夜な夜なシネマ

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『アーニャは、きっと来る』

2021年01月04日 | 映画(あ行)
『アーニャは、きっと来る』 (原題:Waiting for Anya)
監督:ベン・クックソン
出演:ノア・シュナップ,トーマス・クレッチマン,フレデリック・シュミット,
   ジャン・レノ,アンジェリカ・ヒューストン他
 
レトロ感満載すぎると思っていたイオンシネマ茨木ですが、
55歳からシニア料金1,100円で鑑賞できます。
いつでも1,100円だと思うと、ついつい出向いてしまうのでした。
 
原作はマイケル・モーパーゴの児童文学。
ついこの間まで名前も知らなかったノア・シュナップ主演。売れっ子だわ。
南仏が舞台なのに全編英語というところに違和感がありますが、
イギリス/ベルギー作品だし、原作者はイギリス出身だし、
まぁ気にしないことにしましょう。
 
この至って平和な村にナチスが乗り込んでくる。
 
13歳の少年ジョーは、捕虜となっている父親の留守を守り、
祖父アンリに教えを請いながら羊飼いをしていたが、
ある日、居眠りをした隙に熊に襲われかける。
慌てて羊を放置し、アンリに熊の出没を告げに走ったところ、
熊はアンリ率いる村人たちに撃ち殺され、
ジョーは熊を発見した者として褒められる。
 
羊と共に森に放置してきた飼い犬を探しに森へ出かけると、
そこには子熊の世話をするベンジャミンがいた。
母熊が殺されるに至ったのは自分のせいだとジョーは悟り、
翌日、子熊が好むであろうミルクを持ってベンジャミンを訪ねる。
 
ベンジャミンはユダヤ人で、
村では異端視されている女性オルカーダのもとに身を寄せていた。
オルカーダはベンジャミンとユダヤ人の子どもたちを匿い、
折を見て彼らをスペインへ逃亡させようとしているらしく……。
 
これの原作が児童書なの!?とちょっとビックリ。
児童書にしてはかなり辛い物語ですが、でもなるほど凄く教育的。
どこに生まれようが人は同じだよ。正しいことをしようね。
そう強く言われている気がします。
 
残念なのは、ノア・シュナップが美形で芸達者すぎるゆえ、
物語が作り物っぽく見えてしまうこと。
映画だから作り物なのは当たり前なのですが、
もうちょっとフツーの子役が演じていたならば、
史実に基づいていると信じられたかもしれません。
冒頭のベンジャミンとその娘アーニャのシーンから
ジョーが主役に転じるシーンが、飛びすぎだと感じてしまいます。
 
いずれにしても良い話であることは間違いなし。
こんなふうに、ユダヤ人を救おうとした人がいることが嬉しい。

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