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『ジュディ 虹の彼方に』

2020年03月20日 | 映画(さ行)
『ジュディ 虹の彼方に』(原題:Judy)
監督:ルパート・グールド
出演:レネー・ゼルウィガー,ジェシー・バックリー,フィン・ウィットロック,
   ルーファス・シーウェル,マイケル・ガンボン他
 
シネマート心斎橋で2本ハシゴして2本とも泣いた後、
ぷらぷら歩いてなんばへ向かう。
すっかり外国人客の減った戎橋筋商店街などを歩きながら、
TOHOシネマズなんば別館へ。
 
レネー・ゼルウィガーといえば、ぽちゃっとした明るい女性の印象。
そのイメージそのままに大人気を博したのが、“ブリジット・ジョーンズの日記”シリーズでした。
私はそれよりも前の『ザ・エージェント』(1996)の彼女も忘れられません。
最近見かけなくなったことを残念に思っていた折、
『砂上の法廷』(2016)を観て衝撃を受けました。
「誰やねん、この女優?」と最初はわからなかったほど。
やつれて老けてしまった彼女、言うてもまだ50になってへんやろ?悲しすぎるって。
 
本作の予告編を観たときも、まぁまぁの衝撃を受けました。
あの溌剌としたレネーはどこへ。
でもこれはそんなデコのシワも役にぴったり。
ミナミでハシゴの3本目でしたが、これも泣きました。
 
1939年に公開されたミュージカル映画『オズの魔法使』に主役のドロシーとして出演、
17歳にして一躍大スターとなったジュディ・ガーランド
1940年代から50年代にかけてハリウッドで大活躍した彼女が、
身も心もぼろぼろになっていた1968年から本作は始まります。
 
子役の頃から自由な時間はなく、太らぬように食事制限されて睡眠も十分に取れず。
そんな日々を30年に渡って送ってきたジュディはほぼ薬漬け。
仕事のオファーといえば巡業ショーしかなく、
娘と息子を連れてあちこちを転々とする毎日。
定宿にしていたホテルの宿泊費を滞納して追い出され、
致し方なく子どもたちの父親である3人目の元夫シド・ラフトのもとを訪れる。
 
安定した収入があり、子どもたちにも愛情を注いでいるシドは、
ジュディからふたりを引き取ることを申し出る。
激しく拒否するジュディだが、金が貯まるまではそうすることに。
 
ロンドンではいまだ絶大な人気を誇るジュディは、こうして単身渡英。
ロンドンでの公演に再起をかけて臨むのだが……。
 
吹き替えなしで歌ったというレネーの歌が素晴らしい。
デコのシワを見るにつけ、切なさで胸が痛みます。
 
ロンドン公演に再起をかけていたくせして、情緒不安定。
世話係のロザリンを振り回し、もう大変。
結局、飲酒して薬を飲んでステージを台無しに。
彼女の出演はなくなり、代役を立てて公演が続けられることに。
 
終盤、ロザリンとバンドリーダーのバートが用意してくれたケーキを
おそるおそるジュディが食べるシーンになぜか涙。
あとは、ステージ上で歌えなくなったジュディに起こること。
これ、間違いなく私が泣いてしまうパターンで(笑)、そのとおり号泣。
 
子どもたちへの彼女の想いを考えれば居たたまれない。
虐待や育児放棄が毎日のようにニュースで取り上げられるなか、
彼女は本当に子どもたちを愛していたし、子どもたちもそうだった。
 
ロンドン公演が終わった半年後には亡くなったという事実が残念でなりません。
きっと永遠に歌い継がれる、“オーバー・ザ・レインボウ”。
 
ところで、シド役のルーファス・シーウェルって、マジでハゲた?

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