『夏目アラタの結婚』
監督:堤幸彦
出演:柳楽優弥,黒島結菜,中川大志,丸山礼,立川志らく,福士誠治,
今野浩喜,平岡祐太,藤間爽子,佐藤二朗,市村正親他
イオンシネマ茨木にて。
原作は乃木坂太郎の同名漫画。『ビッグコミックスペリオール』に2019年から今春にかけて連載されていたそうです。
封切り日に観に行っても不思議はないところ、躊躇したのには理由があります。
ほかに観るものもなくなってきたので、半ば仕方なしに観に行きました。
ある日、少年・山下卓斗(越山敬達)から依頼を受ける。
卓斗の父親は連続猟奇殺人事件の被害者で、バラバラにされた死体のうち頭部がまだ見つかっていない。
容疑者として逮捕されたのは、“品川ピエロ”の異名を持つ品川真珠(黒島結菜)。
彼女の犯行であることは疑う余地なく、死刑判決が下っている。
卓斗は、父親の頭部を見つけたい一心で、アラタの名を騙って真珠に手紙を書き、文通を始めていた。
その真珠が文通相手に会いたいと言ってきたらしく、アラタに会いに行ってほしいと。
一目で本当の文通相手ではないと見抜かれたのか、真珠の取り付く島もない態度に焦ったアラタは、
彼女の関心を引くために咄嗟に結婚を申し込む。その目論見は見事成功。
夫として真珠に面会するようになったアラタは、事件被害者3人の遺体の未発見部位について探る。
1審では黙秘を貫いていた真珠が控訴審に当たって突然口を開き、やがて「誰も殺していない」と主張。
殺人犯は真珠をストーキングしていた実父で、彼女は遺体の一部を隠す役を果たしていただけだと。
アラタと光一は事件当時に真珠がまだ成人していなかった可能性を見いだし、状況が変化しはじめ……。
真珠の口元が映るたびにやっぱりビビりましたが、思いのほか純粋なラブストーリー。
口さえ開かなければ可愛い真珠だから、そこには目を瞑りながらの鑑賞となりました。
まったく期待していなかったので、意外と面白く。
アラタの心の中の言葉はテンポがよくてコミカル。笑ってしまいます。
控訴審で無罪となったときの再逮捕までの空白時間とか、こういうことができるんだねと感心したり。
それでもサイコはサイコ、ただの人殺し。
そう見てくれる人を待ち望んでいたという真珠の気持ちはわからないけれど、
可哀想な子だと思われたくはなかったという気持ちはなんとなくわかるような。
初恋だったとわかるエンディングシーンはちょっとジワっと来ました。