすグイドの将来を特に心配。
高齢の祖父母にいつまで頼れるかわからず、早く自立させたいからだ。
 
料理が大好きなグイドは、有名シェフだったアルトゥーロのこともよく知っている。
アルトゥーロが来てくれたことを喜び、“若手料理人コンテスト”に出場したいと言い出す。
無理に決まっているとあきれるアルトゥーロだったが、
聞き入れようとしないグイドを見たアンナに懇願され、渋々引き受ける。
 
コンテストの会場であるトスカーナへと向かうアルトゥーロとグイドだったが……。
 
出所して自分の店を持ちたいのに金がない。
師匠に頼みに行くと短気な性格のせいで何度裏切られたことかと断られ、
友人に相談したときに言われることが面白い。
一ツ星だと腕が勝ちすぎる、三ツ星なら性格が問題視される。
腕さえよければ店が持てるというわけではないのですね。
 
これがハリウッド映画なら、もっと煽って感動的な話に仕立て上げたはず。
わりと淡々と進み、ラストもわりとあっさりと。
でも、師匠がいい味を出していてニヤリとさせられます。
小品だけど良い作品。
 
必要なのは完璧なポモドーロ。チョコレートソースなんてもってのほかですって。
ティンバッロ、食べたい!

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