『仮面病棟』
監督:木村ひさし
出演:坂口健太郎,永野芽郁,内田理央,江口のりこ,丸山智己,
笠松将,藤本泉,小野武彦,鈴木浩介,大谷亮平,高嶋政伸他
コロナ騒動の中であろうが私は普通。
仕事帰りにいつもどおり空いている劇場へ。
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
原作は知念実希人の同名ベストセラー小説。
すごいですよねぇ、現役のお医者さんで作家で、映画化までされちゃうなんて。
まだ40歳を過ぎたばかりの方のようで。その才能のかけらがほしい。
TVドラマから映画へと活躍の場が動いてきているようです。
意外に登場人物が少ないのは、一応密室サスペンスミステリーだからでしょうか。
主に出ているのは5人だけですもんね。
プロポーズをしようとしていたその日に自分の運転する車で事故に遭い、
同乗していた恋人を死なせてしまった若い医師・速水秀悟(坂口健太郎)。
立ち直れないでいる彼のことを心配し、
恋人の兄であり先輩医師でもある小堺司(大谷亮平)が
ある病院の一夜限りの当直を交代してほしいと連絡を寄越す。
その病院はかつて精神病院だった田所病院。
速水の恋人の受け入れを拒否した病院でもある。
しかし恨んだところで彼女が戻ってくるはずもなく、
努めて冷静な気持ちで速水は当直を引き受ける。
田所病院に入院しているのは認知症など記憶の定かでない患者ばかり、64名。
院内を案内してくれた看護師・東野良子(江口のりこ)によれば、
医師の手を煩わすことなど何も起きないから、当直室にいてくれさえすればいいとのこと。
そのとおりに当直室にこもってうつらうつらしていたところ、
東野からただちに1階に降りてきてほしいという電話が入る。
駆けつけてみると、そこには銃で撃たれたらしい女子大生・川崎瞳(永野芽郁)と、
その犯人のピエロの仮面をつけた男がいて……。
犯人は金銭のほかに何か目的があって立てこもっている様子で、
それと合わせて考えれば、院内に誰か協力者がいることが明らかです。
この人しかおらんやろという想像は早いうちについてしまう。
面白かったことは否定しませんが、いくら復讐の気持ちがあろうとも、
こんな人がこんなに次から次へと躊躇なく人を殺すのはどうだか。
しかも金持ち逃げして、トンズラしたままということでしょ。
私はとても清々しい気持ちにはなれません。
ただ、人の命の価値を医師が選別して、
死んでいい奴、生かす奴を判断していいわけがないという言葉は心に沁みる。
なぜ告発しようと思ったのか、正義感を見せたいだけかと記者たちから問われた速水が、
裏切りたくないから、と言うシーンもよかったです。
ま、こんなもんということで。