『ナポレオン』(原題:Napoleon)
監督:リドリー・スコット
出演:ホアキン・フェニックス,ヴァネッサ・カービー,タハール・ラヒム,ベン・マイルズ,リュディヴィーヌ・サニエ,
ジョン・ホリングワース,ユーセフ・カーコア,フィル・コーンウェル,イアン・マクニース,ルパート・エヴェレット,
ポール・リス,キャサリン・ウォーカー,マーク・ボナー,サム・クレイン他
『エクソシスト 信じる者』だけ観て帰るのは怖いので、本作も鑑賞。
同じく109シネマズ箕面にて。
85歳を過ぎてもこんな作品を撮る体力があるんですね、リドリー・スコット監督。
『グラディエーター』(2000)以来の同監督作出演となるホアキン・フェニックス主演。
面白くないわけがないという顔ぶれだけど、結論から言って、
私にとっては『グラディエーター』のほうが断然面白かったです。
でも158分飽きない作品というのは凄いかな。爆睡しているお客さんもいましたけどね。
フランス革命でマリー・アントワネットがギロチン処刑されるシーンから始まります。
イタリア半島にあるフランス領コルシカ島に生まれたナポレオン・ボナパルトは、
そんなフランス革命のさなかに名を上げた軍人。
まだ20歳そこそこだった頃から活躍し、皇帝までのぼり詰めました。
本作では絶対にそんな若さには見えない(笑)ホアキン・フェニックスが、
特に若作りをすることも老けメイクをすることもなく、最初から最後までナポレオンを演じています。
マザコンの気も見え隠れして、奥手らしいナポレオンが見初めたのは、
ヴァネッサ・カービー演じる貴族出身の女性ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ。
夫だった子爵をギロチン処刑されたあと彼女自身も投獄され、釈放後に出会ったのがナポレオン。
本作を観るかぎり、当初の彼女に貴族の品格は感じられず、自分の生活のためであれば誰とでも寝そう。
ナポレオンと一緒になるために息子を使い、見事にそれを果たしてみせます。
ジョゼフィーヌにぞっこんのナポレオンは、彼女が浮気していると知ると、遠征先から舞い戻る。
彼女を追い出しかけるけど、ジョゼフィーヌの悲しげな顔を見れば途端に許してしまいます。
ジョゼフィーヌの地位も安泰かと思いきや、ナポレオンとの間に世継ぎが生まれない。
妊娠しない理由が彼にあるのか彼女にあるのか、ナポレオンの母親が別の若い女性をあてがって確かめることにゾーッ。
こんな時代だったのですね。
世継ぎを埋めないのは国のためにならないから離婚すると宣誓して署名もさせられ、
なのに離婚した後も彼女をなかば幽閉して自分のものにしようとする。
夫婦の話に関してはまったく共感できませんが、戦闘のシーンは凄い。
本作ではトゥーロン攻囲戦、アウステルリッツの戦い、ワーテルローの戦いの場面が描かれています。
これこそリドリー・スコット監督お得意のシーンで、大画面で観る価値はある。
戦いの話とジョゼフィーヌの話と。ちょっととっちらかった印象があるのは否めません。
でもやっぱり凄いよ、この監督。