夜な夜なシネマ

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『閉鎖病棟 それぞれの朝』

2019年11月18日 | 映画(は行)
『閉鎖病棟 それぞれの朝』
監督:平山秀幸
出演:笑福亭鶴瓶,綾野剛,小松菜奈,高橋和也,木野花,渋川清彦,
   小林聡美,片岡礼子,山中崇,根岸季衣,ベンガル他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
 
1950(昭和20)年生まれの平山秀幸監督。
基本的に安心できる作品を撮っていらっしゃるイメージがありますが、
ときには『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)みたいなカックン作品がある。
どうか本作はそんなことありませんようにと祈りながら鑑賞。
ある程度以上の年齢の人なら皆「よかった」と言えそうな作品でした。ホッ。
 
殺人を犯し、死刑囚の身だった梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。
死刑の執行を受けたのに、死亡が確認されてから息を吹き返す。
二度に渡って死刑を執行することはできず、
扱いに困った法務省は秀丸を精神病院「六王寺病院」へ送り込む。

執行に失敗したさいに脊髄を負傷した秀丸は、車椅子生活
しかし、誰に対しても分け隔てなく優しく接する彼は、
六王寺病院の患者のみならず、スタッフたちからも慕われる存在。
幻聴に苦しむ患者の塚本中弥(綾野剛)も秀丸を慕うひとり。
 
ある日、六王寺病院に女子高生の島崎由紀(小松菜奈)がやってくる。
母親(片岡礼子)によれば、ひと月ほど前から口をきかず、不登校だという。
スタッフの隙をついて病院の屋上から飛び降り、
自殺を図った由紀は実は妊娠していたが、飛び降りた衝撃で流産。
彼女が継父から性的虐待を受けていたことを誰も知らない。
 
中弥が育てていた椿の上に落ちた由紀は軽傷で済み、
病院に身を置くうち、秀丸と中弥には心を開くようになるのだが……
 
若手女優の中では小松菜奈がダントツで好きです。
恋に悩む可愛い女子高生の役もできれば、奇天烈な霊媒師の役もできるし、
こんな影のある女性役もできる。今回も非常にイイ。
頑なだった心が少しほどけそうなときに心にも体にも暴力を負わせる人が憎いです。
 
秀丸が車椅子生活を余儀なくされた理由も違うし、
映画版では死刑執行に失敗して精神病院に入れられるけれど、
原作ではもっと無責任に放り出されている。
死刑執行に失敗するなんて、そうあることではないでしょうが、
実際にこういうことが起きた場合はいったいどうなるの?
 
原作では最低最悪な奴の胸だか腹だかを突き刺していましたが、
映画版では股間を刺していてスッキリ。(^^;
 
事情がない人なんていない。でも、生きていればこそ。

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