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『テュベテイカをかぶった天使』

2021年12月21日 | 映画(た行)
『テュベテイカをかぶった天使』(原題:Angel v Tyubeteyke)
監督:シャケン・アイマノフ
出演:アミナ・ウルムザコワ,アリムガズィ・ラインベコフ,ビビグリ・トゥレゲノワ他

第七藝術劇場では“中央アジア今昔映画祭”を開催中。
1991年にソビエト連邦が崩壊してから30年。
崩壊と前後して独立した中央アジアの国が5つ。
それらの国々の映画を観ようじゃあないかという催し物。

本作は1968年に製作されたカザフスタンの作品です。
テュベテイカとは中央アジアの伝統的な帽子。
その帽子をかぶった天使って、可愛い子どものことだろうと思ったのに、
口ひげを生やして腹の出たオッサンかいっ!(--;

愛息タイラクの誕生日を祝うため、田舎から都会へやってきた母親タナ。
テュベテイカを手放さないタイラクのことをタナは「天使」と呼ぶ。
タイラクは地理の教師で思いやりのある男だが、あいにく独身。
タナはこの機会にどうしても息子に花嫁を見つけたいと思い……。

オドロキモモノキサンショノキ。
いくら50年以上前の作品とはいえ、この花嫁探しは普通のことだったのでしょうか。

タナは街中を駆け巡り、タイラクにふさわしいと感じる女性に次々と声をかけます。
「ちょっといいかしら。あなた歳はいくつなの」てな具合で。
20歳そこそこの女性を見つけると強引に家に招き、タイラクと会わせる。
ちゃんと相思相愛の相手がいるタイラクは、わざと変な態度を取ってみせます。

必死で息子の花嫁を探す母親のことがちょっとした話題になり、
タナが立場を偽って女子寮を訪れてもバレバレでからかわれる。
それでもまったく平気な母親を強いと見るか、イカれていると思うか。

珍しいカザフスタンのミュージカルという触れ込みでしたが、
ミュージカルというのはどうなのかなぁと思います。
登場人物たちが急に踊り出すのではなく、歌うシーンで踊るだけ。
そのシーンが唐突というわけでもありません。
それより私が驚いたのは、キスシーンがあるんだということです。
こういう国の作品にキスシーンはないだろうという偏見ですかね。

タナが選んだ女性がバレリーナで、その舞台を観に行ったら、
男性ダンサーと踊る場面があり(そら踊るやろ)、
男にあんなに体を触らせるなんてあかんと縁談を進めるのをやめるし、
理不尽このうえないタナを見ているとイライラします。(^^;

そんなタナもいい歳をして恋に落ちるという衝撃のハッピーエンド。
おかげでタイラクもタナに反対されていた恋を実らせます。

しかしタイラクっていったい何歳なんですか。
チョビひげでハゲ、たるんたるんの、どう見ても中年の冴えない男なんですけど。
こういうタイプがカザフスタンではカッコイイ人なのかしら。解せん。

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