『事実無根』
監督:柳裕章
主演:近藤芳正,村田雄浩,東茉凜,西園寺章雄,和泉敬子,仲野毅,西尾塁,しまずい香奈,小堀正博,武田暁他
京都シネマで3本ハシゴの2本目。
オンライン予約したときはたいして混んでいなかったのに、入場したら満席で驚いた。
どうやら柳裕章監督も来られていたようで、一緒に写真撮影しているお客さんがいっぱい。
だけど、私はどういう経緯で出来あがった作品なのか知らないし、ただ普通に映画として楽しむ。
京都の某所、公園に面した喫茶店“そのうちcafe”を営むのは、妻に逃げられた過去を持つ星孝史(近藤芳正)。
手を骨折中の彼がアルバイトを募集したところ、応募してきたのは18歳の大林沙耶(東茉凜)。
わざわざ高槻から通うという彼女に交通費は払えないと伝えるが、それでも沙耶は良いと言う。
生真面目すぎる沙耶にいささか不安は感じるものの、温かい常連客に恵まれてなんとかやっていけそう。
孝史がそう思って見ていると、沙耶も徐々に仕事になじみ、しかも料理には慣れている様子。
そんな沙耶を公園のベンチからじっと眺めている男がいることに孝史は気づく。ストーカーなのか。
孝史が思い切って話しかけてみると、その男は大林明彦(村田雄浩)という元大学教授。
彼は沙耶の継父で、実父のように沙耶を可愛がっていたが、あるとき大学の若い同僚からセクハラで訴えられ、
濡れ衣を叫ぶも認められず、居たたまれなくなって妻子を置いて逃げ出したのだと言う。
今はホームレスの身の明彦だが、沙耶のことが気になって見に来たらしく……。
最初、客2人分のオーダーさえまともに取れない沙耶にイラッとしましたが、(^^;
笑えるシーンもいっぱいあって、客席からこぼれる笑い声にとても嬉しくなりました。
ネタバレですが、実は沙耶は孝史の実の娘。
顔も知らない父親に会ってみたいと考え、偽名を使って孝史の店にやってきたのでした。
そんなことは予想だにできず、孝史は明彦と沙耶の仲を取り持とうとする展開。
ちょっとご当地ムービーの香りがするものの、私も大学4年間京都にかよっていたものだから、
京都が舞台の作品というのは楽しいです。
常連客の阪神談義も可笑しくて思わず頷く。
そうそう、こんなチームのファンになっていなければ、もっと心穏やかな人生が送れるんですけどね(笑)。
あったかい気持ちになれます。