夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『熱烈』

2024年09月20日 | 映画(な行)
『熱烈』(原題:热烈)
監督:ダー・ポン,スー・ビョウ
出演:ワン・イーボー,ホアン・ボー,リウ・ミンタオ,ユエ・ユンパン,
   ラレイナ・ソン,シャオ・シェンヤン,ワン・フェイフェイ他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『ナミビアの砂漠』の次に。
21:30からの上映で、終了は23:45。家にたどり着いたのは当然日付が変わってから。0:30近い。
でも観に行ってよかったと心から思った中国作品です。
 
主演はアイドルグループ“UNIQ”のメンバー、ワン・イーボー。可愛いことこのうえないイケメン。
コーチ役として出演しているのが『101回目のプロポーズ SAY YES』(2012)のホアン・ボー
 
中国・杭州。ディン・レイはブレイキンのプロダンスチーム“感嘆符!”のコーチ。
チームのエースであるケビンは、金持ちの父親を持つボンボンで多額の資金の提供者だが、
練習に参加せず、イベントにも遅刻、言いたい放題やりたい放題のワガママぶり。
自分の失敗をすべてチームメイトのせいにして、全員クビにしろと言い放つ。
 
ケビンにいなくなられては困るから、
ディンはケビンが練習に参加しなくても本番のみでチームメイトと上手くやれるよう、ケビンの代役を探す。
そうして見つけたのが、かつてのオーディション応募者チェン・シュオ。
 
チェンは母親の飲食店の手伝いと洗車場との仕事を掛け持ち。
閉店後の店や乗客のいない地下鉄内でブレイキンの練習に励み、演芸座にも出演。
あくまでケビンの代役であって大会には出場できないことをディンが伝えると、
チェンは喜んでその条件を受け入れ、より一層練習を積むのだが……。
 
オリンピックでブレイキンを見てもそのよさがわからなかったものですが、
こうして本作を見るとめちゃくちゃ面白い。
主演がイケメンでなかったらこうも没頭できなかったとは思うけれど、
ワン・イーボー演じるチェンのひたむきさを応援したくなります。
 
最初は距離を置かれていたチェンがチームメイトと親しくなっていくのも嬉しいし、
美人の母親や叔父など個性豊かなキャラが良いし、またチェンと知り合う新米女子記者も可愛い。
ダンスシーンが最高で、深夜の帰り道も幸福感に満たされました。
 
実家の飲食店が「蝋人形と軽食の店」というのが凄くないですか。
テーブルとテーブルの間に蝋人形ぞろぞろ。笑った。

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『ナミビアの砂漠』

2024年09月20日 | 映画(な行)
『ナミビアの砂漠』
監督:山中瑶子
出演:河合優実,金子大地,寛一郎,新谷ゆづみ,中島歩,唐田えりか,
   渋谷采郁,澁谷麻美,倉田萌衣,伊島空,堀部圭亮,渡辺真起子他
 
河合優実がすっかり売れっ子になったからか、大小さまざまな劇場で公開中。
ハシゴしたい作品も観られるところということで、TOHOシネマズ西宮へ。
しかし最近ホンマに西宮が遠い。数年前までは全然遠いと思わなかったのに。歳を感じます。
 
脱毛サロンに勤務する21歳のカナ(河合優実)はホンダ(寛一郎)と同棲中だが、
それを承知でカナとつきあっているハヤシ(金子大地)から、ホンダと別れてほしいと言われる。
ホンダが札幌に出張したさいに風俗店へ行ったと打ち明けられたのをきっかけにサヨナラ。
ハヤシと新しい生活を始めるも、楽しいとは思えない毎日に悶々とするのだが……。
 
あらすじを書いてみればこれだけ。
冒頭、親友のイチカ(新谷ゆづみ)とカフェで会い、かつての同級生が自殺した話を聴きます。
しかしカナはその同級生のことなんて覚えちゃいないし、どうでもいい。
自殺を知って落ち込んでいると言ってカナを呼び出したイチカだけれど、およそそうは見えず、
ホストクラブで騒ぎはじめたらすっかり忘れている様子です。
 
カナはハヤシと会うときに、そんなイチカをいつも言い訳に使い、
ホンダは「イチカちゃんと一緒にいてやれ」などと言ってカナのことを疑いもしない。
風俗に行ったことを懸命に詫びるホンダの姿は滑稽きわまりなく、これ幸いと部屋を出るカナにも苦笑い。
 
一方のハヤシもいい奴とは言いがたくて、ホンダのこともハヤシのことも好きになれません。
自分だけがカナの気持ちをわかっていると勘違いしているイタイ男たち。
 
カナのことも含めて誰のことも好きにはなれない作品です。
ただダラダラと話が続くのに、なんとなく見せられてしまう。
隣の部屋の住人役で唐田えりかが出演していて、
「大変だけど、何年か経てばどうでもよくなる」みたいな台詞を吐くところは、
説得力があるというよりは諦めの境地にいるように感じました。
 
ハヤシがカナを連れて行くBBQも含めて不愉快なシーンが多い。
あのときの彼女の心のうちを思うと、共感をおぼえる人は少なくないかも。
 
なんと言っても見どころは「河合優実が脱いでいる」ということではないでしょうか。
知らずに観に行った私は「脱いでるやん」とめっちゃ驚きました。
 
彼女が勤務先で連発する「~させていただく」
「オイルをなじまさせていただきます」「手伝いに入らせていただきます」。
これはおそらく山中瑶子監督の皮肉ですよね?

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