『エクソシスト 信じる者』(原題:The Exorcist: Believer)
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
出演:レスリー・オドム・Jr.,リディア・ジュエット,オリヴィア・オニール,ジェニファー・ネトルズ,
ノーバート・レオ・バッツ,アン・ダウド,ラファエル・スバージ,エレン・バースティン他
109シネマズ箕面にて。
観に行くかどうか相当悩みました。だって怖いでしょ。
ホラーを避けずに観るようになってからまだ数年だし。
もはや私はホラー苦手とは言えないぐらい観ているとはいうものの(笑)。
ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』(1973)は私が小学生のときに公開されました。
親しかった同級生が親に無理やり連れて行かれてトラウマ級の恐怖をおぼえ、
彼女はそれ以来グリーンピースが食べられなくなったという曰く付き。
なぜグリーンピースが食べられなくなったか、ご覧になった人はおわかりになりますよね(笑)。
しかし嫌がる子どもに無理やりホラー映画を見せる親ってどないやねん。(^^;
そんな思い出話もあるし、予告編はかなり怖そうだったし、スルーすべきでしょう。
でもまたまた好奇心が勝ってしまったのです。
怯えながらの鑑賞だから、スクリーンから離れた後方席で、眼鏡を外したまま。
来るぞ来るぞと思ったときは眼鏡を外した目さえ薄目にして、直視を避けました。
さて、その本家『エクソシスト』の続編として製作された本作の監督は、デヴィッド・ゴードン・グリーン。
ホラー映画ばかり撮っていそうだから私は初めて観る監督だと思ったら、
『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(2017)なんかも撮っている人じゃあないか。意外。
あらら、『選挙の勝ち方教えます』(2015)も同監督だわ。
本家『エクソシスト』のファンだった人がどう思うのか、ホラー映画ファンがどう思うのかは知りませんが、
どちらにも詳しくない私はじゅうぶん楽しめました。本作だけ単独で楽しむことも可能かと思います。
病院に運ばれたソリーンを診た医師は、彼女かお腹の中の子どものどちらか片方しか救えないと言う。
選択を迫られるヴィクター。
そのとき生まれた娘アンジェラをヴィクターが男手ひとつで育てて12年。
ある日、アンジェラが親友のキャサリンのところで宿題をすると言ったまま帰ってこない。
キャサリンの両親トニーとミランダに連絡したところ、娘たちが嘘をついて出かけたことが判明。
ふたりは森の中に入って行ったらしいが、警察が捜索するも姿が見えない。
3日後、50キロ離れた牧場の納屋にいるふたりが発見される。
ふたりは数時間しか経っていないという認識を持ち、どこで何をしていたのかも覚えていないと言う。
ただ、森の中を歩いていただけだと。
無事に保護されたものの、以降、ふたりに不可解な言動が見られるようになる。
どうやら悪魔に憑依されていると思われ、困り果てる双方の親。
そんなとき、ヴィクター親子の隣人で、一度は修道女を志した過去を持つアンが、
かつて娘が同じ体験をしたことがあるという女性クリス・マクニールの著書をヴィクターに見せる。
妻を喪って以来、神など信じられないヴィクターは本を読む気にもなれなかったが、
ふと開いたページの写真がまさにアンジェラと同じ症状を指していて……。
娘たちの人相が変わるところは恐ろしすぎてまったく見ていません。
悪魔の声に変わるだけでも怖かったけど、画面を見なけりゃ夜中に思い出すこともなくて大丈夫(笑)。
娘たちが森の中に入った理由は、会ったことのないアンジェラの母親ソリーン会いたかったから。
無宗教のヴィクターと違い、キャサリンの親は敬虔なクリスチャンで、
ソリーンの霊を呼び出してアンジェラと話すことが可能だと思っているわけです。
でもそこはそれほど真剣とも思えず、こっくりさんをやるような遊び感覚。
こういうのを観ると、ホント、ひやかし気分で交霊を試みるなんてことはしちゃいけないなぁと思います。
いたずらに触ってはいけないものは確かに存在するはず。
ふたりに憑いたものが何だったのかは明らかにされないし、
ふたりにそれぞれ憑いていたのか、悪魔はひとりだけだったのかどうかも不明。
ただ、これは最終的に悪魔が勝ったと見るのが良さそう。
アンジェラは助かるからハッピーエンドと取るべきかもしれないけれど、いや~、バッドエンドでしょう。
悪魔祓いの話としては、ユーモアもあった『ヴァチカンのエクソシスト』のほうが断然面白かったですが、
私のホラー耐性を上げるためには有効。
つい先日91歳の誕生日を迎えたエレン・バースティンの出演にも敬意を表したい。