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『ノートルダム 炎の大聖堂』

2023年04月18日 | 映画(な行)
『ノートルダム 炎の大聖堂』(原題:Notre-Dame brule)
監督:ジャン=ジャック・アノー 
出演:サミュエル・ラバルト,ジャン=ポール・ボーデス,ミカエル・チリニアン,ジェレミー・ラウールト他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
なんとまたまた“おひとりさま”。今年4度目、今月すでに2度目やん。
まだ比較的新しい劇場だから、前回よりは贅沢感があります。
 
巨匠ジャン=ジャック・アノー監督によるフランス/イタリア合作のディザスタームービー
2019年4月15日に起きたフランス・パリのノートルダム大聖堂火災を描いています。
火災の瞬間を撮っていたはずもないので、ドキュメンタリーではなく、実話に基づくフィクションです。
 
ノートルダム大聖堂のスタッフの職を得て初日の勤務に就いた男性。
発火を感知するシステムから目を離さないように言われており、
まさに発火を知らせるブザーが鳴ったものだから、各部署のスタッフにすぐさま連絡。
 
伏線として、足場が組まれた修復現場で「禁煙」マークがあるのに喫煙している作業員の姿が映る。
また、骨組みの間を飛ぶ鳩などが配線を踏んでバシッと火花が散る様子も。
 
さて、ところが、発火の連絡を受けた者はおざなりの確認をしただけで「異常なし」と判断。
そればかりか、発火感知システムはよく誤作動を起こすから鬱陶しい、切っておけと言います。
避難を促すアナウンスが自動的に流れたというのに、一旦退出した客たちをもう一度戻す始末。
 
火災に気づいたのは大聖堂内にいる誰かではなく、大聖堂を背景に写真を撮った人でした。
あれ?大聖堂の上から煙が出てるよ、火事じゃないの?てな感じで。通報を受けた消防局も半信半疑。
しかしやがて隙間からチラチラと炎が見えはじめ、こりゃ大変だということになります。
 
幸いにして、建物がデカすぎるから逃げる時間はじゅうぶんにある。
一般的なディザスタームービーのように慌ててドミノ倒しになったりすることもありません。
ただ、消防車がなかなか大聖堂までたどり着けない。
道路が混んでいて、放置自転車などもあれば工事中の箇所もある。
そんななかで大統領が来たりするんですよね。これっていい迷惑じゃないですか。
 
建物は修復できるけれど、聖遺物を失えばどうにもならない。
大聖堂内に保存されている文化財約1,300点を持ち出すことが最優先。
 
ちょうど非番の日だった主任学芸員は、出先で火災を知って驚愕。
気も狂わんばかりの勢いで大聖堂に向かうけれど、あちこち封鎖されていて進めない。
しかし彼がいないと、文化財が入っている部屋の鍵を開けるのも大変だそうで。
何百という鍵の中からその部屋の鍵をすぐに見つけられるのは彼だけ。
聖遺物はキリストの本物の血って、ホンマですか!?
 
おそらく事実に即した作りになっているのでしょうから、感動を煽ったりはしません。
私がちょっともらい泣きしそうになったのは、老いたスタッフが消防士に懇願するところでしょうか。
文化財すべてを救出することは叶いそうにないと考えた彼が、
どれかひとつだけならば、いばらの冠をお願いしますと涙ながらに訴えるシーン。
 
野次馬も多いなか、消火活動を見守る人々が“アヴェ・マリア”を歌いつづけるところもよかったです。
 
客が私ひとりだったおかげで、途中で巨人vs阪神の試合経過のチェックもしてしまいました。
劇場でスマホを見るなんて言語道断の行為ですが、場内にひとりっきりだったらやっちゃいますねぇ。(^^;
ひとり、火災現場でその様子を観ているようで、当日そこに居合わせた気分になりました。

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