『FUNAN フナン』(原題:Funan)
監督:ドゥニ・ドー
声の出演:ベレニス・ベジョ,ルイ・ガレル他
テアトル梅田にて。
フランス/ベルギー/ルクセンブルク/カンボジア作品。
カンボジアにルーツを持つドゥニ・ドー監督が、自身の母親の実体験を基に描いたアニメ。
1975年のカンボジア。
クメール・ルージュによってプノンペンが制圧され、
多くの住民が強制労働のため農村へと送られる。
クンとチョウ夫婦も息子ソヴァンや母親、妹一家らと共に移動を余儀なくされるが、
その途中、ソヴァンと祖母がはぐれてしまう。
ソヴァンを探すことは許されず、理不尽で過酷な労働を強いられるのだが……。
ベトナム戦争の折にアメリカと衝突したカンボジア。
アメリカが撤退した後に政権を取ったのがクメール・ルージュ政党でした。
当初はアメリカを追い返した政党として英雄視されたものの、
指導者ポル・ポトが掲げた「原始共産主義」は謳い文句と中身が違う。
「みんなで助け合って農業をしよう、そういえばカネは要らない」って。
聞こえはいいけど、結局働かされるのは普通の民衆。
食べるものもろくに与えられず、強姦や粛清も日常的におこなわれていたようです。
こんな時世を描いているのですから、凄絶。
ソヴァンを見つけることはできるのか。この国から脱出することはできるのか。
実体験だというのだから驚くばかり。ご覧ください。