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『僕を育ててくれたテンダー・バー』

2022年04月25日 | 映画(は行)
『僕を育ててくれたテンダー・バー』(原題:The Tender Bar)
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ベン・アフレック,タイ・シェリダン,リリー・レーブ,クリストファー・ロイド,
   ダニエル・ラニエリ,ロン・リビングストン,マックス・マーティーニ他
 
2021年のアメリカ作品。
Amazonスタジオの配給で、劇場公開は限定的だったらしく、私もいつ公開していたのか知らず。
今年1月に配信がスタートしました。
 
2005年に発表されたJ・R・モーリンガーの自伝“The Tender Bar”をジョージ・クルーニーが映画化。
原作者の役にタイ・シェリダンを起用し、その叔父をベン・アフレックが演じています。
批評家の評判はたいしてよくなかったようですが、
ベン・アフレックは本作で第79回ゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされました。
 
J・R・モーリンガーが生まれた直後、ラジオDJの父親は失踪。
1973年、家賃を滞納した母親ドロシーは、幼いJRを連れて祖父母のいる実家へと戻る。
 
ドロシーにとって、実家に戻るということは敗北を意味し、
祖父も娘の出戻りを快く思っていないのが明らかだが、
JRは実家に同居する叔父のチャーリーのことが大好き。
面白くて物知りなチャーリーと一緒に過ごしたくて、JRはチャーリーが経営するバーに通う。
 
ろくでなしの父親は養育費も払わず、チャーリーからの借金を踏み倒したまま、
自分の好きなときにJRに会いに来ます。
時にはチャーリーに暴力を振るう父親のことを憎々しく思っているのに、
それでもJRは父親を嫌いになりきれません。
 
チャーリーと話すうち、作家になりたいと思うJR。
金がなくて大学へ行けなかったにもかかわらず博識なチャーリーは、JRのお手本。
もちろん勉強だけでなく、人生において大切なこともチャーリーは教えてくれます。
 
学校ってなかなか残酷ですね。
どんな子どもにも両親がそろっているわけではないのに、
学校行事に来てもらうために家族に招待状を書けと言う。
「パパはいない」と先生に話すJRに、「死んだのか、なぜいないのか」としつこい。
JRは別に不幸じゃないのに、先生の顔が思いっきり「可哀想な子」扱いですもんね。
 
いつも無愛想で、ドロシーにも冷たく見えるけど、愛情いっぱい。
パパの代わりに学校へ来て、ちゃんと先生を手なずけてしまう(笑)。
 
癌を患って寝たきりになるドロシーの願いは、JRがイェール大学に行くこと。
バーでチャーリーをパズルで負かすJRと、そのJRに舌を巻く常連客たちの様子がとても良い。

大人になってからのJRを演じるのがタイ・シェリダン。
見事合格したのちのイェール大学の学生生活も描かれています。
「JRって何の略?」と聞かれた彼の答えは「ジャッキー・ロビンソン」。洒落てるねぇ。
JRが大学の友人たちをチャーリーの店に連れて行くシーンも大好き。
 
あまり特徴のない物語ともいえますが、温かい。安心できる。
原作者が1964年生まれだからか、アメリカの話でも同じ時代を感じられます。

チャーリーの教えでいちばん参考になるのは酒の飲み方か!?(^^;

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