『No.10』(原題:Nr.10)
監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
出演:トム・デュイスペレール,フリーダ・バーンハード,ハンス・ケスティング,アニエック・フェイファー,
ピエール・ボクマ,ディルク・ブーリン,ジーン・ベルヴォーツ,ヤン・ベイヴート他
母の告別式の翌日、“M-1グランプリ2023スペシャルツアー in 大阪”を観た後、
これは映画がつまらないからなのか、私が疲れているからなのか判断つかず。
もう1本観る気が起きて、オランダ/ベルギー作品の本作を鑑賞。
監督はオランダ出身のアレックス・ファン・ヴァーメルダム。
なんだ、面白かったら睡魔には襲われないじゃあないか。
いったい何ですか、これは。どの方向に進むのかわからないまま最後まで。
えーっ、ここで終わるの!?と呆気に取られました。怪作と言いたい。
初老の舞台俳優マリウスの妻レナーテは長患いにより家で寝込んでいる。
病床から始終夫を呼ぶものだから、マリウスは台詞を覚えることに集中できない。
その日もほかの役者らと乗り合わせて稽古場へと向かうが、
マリウスのせいで稽古が滞り、演出家のカールやほかの俳優たちはイライラを募らせる。
マリウスよりグッと若い中年俳優ギュンターがメインを張っているが、
実はギュンターはカールの妻で女優のイサベルと不倫中。
そのことに気づいたマリウスがカールに告げ口すると、カールはマリウスにメインを張らせ始める。
浮気がバレているとは思いもしないギュンターは、急にカールが自分を外しにかかったことに納得できず……。
舞台役者たちの愛憎が絡み合う人間ドラマなのかと思っていました。
ちょっとサスペンスの要素もあるのかな、とか。
ギュンターの娘リジーが父親の私生活を隠し撮りしている理由もさだかではなく、
さらにはギュンター宅の向かいで暮らす聖職者らしき人物たちが大きな謎。
そうしたら話はとんでもない方向へ。
ネタバレになりますが、ギュンターが宇宙人とは。
ギュンターは幼い頃に森で拾われ、里親に育てられた過去がある。
宇宙人一族が赤ん坊を何十人か地球に連れてきて置き去りにし、どれくらい適性があるか調べていた模様。
こんな展開はまったく予期していませんでしたから、ホントに唖然呆然。
想像の遙か上を行くエンディングに、しばし立ち上がれませんでした。
いや~、びっくりしたなぁ、もう。でも面白かったんだなぁ。
人には薦めないけれど、嫌いじゃない。むしろ無茶苦茶で好きです、私は。