夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈か行〉

2021年12月27日 | 映画(か行)
《か》
『観察者』(原題:The Voyeurs)
2021年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
モントリオールの瀟洒なアパートメントで同棲を始めたピッパとトーマス。
通りの向かいの部屋に住んでいるカップルの生活が丸見えで気になる。
向こうのカップルに勝手に「マーゴット」と「ブレント」と名付けて覗き見を楽しむ。
そのうちそれでは飽き足らず、双眼鏡を購入してまで覗くように。
マーゴットが留守にしていたある日、スタジオが併設された向かいの部屋に、
ブレントがモデルを連れ込んでいるのを見てしまう。
その後も仲睦まじいマーゴットとブレントに、ふたりの関係をあれこれ想像。
向かいの部屋の会話をなんとか聴けないものかと考えたピッパとトーマスは……。
とんでもないオチが待っています。ドンデン返しも一度じゃない。
自分が他人の部屋を覗き見して、違法な盗聴までしているのに、
正義感に駆られてマーゴットにブレントの浮気を伝えたくなるなんて不思議ですねぇ。
大きなお世話が不幸を呼び、その不幸がまた不幸を呼ぶのでした。怖っ。
ブレント役がベン・ハーディなのが嬉しい。色っぽいナンパ男です(笑)。
 
《き》
『君の誕生日』(英題:Birthday)
2019年の韓国作品。
2014年に起きたセウォル号沈没事故の犠牲者の中には、
修学旅行中だった多くの高校生が含まれていました。その悲劇を背景に描かれています。
高校生の息子スホの死を受け止められずにいる母親スンナム(チョン・ドヨン)。
事故当時、海外に単身赴任していた父親ジョンイル(ソル・ギョング)は訳あって服役。
ようやく出所して帰宅するが、久しぶりの再会にもスンナムは冷ややか。
小学生の娘イェソルも、顔すら覚えていない父親に対して戸惑いの表情を見せる。
ある日、遺族を支援する会の代表者が来訪して、スホの誕生会を開催しようと言う。
前年も同じ提案がなされていたが、スンナムは拒否したことをジョンイルは知る。
そればかりかスンナムは遺族の集まりにも顔を出したがらず……。
遺族の集まりは傷の舐め合いではないし、支援者の会も偽善ではない。
やっと出席することにした誕生会の様子に、ラスト20分は涙なしでは観られません。
スホを慕っていた隣家の少年役でタン・ジュンサンが出演しています。
 
《く》
『靴ひも』(原題:Laces)
2018年のイスラエル作品。
エルサレム自動車整備工場を営むルーベンのもとへ、元妻の訃報が届く。
元妻とルーベンとの間に生まれた息子ガディは現在38歳。
ルーベンは、元妻と発達障害のあるガディを30年以上前に捨てたのだ。
ガディがひとりで暮らすのは困難なため、彼を受け入れる施設が決まるまでは、
ルーベンがガディを預かることになる。
お互いに戸惑う父子だったが、少しずつその生活に慣れはじめた頃、
ルーベンが末期の腎不全で、移植をおこなわなければ命が危ういとわかり……。
ヤコブ・ゴールドヴァッサー監督自身にも障害を持つ息子がいるそうです。
ガディがルーベンに自らの腎臓を渡したいと訴えたとき、
自分の靴紐も結べないガディに、臓器を渡すという判断ができるわけがないとして調査員が却下します。
そのときガディが涙ながらに「あなたたちは頭がいいでしょう。
僕はそうじゃないけど、でも物事を考えることはできる」と言うシーンがたまりません。
無事に腎臓を移植して父子幸せに暮らすというエンディングではなくて凹みますが、
ガディには肉親ではない誰か大切な人と暮らす新しい明日が待っている。
 
《け》
『剣客』(英題:Innocense)
2020年の韓国作品。
17世紀の朝鮮半島。明と清の覇権争いの余波で国情は混乱。
反乱軍によって王宮を追われた光海国王に仕えていた最強の武人ユテルは、
今は愛娘テオクとふたり、山奥でひっそりと暮らしている。
歴戦の古傷のせいで視力が危ういユテルを心配したテオクは、
父親に治療を受けさせたいと考え、ユテルをへと連れ出す。
ところが都では清からの使者が暴れており、テオクが彼らに連れ去られてしまう。
大事なテオクを取り戻すため、ユテルは封印していた剣を再び手に取るのだが……。
ソードアクションというやつですね。史実に基づいたフィクションなのだそうで。
テオク役にはチャン・ヒョク。時代物の彼もいいですね。
男性アイドルグループ“BTOB”のリードラッパー、イ・ミンヒョクが脇役で登場して、
最後にたまらん笑顔を見せています。オイシイ出演。(^^;
 
《こ》
『国際捜査!』(英題:The Golden Holiday)
2020年の韓国作品。
いかついイメージがあるクァク・ドウォンの巻き込まれ型アクションコメディ。
田舎の警察署に勤務する刑事ビョンスは、妻子から海外旅行をねだられ、
致し方なくフィリピンを訪れることに。
実はビョンスはかつて、旧友のヨンベから金儲けの話を持ち込まれ、
同じ課の刑事たちとその話に乗ってヨンベに逃げられた過去がある。
ヨンベが現在フィリピンにいるらしいとの噂を聞いた同僚たちは、
家族旅行のついでにヨンベを見つけて金を取り戻して来いと言い……。
どこの国にも徳川埋蔵金とかM資金みたいな話があるのだなと笑いました。
ビョンスが乗せられたのも、第二次世界大戦中に日本帝国陸軍が海底に隠したという金。
その名も「ヤマシタゴールド」。山下という将軍が隠したからですって。
これも嘘だろうと思いきや、本当に眠っていたのですよ、金が(笑)。
監督は『ありふれた悪事』(2016)のキム・ボンハン。この監督、結構好きかも。

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