『クライ・マッチョ』(原題:Cry Macho)
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド,エドゥアルド・ミネット,ナタリア・トラヴェン,
ドワイト・ヨーカム,フェルナンダ・ウレホラ,オラシオ・ガルシア=ロハス他
109シネマズ箕面にて。
クリント・イーストウッドが実質的な俳優引退宣言をしたのは『グラン・トリノ』(2008)のときでした。
しかしその4年後、宣言を撤回して『人生の特等席』(2012)で主演。
以降、ときにはやっぱり主演しながら、コンスタントに作品を撮り続けています。
前述のリドリー・スコットも凄いけど、クリント・イーストウッドはさらに年上の91歳。
どんだけ元気やねん。
アメリカ・テキサス州。
牧場主のハワードに雇われるも、最近は何事もやる気が起きず、ついにクビを宣告される。
ところがある日、ハワードがやってきて、仕事を頼みたいと言う。
別れた妻リタとメキシコで暮らす13歳の一人息子ラフォを連れ戻してほしいとのこと。
なかば誘拐だとは思うが、ハワードには恩があるから断りきれず。
いざメキシコへやってきてみると、ラフォは不良で家にはほとんどいないらしい。
リタは豪邸でパーティー三昧で、ラフォの居場所を把握していない様子。
リタがいくつか挙げた「息子の居そうな場所」から見当をつけ、
マイクが闘鶏場に足を運ぶと、案の定そこにラフォがいた。
今まで音信不通だった父親のハワードが引き取りたいと言っていると聞かされても、
あまりに急なことで信じられないラフォはマイクを拒絶するが、
どうせ家に帰っても母親は酒浸り、虐待されることも少なくない。
マイクを信じてついて行くことにしたラフォだったが……。
原作は1975年に出版されたN・リチャード・ナッシュの同名小説。
それがそこそこ売れて、原作者自身が映画化を積極的に売り込んでいたそうです。
今から30年以上前にはクリント・イーストウッドに主演のオファーがあったけど、
そのとき彼は自分が演じるには若すぎると断ったのだそうな。
シュワちゃんにも出演のオファーが行ったそうで、実現していたらどんな具合だったでしょうね。
で、結局2020年になってクリント・イーストウッドの監督・主演が決定。
あれほど映画化を望んでいた原作者はこの世にもういないのが残念です。
少年を連れてメキシコからアメリカへ戻るって、『マークスマン』とかぶりすぎだよと思いましたが、
本作では車の故障トラブルが起きて、ひとつの村に一定期間とどまることを余儀なくされるところが違う。
その村で食堂を経営する未亡人の優しさに接し、マイクが恋に落ちるという。
おいっ、90歳超えてまだラブシーン入れな気ぃ済まんのかと唖然としかけましたよ。
今回はキスだけで思いとどまったようだからまぁええけど。(^^;
そして村での滞在期間中、馬の調教や飼われている動物の面倒を見ることで人々の信頼を得るのがよかった。
『マークスマン』と違うのは違うけど、もしかすると主演が入れ替わっても違和感ないかも。(^^;
わかりやすいハッピーエンドにはちょっとびっくり。
年老いたら、こんなエンディングを描きたくなるのかもしれません。
いくつになろうが恋していたいってことなのかしら。