夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スパイダー/増殖』

2024年11月20日 | 映画(さ行)
『スパイダー/増殖』(原題:Vermines)
監督:セバスティアン・ヴァニセック
出演:テオ・クリスティーヌ,ソフィア・ルサーフル,フィネガン・オールドフィールド,ジェローム・ニエル,リサ・ニャルコ他
 
できれば観たくない作品で、避けるつもりでした。
だけどテアトル梅田で前述の『ノーヴィス』1本のみ観て帰るのはもったいない。
映画鑑賞代より駐車場代のほうが高いままはなんとなく嫌。
で、時間的に都合の良い作品はこれしかなく、致し方なくGO。
 
本作で長編デビューしたフランスの新鋭セバスティアン・ヴァニセック監督。
本国フランスで大ヒットを飛ばしたパニックホラー作品です。
 
青年カレブは友人たちからスニーカーの注文を取り、裏で手に入れては売りさばいていた。
ある日、行きつけの店で珍しいものはないかと店主に尋ねると、見たことのない毒蜘蛛が。
希少生物マニアで特に爬虫類好きのカレブは、この毒蜘蛛に魅入られて購入。
 
カレブの部屋にはほかにもさまざまな爬虫類や蛙や蛇などがうようよ。
それぞれに応じたケースに入れて飼っているが、毒蜘蛛にちょうど良いサイズのケースがない。
とりあえずスニーカーの空き箱に入れたところ、知らない間に毒蜘蛛が抜け出してしまう。
 
腹が膨らんでいた毒蜘蛛が産卵したと見られ、建物内で驚くべき速度で繁殖。
しかも捕食者から身を守るためにどんどん巨大化していくらしい。
遭遇したが最後、噛まれて死に至ることがわかり、カレブたちは逃げようとするのだが……。
 
私はそもそも昆虫が得意ではないので、カレブの部屋が映るだけでもう怖い。
かわいいとは到底言えない不気味な生き物にひょえ~。
 
あまり観たくはなかったけれど、困ったことにこれが結構面白くて。
住人たちが外に逃げようにも警察や消防隊がやってきて建物を封鎖してしまい、出られません。
光が当たっている間は毒蜘蛛たちが動かないと判明しても、
こんな古い建物だから電気が行き届いておらず、1分だけしか電気がもたないとか。
 
一緒に逃げるのは、カレブと親友マティス、カレブの妹マノン、マノンの友人リラ、リラの恋人ジョルディ。
カレブとジョルディは子どものころは親友だったのに、あることが原因で絶交しました。
仲直りする機会を逸したまま大人になり、こんなところで再会したふたり。
カレブとジョルディがかつて一緒に動物園を開くことを夢見ていたとわかるくだりにはほろり。
 
いや~、デカい蜘蛛は怖い。夢に出てきそうだと思ったけど、出てきませんでした。
どんだけホラー慣れしたんだか。(^^;

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ノーヴィス』

2024年11月20日 | 映画(な行)
『ノーヴィス』(原題:The Novice)
監督:ローレン・ハダウェイ
出演:イザベル・ファーマン,エイミー・フォーサイス,ディロン,ジェニー・ロス,
   シャーロッテ・ウベン,ジョナサン・チェリー,ケイト・ドラモンド他
 
週初めの仕事帰りに梅田まで行くのはキツイのですが、
早いうちに観ておかないと上映が終わってしまいそう。
観たいでしょ、これ。だってイザベル・ファーマン主演ですよ。
『エスター』(2009)の衝撃から時が経ち、彼女は27歳になりました。
撮影当時はまだ10歳かそこらだったのではないでしょうか。
あんな役を演じてよくここまで成長したものです。
というわけで、彼女を見たくてテアトル梅田へ。
 
監督はハリウッド大作で音響を担当してきたローレン・ハダウェイ。
長編映画を撮るのはこれが初めてなのだそうです。
ハダウェイ監督自身が大学時代にボート部に所属していた体験を基にしているとのこと。
 
極めて優秀な成績で大学に合格したアレックス・ダルは物理を専攻。
最も苦手とする科目であるにもかかわらずわざわざそれを選び、
授業では納得いくまで解答を見直し、つきあわされる教員もほとほと困っている。
 
そんなアレックスが入部したのは女子ボート部。
友人のジェイミー・ブリルはスポーツ奨学金を獲得するためにボート部に入り、
コーチや先輩たちから早くも逸材と言われているのを聞いて焦る。
強迫観念に駆られたアレックスは、狂気を感じるほどの練習を始めて……。
 
同じボート競技の話でも、先日観たばかりの『がんばっていきまっしょい』とはエライ違い。
実はアレックスは大統領奨学金なるものをすでに得ているのに、
他人が褒められると絶対に負けたくない、相手を超えなければと思う。
けれどそれを露わにして相手にぶつけるわけではなくて、ひとりで黙々と訓練に励みます。
それはもう負けず嫌いなどというものを通り越し、自分を追い込んで傷つけているだけ。
 
雨天のもとでボートを漕ぐのは問題ないが、雷のもとでは絶対駄目。
そんなルールも無視して嵐の中を漕ぐアレックスの表情が凄まじい。
 
“エスター”のイメージが強すぎて、こんな狂気の女性を演じても普通に見えなくもない。
まだ30歳前の彼女が今後どんな女優になっていくのかちょっと楽しみです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする