『ジョゼと虎と魚たち』
監督:タムラコータロー
声の出演:中川大志,清原果耶,宮本侑芽,興津和幸,Lynn,
松寺千恵美,森山晋太郎,リリー(見取り図)他
TOHOシネマズ伊丹にて、4本ハシゴの3本目。
原作は1984年に発表された田辺聖子の同名短編小説。
実写版の『ジョゼと虎と魚たち』(2003)が懐かしいですねぇ。17年前だったのか。
あの頃は妻夫木くんも若かった。
ジョゼ役の池脇千鶴はわりともっちゃりした感じだったから(すみません)、
このアニメ版のジョゼのほうがずっと可愛い印象です。
恒夫は海洋生物学を専攻する大学生。
メキシコの海にのみ生息するクラリオンエンゼルフィッシュに魅了され、
それ見たさにメキシコへ留学するつもり。
その資金を貯めようと、ダイビングショップでバイトしている。
ある日、坂道を転げ落ちてきた車椅子の女性クミ子を助ける。
可愛い顔をして口は超絶悪い彼女に呆気にとられていると、
彼女の世話係のバイトをしないかと、クミ子の祖母から言われる。
こんな自己チューな女子の世話係なんてできるかと思うものの、
報酬に釣られて引き受ける恒夫だったが……。
アニメ版を観てから実写版のことを思い出してみると、設定がいろいろと違う。
恒夫がバイトしているのは雀荘だし、こんなに真面目な青年でもない。
女にだらしなくて、セフレまでいるんですよねぇ。
そもそもクミ子が乗っているのは車椅子じゃなくて乳母車。
生まれつき足が不自由でも車椅子には乗らないのが彼女の主義なのですから。
となるともうこれは完全な別物です。
大学生と車椅子女性の普通の恋愛ものというのがこのアニメ版。
大阪になじみのある人なら、知っている場所が出てきたりして、
たぶんこれはこれで楽しめます。普通に良いラブストーリー。
でも原作の田辺聖子らしさはおそらくまったく感じられません。
芥川賞作家の本をわかりやすく映画化するとこうなるんだなぁ。
ま、こっちのほうが一般受けすることは間違いありません。
カップルで観るのにふさわしい作品かと。
ちなみに4本ハシゴは4回目の『鬼滅の刃』で〆ました。
さすがにもう感想を書く気は起こらないので省く(笑)。